ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第十三話 =協定=

改めて、後片付けの作業は開始された。

カテレアは無事だったものの、合体の影響で体力が回復するまで療養する事になる。

彼女が回復次第、禍の団とゾロアスターの情報を引き出す為の参考人となる。

ミカエルは自分たちの配下である天使たちを引き連れて、天界へと戻ろうとするが一誠が呼びとめた。

 

「あのミカエルさん!!ひとつだけお願いがあります」

 

「いいでしょう、時間がありませんがひとつだけ聞きましょう」

 

「アーシアとゼノヴィアがお祈りを捧げる分だけ、ダメージを無しにできませんか?」

 

ミカエル、アーシア、ゼノヴィアは驚きの表情をしていた。

まさか、大天使ミカエルにそんな願いを頼むとは、本当にすごいよ一誠。

ミカエルは小さく笑い、頷いていた。

 

「解りました。二人分ぐらいなら、なんとかなるかもしれません。

 アーシア、ゼノヴィア、問います。神は不在ですが、それでも祈りを捧げますか?」

 

ミカエルの問いかけに二人は首を縦に振り、頷いた

 

「主がおられなくとも、私は祈りを捧げたいのです」

 

「同じく。主への感謝と、ミカエルさまへの感謝をこめて」

 

「解りました。本部に帰ったらさっそくそうしましょう。祈りを捧げてもダメージを受けない悪魔がいてもいいでしょう」

 

あっさりと承諾した。あの厳格なミカエルがこんな事を許すとは・・・

それから祐斗も頼み事をしていたようだ(聖剣研究)の犠牲者が出てこない事だ。

ミカエルは大勢の部下を連れて、天へと飛んだ

アザゼルは自分たちの部下たちの堕天使の軍勢に言い放つ

 

「俺は和平を選ぶ。今後一切、天使と悪魔とは争わない。不服な奴は去ってもいい。

 次に会うときは、遠慮なく殺す。ついてきたい者だけ俺について来い!!」

 

『我らが命、滅びの時までアザゼル総督の為に!!』

 

部下たちからの熱い忠誠心を見て、アザゼルのカリスマ性は素晴らしいものだ。

アザゼルとその部下たちも魔法陣を展開させて、帰って行った。

 

「さて、私もそろそろ魔界へ戻りましょう」

 

「師匠、帰ってしまうのですか?」

 

「ええ、サーゼクス殿が書いた手紙の返事をルシファー閣下に届けなければいけませんからね。

 それとも、鋼弥?男児たるもの私が帰ってしまうのが寂しいのですか?」

 

「そんな事はありません!!」

 

「ふふふ、冗談ですよ。ですが、遊びに来ますのでその時はよろしくお願いしますね」

 

「・・・師匠、お元気で」

 

シンディは親指をグッと立てて、魔界へと帰った。

 

西暦20××年7月・・・

 

―――天界代表天使長ミカエル。

 

―――堕天使中枢組織[神の子を見張る者]『グリゴリ』総督アザゼル。

 

―――冥界代表魔王サーゼクス・ルシファー。

 

三大勢力各代表のもと和平協定が調印された。三大勢力の争いは禁止事項とされ協調体制に―――。

この和平協定は舞台になった駒王学園から名を採って「駒王協定」と称される事になった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

「てな訳で、今日からこのオカルト研究部の顧問になる事になった。

 アザゼル先生と呼べ、もしくは総督でも良いぜ?」

 

駒王協定が成立し、数日が経ったある日。

着崩したスーツ姿のアザゼルがオカルト研究部の部室にいた。

リアスは額に手を当て、困惑しながら言う。

 

「・・・どうして、あなたがここに?」

 

「セラフォルーの妹に頼んだら、この役職だ!まぁ、俺は知的でチョーイケメンだからな。女生徒でも食いまくってやるさ!」

 

自分で言うかこの堕天使の総督は・・・。

アザゼルを含むグリゴリの堕天使は人間の美女に誘惑して、知識を教えてしまった為に神の怒りに触れて堕天した。

アザゼルはふと朱乃を見る。心なしか、複雑そうな表情をしていた

 

「まだ俺たち・・・いや、バラキエルが憎いか?」

 

「許すつもりはありません。あの人のせいで母は死んだのですから」

 

「・・・そうか。

 でもな、あいつは悪魔に下ることを許していたぜ?

 それもリアス・グレモリーの眷属だったからだぜ?

 それ以外だったら、バラキエルは許しているか俺も分からなかったぜ?」

 

朱乃はその言葉に返すことも出来ずに、ただ複雑そうな表情を浮べていた。

ここでアザゼルの視線が一誠に向けられた。

 

「赤龍帝・・・イッセーで良いか?イッセー。お前はハーレムを作るのが夢らしいな?」

 

「えっ!?そ、そうっスけど?」

 

「なら。俺がハーレムを教えてやろうか?これでも過去数百回に渡ってハーレムを築いてきた男だぜ?」

 

それを聞いたイッセーは目が飛び出そうなくらい見開き驚愕の表情を浮べた。

 

「マ、マジっスかぁぁぁぁ!?」

 

「それにお前は童貞だろう?ついでに女の事も教えてやるよ。教えて欲しいか?」

 

「勿論ッス!!」

 

「ならこれから、童貞卒業ツアーにでも出かけるか。鋼弥もついでに付いて来るか?」

 

「興味ない」

 

鋼弥がそう言うがアザゼルが右腕で鋼弥の肩を組んで引き寄せる。

 

「お前だって興味があるんだろう?そんなんばっかだと置いていかれるぞ?」

 

「あのな・・・」

 

鋼弥が呆れていると、朱乃はすぐにアザゼルと鋼弥を引き離し、鋼弥を抱きしめる

 

「アザゼル先生、鋼弥くんには手を出さないで欲しいですわ」

 

「つれねえなぁ。んじゃ、イッセーと俺だけで行くとするか」

 

「ちょっと待ちなさい、アザゼル!!イッセーに変なことを吹き込まないでちょうだい!!」

 

リアスもイッセーを引き離し、自分の元に引き寄せた。

鋼弥はこの騒がしい光景を見ててため息をつくが、不思議と楽しい気分だった。

 

 

 

~駒王学園 一学期 終業~

 

「駒王学園高等部 オカルト研究部」

 

顧問教諭/アザゼル(堕天使総督)

 

部長/リアス・グレモリー(キング)三年生 残る駒 『ルーク』一個

 

副部長/姫島朱乃(クイーン)三年生

 

部員/塔城小猫(ルーク)一年生

 

木場祐斗(ナイト)二年生

 

ゼノヴィア(ナイト)二年生

 

アーシア・アルジェント(ビショップ)二年生

 

ギャスパー・ヴラディ(ビショップ)一年生

 

兵藤一誠(ポーン)二年生

 

涼刀鋼弥(ハンター)二年生

 

 

◇◆◇◆

 

 

駒王協定が結ばれて、数ヶ月たった天界。

大天使たちが住む光輝く宮殿――ライトパレス。

かつて、魔界と天界を作った者が祀っていた建造物の1つだが、今は大天使が住まう宮殿となった。

四大天使を始め、双子の大天使であるメタトロンとサンダルフォン、強力な大天使たちがここに暮している。

 

=ライトパレス・星空の間=

 

その一室、白銀色に輝く翼、金色の髪の青年が星空を見上げていた。

彼は大天使メタトロン。

神に最も近い存在、神そのものと言っても良いほどの実力の持ち主である大天使。

だが、神の不在の事は最初に知っており、更に憎き悪魔と堕天使と協定を結んだ事に悩んでいた。

 

【我らの敵である悪魔と堕天使が手を組む事になるとは、これも運命(さだめ)なのでしょうか。神よ・・・】

 

この身は神の為に尽くそう。

そう誓っていたのに・・・冥界の悪魔と堕天使の大戦で先代の魔王と刺し違える形で神は亡くなった。

最早、何を目標に生きていけばいいのか解らなくなってきた。

その時、窓から風が吹いていた。窓を開けた覚えは無いのに何故?

窓から月の光で照らされると、銀色の髪が靡かせていた。

二度も私の前に現れるあの男は・・・。

 

「また会いに来たぞ大天使メタトロン」

 

【貴様か、涼刀嶺爾。二度も私の前に現れるとは】

 

「言った筈だ。俺は狙った獲物は逃がさない。ましてや、神クラスの大天使を契約するまではな」

 

【何度も言っておくが、我はお前と契約を結ぶ気は無い】

 

「では、お前は神のいなくてもまだ、忠誠を誓うつもりか?」

 

【そうだ。我と神は一つなのだ。貴様のような大罪人と結ぶ気は無い】

 

「では、不滅の存在である神は何故、死んだ?神は絶対の存在と信じて裏切られた気分ではないか?」

 

その一言で、部屋の窓ガラスが全て破壊されていた。

メタトロンから凄まじき怒りが溢れていた。

それは、震えあがってしまうほどの魔力だが、嶺爾は涼しいそうな顔をしていた。

 

【貴様が・・・そんな口を開くの事では無い!!】

 

「俺はありのままの真実を言ったまでだ。それとも、言い返せないから殺意を出したのか?」

 

そう言われるとメタトロンは言い返せなくなった。

どうしても、神が滅んでしまった事実を受け入れられない、納得が出来ない。

メタトロンは葛藤に苦しんでいたのだ。嶺爾は更に口を開く。

 

「神のいない世の中に、お前は絶望を味わっている筈だ」

 

【それ以上口を開けば、汝の身を焼き尽すぞ・・・】

 

だが、次の言葉でメタトロンは我が耳を疑った

 

「・・・ならば、メタトロン。お前が神の代わりに実現すれば良いのではないのか?」

 

【我が・・・神の代わりだと・・・?】

 

「時代は常に変動しており、三勢力は協定を結んだ。

 これは何よりの進歩している事ではないか?

 神が消滅し、先代魔王も死んだ。ならば、お前が縛る事は何もない筈だ

 再度問おう。俺と契約を交わすか?」

 

しばらくの沈黙が立ち、そして・・・

 

【・・・・・・・いいだろう】

 

銀色の翼を翻し、嶺爾と正面から向きあう。

神がいなければ代りに神になるというおごりでは無い。

この嶺爾がどこまで、成し遂げるのかを見届ける為に契約を結んだの。

 

【我は大天使メタトロン。この身に宿りし神の怒り、そなたに身を預けん・・・】

 

嶺爾に、天界最強の大天使と契約が果たされた・・・。

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