ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
「疑問点は二つ。貴方が何者なのかという事とその目的は何なのか・・・教えてくれるかしら?」
正体と目的を明かせ、か・・・。
目的は話しても良いだろう。ここで嘘を言ってもどうしよもない。
「一つ目の疑問だが、俺はある人物を追ってこの世界へと辿り着いたと言っておこう。」
「この世界の・・・?」
「ああっ、まずはそこから説明しよう。」
涼刀は黒板に自分の世界と一誠の世界の図を書く。
鋼弥の魔界の地図にそれぞれの国名が描かれている。
「左が俺が住んでいる魔界だ。この通り、6つの国がある。」
「それで、私達の世界が右の図というわけね。」
流石に難しく話すと一誠の頭が沸騰しそうなので解りやすく図解で説明した
「調査する事によって俺が住んでいる魔界の悪魔がこの世界へ紛れ込んでいる事が解った。
次元の狭間にある世界がぶつかり合うとそういう"揺らぎ現象"が起きるらしい。」
「・・・次元の狭間?」
子猫が首を傾げて問う、ちなみにポッキーを食べながら。
「時の流れから外れた場所で俗に言う異界。俺が住む魔界、アマラ深界、アカラナ回廊など」
「最後の2つは聞いたこと無い世界だね。」
「簡単に行ける様な場所じゃない。相当な実力者じゃないと入る事すら難しい異界だ。」
「貴方が住んでいる悪魔たちがこの世界に居ると言う話だけど、それなら気配とかで察知は出来るはずよ。」
確かにそうだ。
はぐれ悪魔にしろ、堕天使にしろ、侵入してきたら気配など察知できる筈だ。
リアスの疑問に鋼弥がその答えを教えた。
「魔界の悪魔は悪賢しから身を潜める術が得意なんだよ。
それに魔界の悪魔達は見返りさえもらえれば誰でも協力はする。例え、人間でも堕天使でもね。」
「願いを叶えるぐらいなら、問題されないと思うけどね。」
「それはこちら側の悪魔のルールだ。魔界の悪魔は人間を単なる餌としか思っていない。
それらを防ぐために俺がこの世界へとやって渡ったんだ。」
「・・・人間を単なる餌としか思っていない、か。」
リアス達の常識と魔界の悪魔達の常識が違う事にただ驚くしかない。
「二つ目の疑問だけど俺は悪魔だが半分は人間の血が流れている。」
「つまり、鋼弥さんはハーフデビルという事なんですね。」
「そして、悪魔が問題を起こしたら討伐すると言うハンターみたいな仕事をしている。」
魔界の悪魔、次元の狭間、半人半魔のハンター。
どれもこれも聞いた事のない言葉ばかりで驚きと好奇の連続ね。
それに、彼のあの強さ・・・、堕天使の攻撃をモノともしなかった。
是非とも欲しいわね。興味としてではなく、厳然たる思いとして・・・
「ともかく、俺が話せるのはここまでだ。」
彼が席を立とうとした時、私は呼びとめた
「ねえ、鋼弥くん。単刀直入に言うけど、オカルト研究部に入らない?貴方の力を是非とも借りたい」
しばらくの沈黙が続き、彼の口が動いた。
「・・・断る」
「・・・それはどうしてかしら?」
予想外の返答で驚きから醒め鋭い眼光で俺を見据えている。
見れば朱乃、祐斗、小猫、遅れて一誠も各々警戒態勢に入っている。
「そのオカルト研究部に入って俺にメリットはあるのか?それに俺は束縛されるわけにはいかないのでね。」
彼はやれやれという表情をしていた。だが、リアスは負けじと強くでる。
「そう簡単に了承することはできないわ。貴方の問題が起きると言うのなら尚更ね。
私はこの土地の責任者として、問題の可能性のある貴方を放置することは出来ないわ。」
「別に君達と敵対すると言う訳じゃない。昨日は兵藤一誠を助けたのを忘れた訳じゃないだろ?
それとも、名家のお嬢様は敵意のない相手を無理矢理でも束縛させる気なのかな?」
「そう言う事を言ってる訳じゃないわよ・・・。」
「じゃあ、力ずくで俺を従わせるか?これはお勧めしないよ。」
リアス・グレモリーは確かに強力な力の持ち主でカリスマ的な所もある
彼女がこんな風に負かされると黙るのは経験、修羅場の数を踏んできてはいないというのが証拠だ
「邪魔をしたね・・・。」
鋼弥は部屋から出ていこうと、扉に手をかけようとするが・・・
「私は・・・」
「?」
「私はグレモリー家次期当主であるリアス・グレモリーは、あなたを見逃すことはできない!」
ビシッと鋼弥に指をさすリアス。
先程の理論、正論も無い。ただの子供の本心だ。
でも、真っ直ぐで良い言葉だ。
「く・・・ハハハハハハハハハハッ!!」
突然笑い出し、リアス達は呆然としたがリアスは我に返って憤慨した。
「ちょ、ちょっと!?笑う事無いじゃない!!」
「ごめんごめん・・・あまりにも子供っぽい発言でね、笑ってしまったよ。」
クククッとまだ笑っていた。
対してリアスは顔を赤くして怒っていた。
「・・・良いだろう、君達と協力しよう」
「・・・本当ですか?」
「条件はある。君達と協力してもらうが俺の仕事に君たちにも手伝って貰いたい。」
「あらあら、それなら大丈夫ですわね。」
「ええ、よろしくね。」
「改めて名乗ろう。俺の名は涼刀鋼弥、今後ともヨロシク・・・」