ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
鋼弥の重い一撃でカテレアは沈んだ。
ヴァーリはパチパチと拍手をしていた。
「素晴らしい、素晴らしいよ。旧魔王の一人を倒すなんてね。今度は俺と戦うか?」
「白龍皇のヴァーリ、お前の相手は俺では無い」
ヴァーリは鋼弥からアザゼルと視線を移す。
「さぁーて、鋼弥が頑張っているから、今度は俺も本気を出すとするか」
アザゼルは笑みを浮かべ、懐から一本の儀式剣を取り出した
「何をする気だ?」
「俺は生粋の神器マニアは知っているよな?
マニア過ぎて自分で製作したりする事もあるしレプリカ作ったりな。
まぁ、殆どの物が屑でどうしようもないが、神器を開発した神は凄い。俺が唯一、奴を尊敬するところだが、甘い。
≪神滅具≫と≪禁手≫なんて言う神と魔王、世界の均衡を崩せるだけの『バグ』を残したまま死んじまったんだからな。
ま、だからこそ神器は面白いんだけどよ」
短剣が幾つものパーツに別れ、アザゼルはある言葉を発した
「禁手化(バランス・ブレイク)・・・!!」
一瞬の閃光が辺りを包み、光が止むと―――――
アザゼルは黄金の全身鎧(プレート・アーマー)を身に付けていた。
その姿はまるで金色のドラゴン、背中から漆黒の翼を展開させた。
「『白い龍(バニシング・ドラゴン)』と他のドラゴン系神器を研究して作り出した、俺の傑作人工神器だ。
『堕天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)』、それの擬似的な禁手状態――――
『堕天龍の鎧(ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー)』だ」
鎧越しに感じるドラゴンの波動。それもトップクラスの力強いパワーを感じる。
右手には巨大な光の槍を持ち、それを構える。
『・・・あれは正確な禁手ではない』
「どういう事だ、ドライグ?」
『神器をバースト状態にして強制的な覚醒をしているんだろう。
あれは一種の暴走だ、あれでは戦闘後に神器が壊れる。
人工神器とやらを使い捨てで使用する気か?』
使い捨てとはいえ、ドラゴンの力を有する神器を開発するなど並大抵の事ではない。
アザゼルの開発力に一誠とリアスも驚きを隠せなかった。
「へへっ。『黄金龍君(ギガンテイス・ドラゴン)』のファーブニルを人工神器に封じて、
二天龍の『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の神器を模してみたが、
今のところは成功ってとこか、行くぞヴァーリ」
「来い」
アザゼルは光の槍をヴァーリは拳を構えて互い駆け出す。
次の瞬間、凄まじい閃光が奔った。次に目を開けた瞬間、両者が反対の位置に、立っている。
すると、アザゼルの『堕天龍の鎧(ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー)』が砕け散ったのだ
アザゼルは宝玉を拾いあげる
「・・・やっぱり、二天龍が相手だと、もたねぇか。だが、人工神器の改良の余地はまだまだあるな」
「流石はアザゼルだ、俺の一撃に耐えるとはな。それに対して・・・残酷な運命だ」
ヴァーリは一誠を見て、残念そうなため息を吐く
「俺の様に魔王+伝説のドラゴンみたいな思いつく限り最強の存在がいる反面、
そちらの様にただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合もある。いくらなんでもこの偶然は残酷だと俺は思うな。
ライバル同士のドラゴン神器とはいえ、所有者二名の間の溝はあまりに深過ぎる」
一誠を指差すヴァーリ。
「キミの事は少し調べた。
父は普通のサラリーマン。母は普通の専業主婦で、たまにパートに出ている。
両親の血縁は全くもって普通。先祖に力を持った能力者、術者がいた訳でもない。
もちろん、先祖が悪魔や天使に関わった事もない。本当に何の変哲も無い。
キミの友人関係も特別な存在ではない。キミ自身も悪魔に転生するまで極普通の男子高校生だった。
―――――ブーステッド・ギア以外、何も無い」
「何が言いたいんだ?」
「つまらないな、あまりにつまらな過ぎて、キミの事を知った時は落胆よりも笑いが出た。
"あぁ、これが俺のライバルなんだ、参ったな"って。
せめて親が魔術師ならば、話は少しでも変わったかもしれないが・・・。
そうだ!こう言う設定はどうだろうか?キミは復讐者になるんだ!」
ヴァーリの言っている意味が分からない。だが次の言葉で解った。
「俺がキミの両親を殺そう。そうすれば、キミの身の上が少しは面白い物になる。
親を俺の様な貴重な存在に殺されれば晴れて重厚な運命に身を委ねられると思わないか?
うん、そうしよう。どうせキミの両親は今後も普通に暮らし普通に老いて、普通に死んでいく。
そんなつまらない人生よりも俺の話した設定の方が華やかだ!」
あまりにも自分勝手な言い草。
自分が戦いたいが為に面白くする為に一誠の両親を殺すと言っている
ヴァーリに向かって発した言葉は―――――。
「殺すぞ、この野郎」
怒りを通り越した殺意の一言だった。
あまりにも自分勝手ぶりに怒りを通り殺して、初めての殺意がわいてきた。
「・・・殺す?俺の父さんと母さんを?
なんで、てめぇなんかの都合に合わして殺されなくちゃいけないんだよ。
貴重だとか運命だとか、そんなの知るかよッ!」
こいつだけは、こいつだけは絶対に許さない!!ヴァーリ・ルシファー!!
「ヴァーリ!てめぇだけは許さない!てめぇなんぞに、俺の親を殺されてたまるかよォォォォォォォッ!」
≪Welsh Dragon Over Booster!!!!≫
籠手が赤く強大なオーラを解き放ち、一誠は『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』を装着した
本来なら犠牲を払わないと装備出来ないのだが、事前にアザゼルから特製のリングを貰っており、その作用のお陰で犠牲を払わずに済んだ
だが、宝玉にはカウントダウンが始まっている。もって15分だが、未完成の禁手よりはマシだな。
『神器(セイクリッド・ギア)は単純で強い想い程、力の糧となる。
兵藤一誠の怒りは純粋な程お前に向けられているのさ。
真っ直ぐな者ほど、ドラゴンの力を引き出せる真理の1つ』
「そうか。そう言う意味では俺よりも彼の方がドラゴンと相性が良い訳だ」
ヴァーリが自分の鎧に宿っているアルビオンと会話する
一誠は背中の噴射口を開き、飛行準備をする
「頭が悪いのはどうだろうか、兵藤一誠!キミはドライグを使いこなすには知恵が足りな過ぎる。それは罪だよ」
「さっきからベラベラ俺が分からない事を言ってんじゃねぇぇぇぇぇっ!」
「そう!それこそバカと言う奴なんだ!」
一誠は籠手に収納しているアスカロンを取り出し斬りかかる。
しかし、剣術の心得が無い彼は、ただ振り回すだけの剣ではヴァーリに当てる事が出来ない。
ヴァーリの拳が一誠の胸を捉える。一誠は地面に叩きつけられて、立ち上がるが足が震えていた。
「イッセー!!」
リアスは心配そうに見守っている。
一誠は心配させたくないか、大丈夫だと頷く。
「攻撃も単調だ。ただ闇雲に突っ込むだけ。それでは意味がない。使いこなさなければ宝の持ち腐れだな」
「だったら、下手は下手なりに戦うさ!!」
背中の鎧から噴出口から魔力を一気に噴かせて、ヴァーリが放つ弾幕の嵐の中へ飛び込む。
被弾して、装甲が破壊されて行き、顔を護るマスク部分が破壊される。
だが―――笑みを浮かべている。
「ドライグ!収納しているアスカロンに力を譲渡だッ!」
『承知ッ!』
≪Transfer!!≫
一誠の左手に力が譲渡され、アスカロンを収納した籠手でヴァーリの顔面に拳を入れる
すると、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の威力が発揮され、『白龍皇の鎧』が呆気なく壊れ、ヴァーリは地面に叩きつけられた
「こ、これが龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の威力!?相手の鎧が紙みたいじゃねぇか!!」
一誠の力が抜け始め、地上へ落下していく。
対するヴァーリは、ふらつきながらも立ち上がり、笑みを浮かべている。
このまま消耗戦に待ちこまれてしまえば埒が明かない。
すると、一誠は自分の足元に何かが転がっているのを見つけ、拾う。
それは、白龍皇の鎧の宝玉だった。一誠は何か思いついたのか、ドライグに話しかける。
「なあ、ドライグ。神器は想いに答えて、進化するんだよな?」
『ああ、そうだが・・・。まさか、お前・・・』
ドライグは一誠が手に持っている宝玉を見て、何をするのかを解っていた。
『相棒、それは死ぬかもしれないが・・・覚悟はあるのか?』
「死ぬのはカンベンだな。俺は部長の処女を貰ってない。痛みなんて我慢してやる!目の前の野郎を超えられるならっ!!」
『良い覚悟だな!!ならば俺も覚悟を決めよう!!お互い、生きて超えてみせるぞ!!相棒!!否、兵藤一誠!!』
「応っ!!『白い龍(バニシング・ドラゴン)』!アルビオン!ヴァーリ!もらうぜ、お前達の力!!」
一誠は白龍皇の宝玉を右手の甲に埋め込んだ。
右手からオーラが発生し、一誠の右半身を包み込んだ刹那―――――。
「うがあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
一誠の身体中に形容し難い激痛が走る。
肉が、骨が、神経が、軋み捩じ切れそうな感覚が襲い掛かってくる。
「ぬがあああああああああああああああああ!うああああああああああああああああああああッ!」
『ドライグ、我らは相反する存在だ。それは自滅行為に他ならない。こんな事でお前は消滅するつもりなのか?』
『アルビオンよ!お前は相変わらず頭が固いものだ!我らは長きに亘り、人に宿り争い続けてきた!毎回毎回同じ事の繰り返しだった・・・』
『そうだ、ドライグ。それが我らの運命。
お互いの宿主が違ったとしても戦い方だけは同じだ。"お前が力を上げ、私が力を奪う"。
神器をうまく使いこなした方がトドメを刺して終わりとなる。今までもこれからも・・・』
『俺はこの宿主、兵藤一誠と出会って1つ学んだ!バカを貫き通せば可能になる事がある、とな!』
「俺の想いに応えろォォォォォォォッ!」
『Vanishing Dragon Power is taken!!』
一誠の右手が真っ白なオーラに包まれ、白い籠手が出現した
「で、出来た・・・!こいつは差し詰め、『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』ってところかな」
『あ、あり得ん!こんな事はあり得ない!』
アルビオンが驚愕の声音を出す。鋼弥はこう言った
「仲間の一人は聖と魔の剣を作り出した例がある。更に一誠は不屈の心とそれを可能性にする力を秘めている。だからこそ、相反する力を一つに出来たのさ」
「面白い。面白いよ!なら、俺も少し本気を出そう!俺が勝ったら、キミの全てとキミの周りにある全ても白龍皇の力で半分にしてみせよう!」
『Half Dimension!』
宝玉から音声が流れ、まばゆいオーラに包まれたヴァーリが木々へ手を向ける
すると、木々が一瞬で半分の太さになってしまった
そこでアザゼルがソソッと近付いて、教えた。
「いいか、兵藤一誠。お前にも解り易く説明すると、あの能力は周囲のものを半分にしていく。
つまりリアス・グレモリーの大きなバストも半分になるってことだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
一誠は首だけを動かしてリアスへ視線を向ける。
おっぱい が 半分 に なる?
部長 の おっぱい が 半分 に なる?
「・・・・・・・・ふ」
一誠の身体に激情が奔り、そして―――。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
一誠の怒りが大爆発し、咆哮をあげる。
「貴様ぁぁぁ!部長のぉぉぉ!俺の部長のおっぱいを!!
半分の大きさにするつもりかァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!』
「許さねぇ!!絶対にてめぇだけは許さねぇ!!
ぶっ倒してやる!!ぶっ壊してやる!!ヴァーリィィィィィィィィィィィィ!!!!」
『Boooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooost!!!!!!!!』
その怒りに、ブーステッド・ギアが呼応し、あり得ないほどの力が倍増されたのだ
「アッハッハッハッ!!なんだよそりゃ!?マジかよ!!
主さまの胸が小さくなるかもしれないって理由だけでドラゴンの力が跳ね上がりやがった!!」
大爆笑をするアザゼル。
一誠は神速に近いスピードでヴァーリに詰めより、
「これは部長おっぱいの分!」
腹に右の鉄拳を入れた。
『Divide!!』
それと同時にディバイディング・ギアの力で、ヴァーリの力を半分にした。
威力に耐えられずヴァーリは吐瀉物を口から吐き出した。
「朱乃さんおっぱいの分!」
続いて顔面に鉄拳を打ち込み、兜を破壊する。
「これは成長中のアーシアおっぱいの分!」
今度は背中に付いている噴射口を破壊した。
「ゼノヴィアおっぱいの分!」
空中高く思いっきり蹴り上げる
「そしてこれが・・・小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁぁぁああああああああ!!」
止めに猛スピードを乗せたタックルをぶちかまし、ヴァーリを地面に叩き付けた。
倒れたヴァーリに一誠はズビシッと指をさして、言い放つ
「小猫ちゃんはな!!胸が小さい事を気にしているんだぞ!?それを半分!?あの子からこれ以上おっぱいを奪うな!! その苦しみを!!悲しみを!!お前は理解できるのか!?この半分マニアが!!」
しかし、何故だろうか。
白龍皇のヴァーリは倒せたのに、物凄く納得がいかない終わり方だ・・・。
シリアスブレイカーとは、今の状況だな・・・。
「・・・面白い、本当に面白い」
しかし、ヴァーリは笑いながらゆっくりと立ち上がったのだ。