ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第三話 =白龍皇の忠告=

第三話 =白龍皇の忠告=

 

 

「上級悪魔か・・・」

 

「物思いに更けてどうしたんだ?」

 

「上級悪魔について考えてたんだ。自分達以外の悪魔を見下してる様な態度が目立つから・・・」

 

冥界の悪魔社会は基本的に旧家の上級悪魔は転生悪魔や下級悪魔をよく思っていない。

一誠はチャリを漕いでいる時も、それについてばかり考えていたようだ。

 

「なぁ、鋼弥。俺は、アーシアの事は・・・大事な仲間だと思ってる」

 

「ああ、彼女の癒しの波動は心地よい。それに和むな」

 

「じゃあさ・・・。もし、アーシアが無理矢理連れてかれそうになったらどうする?」

 

「相手が誰であろうとも阻止する。それに一誠ならアーシアを全力で守るだろ?」

 

「・・・そうだよな。アーシアだって、ディオドラにビンタかましてくれたんだよな・・・俺のために」

 

「しっかりしないと、アーシアが心配するよ。男なら守り抜け」

 

話をしている時に何かの気配を感じ取り、二人は身構える。

闇夜から姿を現したのはラフな格好の男だ。

 

「おひさ~、赤龍帝、銀牙」

 

「孫悟空の美猴。何故、ここに?」

 

「美猴!なんでお前が!」

 

殺気が無い事に気付いた鋼弥は警戒を解くが、一誠は警戒をやめない

 

「ま、相棒の付き添いでさ~」

 

美猴が後ろに顔を向ける。

そこから現れたのは白ワイシャツ姿の白龍皇ヴァーリだった。

 

「2ヶ月ぶりだな、兵藤一誠、涼刀鋼弥」

 

「ヴァーリ!」

 

「白龍皇、夜の散歩か?」

 

「たまたま近くを通りかかったから、挨拶をしに来ただけだ」

 

「・・・どうせなら、ここでこの前の続きやるか?」

 

「随分と戦闘的じゃないか、兵藤一誠」

 

「こちとら将来の未来計画のためにお前が邪魔で仕方ないんだよ」

 

「上級悪魔になる事か?心配しなくてもキミなら数年もしない内に上級悪魔になれるんじゃないかな。今日はそういう事を言いに来たわけじゃない」

 

どうやら、本当に戦う気配を出していないようで、一誠も警戒心を解いた。

 

「レーティングゲームをするそうだな?ディオドラ・アスタロトには気をつけた方が良い」

 

「どういう事だ?」

 

「記録映像は見たのだろう?アスタロト家とアガレス大公の一戦だ」

 

ディオドラが帰った日、ディオドラ対シークヴァイラの試合記録映像を見た。

結果はディオドラの勝ちだったが、その過程を見て全員が訝しげに思った。

特にディオドラだけが急激にパワーアップし、アガレスとアガレスの眷属を撃破した。

アザゼルもリアスは「ディオドラはあそこまで強い悪魔ではなかった」、と意見が一致。

 

「ドーピングの可能性もあるのかな・・・」

 

「案外そうかもしれないぜぃ?」

 

十中八九ドーピングはしてるだろうと睨んだが、詳しい正体までは流石に分からない。

だが、一つだけ心当たりがある。考えが正しければ、カテレアと同じ・・・。

 

「まぁ良いか。帰るぞ、美猴」

 

「わざわざ、それを言いに来たのか?」

 

「さっきも言っただろ。近くに寄ったから、未来のライバル殿に忠言をしに来ただけさ」

 

「じゃあな。ヴァーリ、帰りに噂のラーメン屋寄っていこうや~」

 

ヴァーリは美猴を引き連れて立ち去ろうとしたが、いきなり立ち止まり振り返った。

 

「それから、涼刀鋼弥。黒歌から伝言を預けている」

 

「・・・彼女がなんて?」

 

「ああ。『今度会ったら、絶対に貰うから覚悟してにゃん♪』とのことだ」

 

「それじゃあ、返事を返してくれないか・・・。『全力でお断りだ』っと」

 

 

◇◆◇◆

 

 

=涼刀事務所=

 

別件以来の仕事を終えて、背を伸ばす鋼弥。

窓を見ると夜空に星たちがキラキラと輝いていた。

 

(最近、忙しくて見てなかったな・・・)

 

温かいココアを飲んで一服する。

すると、扉が開けられる音がして見る。リオだ。

彼女は事務所の空き部屋に自分の私物を持ち込んで住んでいる。

地下室には彼女の魔法実験室が設けられている。

 

「仕事、終わったの?」

 

「ああ、こうしてココアを飲んでいる。飲むかい?」

 

「いただきます」

 

二人はソファに座って夜空の星を見る。

他の人から見れば、仲の良いカップルという雰囲気だ。

 

「こうして、二人で夜空を見ながらココアを飲むのって久しぶりですね」

 

「ああ、そうだな・・・。その時のリオの表情は覚えている」

 

あれは、師匠の命令で砂漠と砂漠の国でサバイバルをしていた時の最終日前夜の事だ。

リオと一緒にココアを飲んで夜空の星を見ていたのだ。

その時の夜は流星群が見れてリオが感動して興奮していた時の顔は覚えている。

 

「そんなことまで、覚えていたんですか・・・」

 

恥ずかしいのか、顔を赤めてココアを少しずつ飲む。

不意に思い出した事がある、確か銀色の長髪のあの凛々しき女性。

 

「そういえば・・・彼女は元気にしているのだろうか」

 

「フィーナ・クレセント様ですか?ええ、私がご挨拶にしていた時は元気そうでしたよ」

 

―――フィーナ・クレセント。

 

彼女と出会いは何年か前になるが、彼女の母親がシンディに頼んで修行したのだ。

王族生まれの娘で根を上げるのかと思いきや、どんな事にも弱音を吐かず、努力をし続けた。

そんな彼女と友達になったのもその頃で、俺とリオとで仲良しの三人組だった。

それから、ドルキー達も出会って益々賑やかになった。

全ての修行が終わった時、俺たちはそれぞれの道へと歩んだ。

フィーナは、母の後を受け継ぎ国を治めたと言う事だ。

中央の国以外で5つの魔界の国を治めている事は相当な実力と財力が無ければ難しい。

 

氷の国を治めているのがヘル。

 

狩猟の国を治めているのがヴィローシャナ。

 

砂漠の国を治めているのがイシス。

 

火山の国を治めているのがマモン。

 

風の国を治めているのがフィーナ・クレセント。

 

フィーナの先祖は昔から魔王ルシファーや魔界中央に仕えている一族で、その発言力はルシファーと同等なのだ。

彼女達の祖先は月の人間の末裔と言われているが真相は不明である。

 

「久々に彼女に会ってみたいですね」

 

「そうだな、その時は一誠達にも紹介しよう・・・」

 

二人はココアを飲んで昔話を楽しんでいた。

 

 

◇◆◇◆

 

 

リアスが冥界のテレビ番組に出て欲しいという話が出てたので参加する事になった。

鋼弥達が魔方陣で冥界でジャンプすると、到着した場所は都市部にある大きなビルの地下。

プロデューサーに連れられてビルの上層内に着くと、廊下の先から見知った顔が歩いてくる。

 

「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 

リアスが声をかけたのはバアル家の次期当主サイラオーグ・バアルだった。

その後ろには金髪ポニーテールの女性でサイラオーグの女王(クイーン)のアバドン

 

「リアスか。そっちもインタビュー収録か?」

 

「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」

 

「これからだ。おそらくリアス達とは別のスタジオだろう。

 試合だが、お互い新人丸出し、素人臭さが抜けないものだな」

 

苦笑するサイラオーグの視線が一誠と鋼弥に移る

 

「どんなにパワーが強大でもカタにハマれば負ける。相手は一瞬の隙を狙って全力で来る訳だからな。

 とりわけ神器(セイクリッド・ギア)は未知の部分が多い。何が起こり、何を起こされるか分からないから、ゲームは相性も大事だ。

 お前らとソーナ・シトリーの戦いは俺も改めて学ばせてもらった。だが、お前達とは理屈なしのパワー勝負をしたいものだ」

 

サイラオーグは2人の肩を軽く叩き、去っていった

軽く叩かれただけでも重みを感じる。

若手最強の悪魔に期待され、一誠は番組が始まる前から緊張してしまった。

その後、スタジオらしき場所に案内され、スタッフが声をかけてくる

 

「えーと、木場祐斗さん、姫島朱乃さん、それに涼刀鋼弥さんはいらっしゃいますか?」

 

「あ、僕です。僕が木場祐斗です」

 

「私が姫島朱乃ですわ」

 

「・・・涼刀鋼弥だ」

 

「あなた方に質問がそこそこいくと思います。3人とも人気上昇中ですから」

 

「マジっスか!」

 

一誠が驚きの声をあげるとスタッフは頷く

 

「ええ、木場さんは女性ファンが、姫島さんには男性ファン、涼刀さんは男性・女性ファンが増えてきているのですよ」

 

「両方にファン?」

 

「男性ファンからは弟にしたい男No.1。女性ファンからは抱かれたい男No.1です。

 更に、涼刀さんが様々な悪魔に変身したりすることから、子供にも人気があるんです」

 

「そうか・・・」

 

鋼弥は照れているのか頬をかいていた。

 

「それから、兵藤一誠さんは・・・?」

 

「あ、俺です」

 

一誠は名指しされて、手を上げるがスタッフは首を傾げていた。

思い出したのか、ポンッと手を叩いた

 

「・・・ああっ!!貴方が!!いやー、鎧姿が印象的でしたので、素の方が解りませんでしたよ」

 

どうやら、一誠=赤い鎧というイメージが定着してしまったうだ。

無理もない、禁手化が長くなったうえ素よりも鎧姿で戦ってたようだ。

 

 

◇◆◇◆

 

 

「あ~~~、疲れた・・・」

 

収録後、全員が楽屋でぐったりしていたが、鋼弥は慣れていため、平然としていた。

木場の時は女性陣の黄色い歓声が、朱乃の時は男性陣から「朱乃さまー!!」と叫んでいた。

鋼弥は両方からの歓声が物凄く上がっていたのだ。

一誠は子供たちから「おっぱいドラゴン」や「乳龍帝」と呼ばれていた。

どうも、シトリー戦の時にそういうイメージが定着したようだ。

 

『二天龍と称され、赤龍帝と呼ばれ畏怖された俺が・・・乳龍帝と呼ばれる事になるなんて・・・』

 

ドライグがシクシクと泣いているようだ、ご愁傷様・・・。

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