ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
同時刻。一誠とリアスが転送されたのは部室だった。
転送は成功したのだが、そこには二人の者達に占拠されていた。
【あんっ?もう来たのか?】
【なんだなんだ?たった二人しか来てないのか~?】
二人の少年はゲタゲタと笑っている。
顔立ちはいいが、まるで化け物の様な笑い方だ。
「貴方達は何者なのかしら?」
リアスは臆することなく、威風堂々と二人に問う
【僕の名はザリチュ。こっちは相棒のタルウィ】
緑髪の少年はザリチュ、青髪の少年はタルウィと名乗った
「てめぇら、ギャスパーをどうする気なんだ!?」
【俺たちの目的は、この金髪少女を持ち帰るのが目的さー】
タルウィの隣りには椅子に縄でくくりつけられたギャスパーの姿が・・・
「貴方達、一体何者なの?」
【なんだ?あの"アルギュロス"から何も聞いてないのか?
ちなみに"アルギュロス"というのは涼刀鋼弥の事でね、俺たちの事を邪魔するキザヤローさ】
タルウィがギシシシシッと不気味に笑う。
リアスは腕を組んで、二人の悪魔を睨む。
「鋼弥の敵という事は、私達の敵という訳ね」
【あらら、そんな風に捉えちゃうのか~。まぁ、いいや】
「ぶ、部長!イ、イッセー先輩!」
「ギャスパー!良かったわ、無事だったのね」
【おやおや、敵の前でよく余裕な事を言うねー。まぁ、こんなカワイイ女の子だったら心配するのも解るわ】
「・・・言っておくけど、お前ら。そいつは男だぞ」
一誠の発言でピシッという音共に固まるザリチュ&タルウィ
【【はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?男だとぉぉぉぉぉ!!?】】
次の瞬間、二人は揃えて大絶叫をする
【ざっけんな!!どう見ても、少女に見えんじゃん!!】
【こんなの詐欺じゃないですかー!!やだー!!】
ザリチュが憤慨し、タルウィは愕然としてさめざめと泣いていた。
よほど、男だという真実を受けられなかったのだろう。
が・・・二人は気を取り直したのか、立ちあがる。
【まぁ、野郎でも後で性転換手術しちゃえばなんの問題ないもんねー】
【流石はザリチュ、冴えているー♪後は俺たちの駒にしちゃえば、ボスも大喜び♪】
ゲタゲタと笑う、二人の姿とこれから行われる事にギャスパーは涙を流し震えていた。
「僕は・・・死んだ方が良いんです。
お願いです、部長、先輩。僕を殺してください・・・。
この眼のせいで、僕は誰とも仲良くなんて出来ないんです・・・。
迷惑ばかりで・・・臆病者で・・・」
ギャスパーは涙をボロボロとこぼす。
敵に拉致され、利用され、一誠達に迷惑かけたと思っているからなのだろう。
「バカな事を言わないで。
私はあなたを見捨てないわよ?あなたを眷属に転生させた時、言ったわよね?
生まれ変わった以上は私の為に生き、そして自分が満足出来る生き方も見つけなさい、と」
リアスの優しい言葉にギャスパーは首を横に振った
「・・・見つけられなかっただけです。迷惑かけてまで僕は生きる価値なんて・・・」
「あなたは私の下僕で眷属なの。私はそう簡単に見捨てないわ!」
「そうだぞギャスパー!俺と部長はお前を見捨てないからな!」
【はいはい、泣けない芝居はそこまでだね。てか、そんな友情を見たらムカムカしてきたなぁータルウィ】
【ああ、そうだねーザリチュ。コイツを連れて帰る前に、こいつらをぶっ殺してやろうや?】
すると、ザリチュとタルウィの二人の姿が変わりだした
ザリチュは全身に赤いタトゥーが刻まれ、額には大きな一本角が生えた怪人に、
タルウィは植物の蔓が束となり人の形を形成しており、両腕が毒々しい紫色の花を持つ怪人となった
あの二人の完全なる悪魔の姿だろう。強力な魔力が溢れていた。
【さぁーて、お前たちはどんな死に様が望みだい?】
【毒死か、焼死のどれか選びな。2つともと言うなら大歓迎!!】
一誠は構えだしたが、リアスは手で制止しギャスパーに呼び掛ける
「ギャスパー、私にいっぱい迷惑をかけてちょうだい。
私は何度も何度もあなたを叱ってあげる!慰めてあげる!
決してあなたを放さないわ!」
「ぶ、部長・・・僕は・・・僕はっ!」
リアスの励ましに涙するギャスパー。
その涙は恐れでも悲しみでもない、嬉しみの色だった。
一誠もその涙に気づき、気合を入れされた。
「ギャスパァァァァァァァアアアアアアアアアアアッ!」
大声が室内に響き渡る
「逃げるなッ!恐れるなッ!泣き出すなッ!
俺も!鋼弥も!部長も!朱乃さんも!アーシアも!木場も小猫ちゃんもゼノヴィアも!
皆、仲間だ!絶対にお前を見捨てないッ!仲間外れなんかにしないぞォォォォオオオオッ!
ブーステッド・ギア!!」
『Boost!!』
一誠は左腕を高く掲げ、神器を発動させる
「部長!『女王(クイーン)』に昇格します!」
「いいわよっ!!一誠!!」
リアスから許可が下り、一誠の力が上がる
更にミカエルから貰った聖剣アスカロンが、ブーステッド・ギアの甲から伸びた
一誠はそれで自らの右の掌を斬ったのだ。斬った個所に血が流れ出る
「イッセー、なにを?」
【おいおい、自分で斬るなんてバカな奴だな?熱くなりすぎたのかい?】
「ギャスパー!自分から立たなくちゃ始まらないんだぜ?
女の子に活を入れてもらったら、あとは立てッ!
てめぇには立派なモノついてんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
一誠が左腕を突き出すと、血が付着したアスカロンがギャスパーに向かって伸びていく
アスカロンに付いた血がギャスパーの口に付着した
「飲めよ。最強のドラゴンを宿しているとか言う俺の血だ。それで男を見せてみろッ!」
一誠の言葉にギャスパーは強い眼差しで頷き、舌で口元に付いた血を舐め取った瞬間、室内の空気が一変した
【なんだ、この雰囲気は・・・?】
【ああっ!?あの金髪のガキがいねぇ!?】
いつの間にかギャスパーが消えていた
その事に一誠も驚き室内を見渡すと、天井近くを無数のコウモリが飛んでいた
『僕はあなた達を停めます!』
無数のコウモリの瞳が赤く光り、ザリチュとタルウィを停止させた
「イッセー、あれがギャスパーの力よ。吸血鬼本来の力も一気に解放されたみたい」
「やったじゃねぇか、ギャスパー!」
『はい!ありがとうございます、イッセー先輩!』
嬉しそうな声を上げる一誠とギャスパーだったが・・・
【なぁーるほど、中級の悪魔ならば永遠と停める事は出来たが~】
【生憎、俺たちは大悪魔だよー!!】
二人は同時に魔力波をギャスパーに向けて浴びせた
ギャスパーは一誠達の方に吹っ飛ばされ、元の姿に戻る
「そんな!?ギャスパーの時間停止を無理矢理、動くなんて!?」
【さぁーて、今度は赤龍帝と紅髪女をボコボコにするかねー】
【フルボッコタイムって奴ですねー】
二人は、ジリジリと近づくが・・・頭上から真紅の槍が雨の様に降り注いだ
一誠とリアスは上を見ると、其処には≪夜の女王(ミッドナイト・クイーン)≫と呼ばれし吸血鬼ネラプシだった
地面に降りると嶺爾へと元の姿に戻った
「嶺爾!!貴方まで、三勢力のトップを狙いにここへ来たのかしら・・・?」
リアスは警戒して、問うが嶺爾は横に首を振るった
「違うな。俺の用事は・・・あの悪魔に用があるんでな」
腕を組んで、土煙の方向を見る。
二人は、嶺爾の姿を見ると苦虫をつぶした表情になった。
【ちっ・・・よりにも寄って、テメェまで乱入してきたのかよ】
【全く、とことんツイテない日だぜ!!】
「お前と鋼弥は、あいつ等と何の関係があるんだ・・・?」
「・・・俺たちの両親を奪った連中と言えば解りやすいだろ」
嶺爾の発した言葉に衝撃を受ける一誠とリアス
「両親を奪ったって・・・、鋼弥の両親は事故で無くしたんじゃ・・・!?」
「さっさと、鋼弥に合流したらどうだ?敵は他にもいるからな」
色々と聞きたい事はあるが、のんびりしている場合ではないか。
一誠、リアス、ギャスパーは鋼弥とアザゼルの所へ向かった。
「さて、待たせたな」
【今日という日は、テメェと鋼弥をぶっ殺して腐れ縁を切ってやるぜ】
【たった一人相手に俺たちに勝てると思ってんのか?ああんっ?】
ザリチュとタルウィが威圧感溢れる言葉で脅すが、嶺爾は涼しそうな顔だ
「・・・ふっ」
召喚の陣を形成させ、名を告げた
「―――タナトス」
黒い稲光が奔ると其処には銀色の王冠にを被り、4対8つの棺桶を翼。
ブラックコートを身に纏い、腰には大刀とショットガンを下げている死神が現れた。
ショットガンを取り出すと、口を開く
【汝らはこのタナトスが冥府へと案内させてやろう】