ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第六話 =大天使の訪問=

第六話 =大天使の訪問=

 

 

「ほら走れ。デイウォーカーなら日中でも走れる筈だ」

 

「ヒィィィィッ!デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇぇッ!」

 

「・・・ギャーくん、ニンニクを食べれば健康になれる」

 

「いやぁぁぁぁん!!小猫ちゃんが僕をいじめるぅぅぅぅ!!」

 

夕日が差し掛かる旧校舎近くでゼノヴィアがデュランダルを振り回しながら、小猫がニンニクを持ちながらギャスパーを追いかけていた。

ギャスパーは、涙目になりながらも唯ひたすら逃げていた。

リアスから教育係を任されたのは鋼弥、一誠、ゼノヴィア、小猫の4人である。

 

「まずは、ランニングで基礎体力をつけると所だな」

 

そのやり取りを見物している鋼弥。すると、背後から気配を感じその方向を見る

 

「よー、魔界のハンター。へぇ、魔王眷属の悪魔さん方はここで集まってお遊戯してる訳か」

 

「アザゼルか、二度目の出会いになるね。浴衣を着て現れるとは自由な人だな」

 

「おっ?警戒しねぇのか?俺、一応堕天使の総督だぜ?」

 

「いや、殺気を感じないから警戒する必要がないよ。

 サーゼクス殿は、貴方は戦争嫌いで、ただ神器所有者を集めている人と聞いた

 それに・・・最初に会った時に、目は曇ってないからな」

 

「ハハハハハッ!お前、面白ぇ奴だな!堕天使のボスが現れたら誰だって警戒するっつうのによ!」

 

鋼弥の言葉に、アザゼルは高らかな笑い声を上げた

 

「最初に出会った時、殺気を感じなかったからね。それで信じたのさ」

 

「それにお前の能力に興味が有るな。契約した悪魔へと変身すると聞いたぜ」

 

「白龍皇のヴァーリから聞いたのか?」

 

「あぁ、神器じゃない珍しい能力だと言ってたぜ?今度、俺にも見せてくれよな?」

 

「・・・他人に、この力を見せびらかす気は無いのでね」

 

「ははは、そうか。さぁーて、赤龍帝にも挨拶すっかねー」

 

そう言って、アザゼルは一誠達の方へと歩いていった

ギャスパーの余分な力を吸収する方法として、サジの≪黒い龍脈≫で力の調節を行ったという。

だが、完全に制御する事は難しく、少し興奮すると止めてしまうそうだ。

 

 

◇◆◇◆

 

 

数日が経ったある日の事。鋼弥と一誠は朱乃に呼び出されたのだ。

二人は街は外れの石段を登り終えると、神社がたたずんでいた。

 

「いらっしゃい、鋼弥さん、イッセーくん」

 

竹ぼうきを持ち、巫女装束を着た朱乃が待っていた。

この神社は裏で特別な約定が執り行われていて、悪魔でも入る事ができる。

鳥居を潜っても何の問題も起きなかった。

俺は神社と言った神聖な場所でも、何の障害にもならないから平気だけどね。

 

「朱乃はここに住んでるのか?」

 

「ええ、先代の神主が亡くなり、無人になったこの神社をリアスが私の為に確保してくれたのです」

 

「彼が赤龍帝ですか?」

 

突然発せられた第三者の声。

2人がその方向へ振り向くと、豪華な白いローブを着た青年を視界に捉えた。

鋼弥はその姿と魔力を感知したのか、驚いたのだ。

 

「初めまして赤龍帝、兵藤一誠くん、私はミカエル、天使の長をしております。

 なるほど、このオーラの質、まさにドライグですね。懐かしい限りです」

 

天界において天使を統括し、≪神の如し≫という意味名を持つ。

四大天使のリーダー格、大天使ミカエルだった。

 

「まさか、大天使ミカエル殿がここに来られるとは・・・」

 

「おお、涼刀鋼弥くんもこちらに来ていたのですか」

 

「ええ、今はリアス・グレモリ―の助っ人として働いていますけどね」

 

ちなみに、大天使ミカエルから、たまに依頼状を渡される事があるのでお互い知り合った仲程度だけどね・・・。

 

 

◇◆◇◆

 

 

一誠はミカエルは神社の本殿で大事な話をしている間、朱乃と鋼弥は境内の家の居間で休んでいた。

 

「お茶をどうぞ」

 

「ありがとう。しかし、四大天使のリーダーのミカエル殿が一誠に何の用で来たのだろうか?」

 

「なんでも、龍殺し≪ドラゴン・スレイヤー≫の聖剣≪アスカロン≫を渡しに来たと聞いていますわ」

 

――聖剣アスカロン。

 

キリスト教の伝承の聖ジョージまたはゲオルギウスと呼ばれている者が所持していたという武器。

ドラゴンを殺した剣と伝えられるが、伝説では槍で倒したと言われている神具だ。

ちなみにアスカロンの由来はパレスチナ地方の都市アシュケロンから取ったといわれているらしい

 

「聖剣は悪魔にとって苦手な武器で尚且つ、龍殺しの剣だ。一誠とドライグは大丈夫なのか?」

 

「特殊儀礼を施しているので、悪魔のイッセーくんでもドラゴンの力があれば扱えますわ。

 正確にはイッセーくんのブーステッド・ギアに同化させると言った感じらしいです」

 

今度の会談は三大勢力が手を取り合う大きな機会らしく、

このまま小規模ながらも争いが続けば間違いなく三大勢力は滅ぶ為、聖剣を送るという

つまり天使側から悪魔側へのプレゼントと言う事である

 

(天界が冥界側の悪魔と堕天使と戦争する前に、魔界の悪魔側と戦争したからな・・・)

 

かつて、魔界と天界は自分たちの勢力を拡大する為に大戦争を繰り広げた事がある。

それは何日、何ヶ月にも及ぶ戦いで、遂には決着がつかずだった

大魔王ルシファーと大天使ミカエルはこのままではいけないと思い、両世界に条約を結んだのだ。

天使は魔界への、悪魔は天界への侵入と攻撃をする事を禁ずる事だ。

今では両世界は貿易している関係となっている。

 

「平和になる事は良い事だよ。戦争をしてもただ虚しい結果しか残らないからね」

 

「ウフフ、そうですわね」

 

茶を飲んで、一服する鋼弥。コカビエルの言葉に気になっており、思い切って聞いてみた

 

「朱乃、1つ聞きたい事がある。

 コカビエルが言っていた『バラキエルの力を宿す者』という言葉。

 朱乃はもしかしたらと、思うが・・・」

 

「・・・そうよ。元々私は堕天使の幹部バラキエルと人間との間に生まれた者です」

 

表情を曇らせた朱乃、彼女の正体は堕天使と人間のハーフだった。

朱乃は更に自分の出生について話していく

 

「母は、この国のとある神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていた堕天使の幹部であるバラキエルを助け、その時の縁で私に身を宿したと聞きます」

 

朱乃は背中から翼を広げた。片方は見慣れた悪魔の翼、もう片方は堕天使の黒い翼だった。

 

「汚れた翼・・・。悪魔の翼と堕天使の翼、私はその両方を持っています。

 この羽が嫌で、私はリアスと出会い、悪魔となったの。

 でも、生まれたのは堕天使と悪魔の羽、両方を持ったもっとおぞましい生き物。

 ふふふ、汚れた血を身に宿す私にはお似合いかもしれません」

 

自嘲する朱乃、鋼弥は真剣に朱乃を見ていた

 

「堕天使は嫌いよね?この町を破壊しようとした堕天使に良い思いを持つ筈が――――」

 

「・・・朱乃、それは違う」

 

「えっ?」

 

「一番悪いのは再び戦争を起こそうとしたコカビエルだ。

 朱乃が堕天使の血を引いているから嫌いになる理由は何処にもない。

 それに、種族で人柄を決めるのも間違っている。だから、そんなに自分の事を責めるな・・・」

 

鋼弥は朱乃の苦しさを紛らわす為に優しく抱きしめる。

 

「あ・・・」

 

「もし、朱乃を悪く言う者達がいれば、俺はその者達に拳を振るう」

 

「・・・殺し文句、言われちゃいましたわね。そんな事言われたら、本当の本当に本気になっちゃうじゃないの・・・」

 

朱乃の顔が赤くなると同時に目から涙が溢れて、鋼弥を抱きしめて鋼弥を押し倒す。

 

「・・・ありがとう、鋼弥さん。こんな私を好きになってくれるんですか?」

 

「・・・どんな事があっても朱乃を護る。護ってみせる」

 

鋼弥は真剣な眼差しで、朱乃を見つめる。

朱乃は嬉しいのか、更に強く抱きしめる。

しばらくの無言が続く・・・。

 

「・・・・・・」

 

「朱乃?どうかし―――んっ!?」

 

朱乃が突然唇を重ねてきて、舌で口をこじ開けて舌を絡ませて来る

 

「ん・・・ちゅ・・・はむ・・・ちゅ」

 

「あ、朱乃・・・んっ・・・んううっ!!」

 

胸の鼓動が速く脈をうっている。思考が回らない。

もしかすると、媚薬の効果があるのか・・・?

怖い感じはする。でも、何故だろうか安心ができる。

ダメだ・・・何も考えられなくなる・・・。

 

「んんんんーーー!!」

 

鋼弥は目を堅く瞑り、大きく痙攣したのだ

唇を離し、舌を引きぬくと、お互いの口の間に透明の雫の橋が結んでいた。

鋼弥は顔を赤めて息を荒くして、グッタリとしていた。

 

「はあ・・・はあ・・・身体が、弾けそうだった・・・」

 

「はあ・・・はあ・・・。ふふ、鋼弥は意外と初心なんですね」

 

「・・・悪かったね。こんな事は経験したこと無いから・・・」

 

プイッとそっぽ向く。

それが可愛かったのか、朱乃は鋼弥をまた、ギュ~~~ッと抱きしめる。

鋼弥は少し笑って朱乃の頭を優しく撫でる

 

「朱乃。俺は何があっても、お前の事を護ってやる。どんな事があっても・・・」

 

「・・・はい」

 

この日に、鋼弥は"人を愛する"気持ちを理解できたのかもしれない。

ずっと、ずっと、戦い続けてきた男に初めて心の支えになる人ができたことも・・・。

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