ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
新校舎では、鋼弥、アザゼル、シンディが残りカテレアと対峙している
カテレアは魔力が込められた紙を取り出した
「あの者たちから貰った、これを使いますわ」
紙を地面に置くと、紫色に輝く陣が現れた。
「これは魔界の瘴気。さては、ゾロアスターの者たちから渡されたアイテムですね・・・」
シンディがそう言うと陣から眩い光が放たれた。
そこから現れたのは、魔界の怪物達は・・・
―ライオンが蝙蝠の羽と蠍の尾を持つ合成獣のマンティコア。
―ライオンの頭を持った青色の鳥の身体を持つアンズー。
―蠍(さそり)の頭、鋏、尾を持つ人の姿をしたギルタブリル。
―蝙蝠の怪物に首には骨のネックレスをしたカマソッソ。
―虎の姿をし、背中が燃えているドゥン。
いずれも中堅クラスの魔獣・妖獣・凶鳥が地上世界に現れたのだ。
「あれが魔界に住んでいる魔獣どもか、中々珍しいねぇ」
アザゼルは光の槍を作り出し、戦闘の準備に入るがシンディは手で制止した
「あの者たちの相手は私が相手にします。対処は一番よく知っていますから」
シンディは龍を象った手甲を両腕に付ける。鋼弥は、何も言わずにカテレアと対峙する。
いや、既に分かっているのだろう。
シンディは魔界の魔獣達を相手にするから、自分はカテレアと戦えという事。
如何にこの戦況で素早く動ける様に修行を積み重ねてきたからこその行動なのだ。
(この二人、相当な修羅場を潜りぬけているな。鋼弥は業魔化身だけではなく戦闘スキルも武器という訳か)
アザゼルはそう思いながら、カテレアの所へと向かう。
シンディは深く呼吸をし、"柔の構え"をとる
「・・・さぁ、来なさい」
マンティコアは鋭い牙と爪でシンディの喉を噛み千切ろうと飛び掛かるが、シンディは紙一重で避けて腹部に目掛けて蹴りあげる
アンズーは口から風魔法のザンマを連続で放つ。
左右交互に避けつつ距離を詰めてアンズーを掴み、落ちてくるマンティコア目掛けて投げて、二体はぶつかり、壁へと叩きつけられた。
今度はギルタブリルは鋏を交互に繰り出すが、手甲でそれを防ぐと火花が飛び散る。
【キシャアアアッ!!】
甲高い声を上げて鋭い尾で頭を突き刺そうとするが、
左へと転がり避けて、足払いからの掌打でギルタブリルを吹き飛ばす。
残るは二体、カマソッソとドゥンが同時に襲い掛かる。
カマソッソは常人では捉える事の出来ない速さで翻弄し、その隙にドゥンが駆け抜ける
【ガアアアアッ!!】
口から火炎の吐息を放つが、シンディはそれをバック転で避ける。
その頭上からカマソッソが襲い掛かかるが、シンディはそのままカマソッソの顔面に掌打を喰らわした
天井へとめり込み、そのまま地面に落下して伸びた。
ドゥンが飛び掛かり、鋭い爪を振り下ろすが、その手を掴んで、放り投げる。
だが、ドゥンは態勢を立て直して首を振るう。
先程の吹き飛ばされたマンティコアとアンズーが起き上り再び対峙する。
「何匹たりとも、ここは通しません」
◇◇◇◇
一方で鋼弥とアザゼルはカテレア・レヴィアタンと対峙していた
アザゼルはため息をつきながら、問いかけた
「ったく、あんな魔界の怪物を呼び寄せるなんざぁ・・・魔王の誇りすらもないのか?」
「黙りなさい。貴方達を葬る事さえできれば、どんな手段も躊躇いなく使いますわ」
カテレアは胸元に手を突っ込み、そこから小瓶を取り出した。
中に入っていた小さな黒い蛇らしき物を呑み込んだ。
ゴウッ!!!!
「これは・・・魔力が一気に跳ね上がった!?」
「カテレア!てめぇ、オーフィスの野郎に何を貰った!?」
「彼は無限の力を有するドラゴン、世界変革のため少々、力を借りました。
今の私はあなた達とも戦える。其処の少年を倒した後は、サーゼクスとミカエルも倒します。
勿論、アザゼル、あなたもです」
「ドーピングを使ってまで、倒すか。どうしよもない女だ!!」
鋼弥は駆け抜けて手刀を振り下ろすが、片腕だけで受け止めそのまま投げ飛ばす。
アザゼルは光の槍を投擲するが、それも右腕を振るっただけで消滅したのだ。
「あの黒い蛇を飲んだだけで、こうまでパワーが上がるとは・・・」
「どうですか?
アザゼル、銀色の少年、今の私とあなた達では、力の差は歴然ですよ。
貴方の業魔化身を使っても勝てるか解らないわよ?」
「・・・悪いが、それは使わないね。他人の力を得た貴方は俺の拳で十分だ」
業魔化身を使えば、強化状態のカテレアに勝つ事は出来る。
しかし、使えない理由としてはゾロアスターの悪魔がここにいるとなれば温存はしておきたい
(・・・師匠から教えた技を使う時なのかも知れん)
その時、こちらに向かってくる三つの影が現れた。
「鋼弥!!無事か!?」
「一誠、リアス、それにギャスパーも無事だったのか」
ギャスパーは一誠の背中に隠れて現状にビクビクしている。
一誠はカテレアを見て、エロい目で見ていた。
こんな状況で相手は敵なのに、よくそんな事が出来るよね・・・。
「いやらしい視線を感じるわ。その子が赤龍帝なのですか、ヴァーリ?」
「あぁ、残念ながらそうだよ。本当に残念な宿主なんだ」
何故テロリストとヴァーリが親しげに話しているのか?
白龍皇も≪禍の団(カオス・ブリゲード)≫の一員だと理解出来た
まばゆい輝きを放ちながら白龍皇がカテレアの傍らに降り立つ
「ヴァーリ、貴様もカテレア・レヴィアタンの仲間だったのか?」
「君からはそう見えるかい?俺はあくまで協力するだけだ。
魅力的なオファーを受けてね。『アースガルズと戦ってみないか?』
コカビエルを本部に連れ帰る途中でこんな事を言われたら、自分の力を試してみたい俺では断れない。
アザゼルはヴァルハラのアース神族と戦う事を嫌がるだろう?戦争嫌いだものな」
未だに状況が理解できない一誠は鋼弥に尋ねた
「な、なぁ・・・鋼弥。今どういう状況なんだ?」
「あの女性は真のレヴィアタンの血を引くという旧魔王が一人のカテレア・レヴィアタン。
そして、ヴァーリは裏切り、≪禍の団≫だった事が判明した所だ」
「・・・チッ、俺もやきが回ったもんだ。身内がこれとはな・・・。
ヴァーリ、俺はお前に『強くなれ』と言ったが、『世界を滅ぼす要因だけは作るな』とも言った筈だ」
「関係ない。俺は永遠に戦えれば良いだけだ」
「・・・そうかよ。
いや、俺は心のどこかでお前が手元から離れていくのを予想していたかもしれない。
お前は出会った時から今日まで強い者との戦いを求めていたものな」
「今回の下準備と情報提供は白龍皇ですからね。
彼の本質を理解しておきながら放置しておくなど、あなたらしくない。
結果、自分の首を絞める事となりましたね」
カテレアがアザゼルを嘲笑する。ヴァーリは自身の胸に手を当て、更に驚くべき事実を明かす
「俺の本名はヴァーリ、ヴァーリ・ルシファーだ」
「ル、ルシファー!?今ルシファーって言わなかったか!?」
「死んだ先代の魔王ルシファーの血を引く者なんだ。
けど、俺は旧魔王の孫である父と人間の母との間に生まれた混血児。
―――――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の神器(セイクリッド・ギア)は半分人間だから手に入れたものだ。
偶然とはいえ、ルシファーの真の血縁者でもあり、『白い龍』でもある俺が誕生した。
運命、奇跡と言う物があるなら、俺の事かもしれない」
ヴァーリの背中から光の翼と共に、悪魔の証である翼が幾重にも生え出した
「嘘よ・・・。そんな・・・」
流石のリアスも驚かざるを得なかった。
しかし、アザゼルは肯定する。
「事実だ。もし冗談の様な存在がいるとしたら、こいつの事さ。
俺が知っている中でも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇になる」
「覚悟を決めて貰いましょうかしら、アザゼル」
「アザゼル殿。カテレアは俺に任せて、貴方はヴァーリを頼む」
「そっちを任せても大丈夫なのか?」
「少なくとも、白龍皇の対処法ぐらい知っていると思うからね」
「ったく、どんだけ俺に期待してんだが・・・。
いいぜ、そっちは任せた。それから、俺の事は呼び捨てでも構わないぜ?」
「了解した、アザゼル」
アザゼルはヴァーリを、鋼弥はカテレアと対峙する。
鋼弥は目を瞑り、深く呼吸をし、精神を集中させて研ぎ澄ます。
その様子を見ていたシンディは・・・
(鋼弥。貴方はあの力を解放するのですね・・・私が教えた、あの拳技を)
目をカッと開くと、鋼弥から溢れんばかりの力が巻き起こる。
一気にカテレアの懐へ入り、正拳を腹部へ撃ち込む。
「ぐっ!?」
「スゥゥゥゥ・・・オオオオオオオオオオオオオッ!!」
弧を描き、目にも止まらぬ拳の嵐がカテレアへ撃ち込む。
追撃の三回転の回し蹴りを喰らわし、吹き飛ばす。
(バカな・・・!!オーフィスから貰った蛇の力が負けている!?)
吹き飛ばされても、カテレアは地にふんばり、キッと睨む
「そんな事、そんな事・・・認めません!!偉大なる真のレヴィタンの血を引く私が負ける訳にはいきませんっ!!」
両手から魔力を練り、その巨大な魔力の波動を鋼弥へと放つ。
鋼弥は避けようとせず、右拳に力を込めて限界まで引き絞り、駆ける。
「貫けッ!!」
右拳を前へと突き出すと、カテレアの魔力の波動を粉砕した。
カテレアの腹部に拳が入ると、銀色の閃光が貫く。
しかし、カテレアの腹部と背には貫かれた痕がない。
"覇気"や"闘気"によって、相手の内部にダメージを与える必殺の拳、その名は・・・
「真覇衝閃撃!!」
鋼弥が決めて背を向くと同時に、カテレアは両膝を突き倒れた。