ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
「まずは一勝か」
「あれだけ不利な戦況だと思ったのに、完勝しちまったもんな。制限無しの俺達って凄いわ・・・」
残りは≪女王≫、≪騎士≫2人、≪僧侶≫2人、ディオドラとなった。
こちらはリアス、朱乃、祐斗の3人が残っている。
次の神殿へ入り、ある程度進んだところで足を止める。
二番目に待っていたのは3人の敵の姿だ。
「・・・映像の一件から僕の記憶が正しければ、僧侶の二名と女王です」
第2試合の相手は≪女王≫と≪僧侶≫2人のようだ。
つまり、第3試合は≪騎士≫2人が出てくるであろう。
「待っていました、リアス・グレモリーさま」
ディオドラの≪女王≫がフードを取って素顔を見せる。
ブロンドヘアーに碧眼の美人だ。
≪僧侶≫は片方が女性で、もう片方が男性だったがフードを深く被っている為、顔が見えない。
この2人はサポートタイプで魔力もかなり高め、≪女王≫も炎の魔力が凄まじいので強敵だ。
アガレスの≪女王≫と直接対決して、勝つほどの実力者だ。
「あらあら。では、私が出ましょうか」
「後の≪騎士≫2人は祐斗がいれば充分ね。私も出るわ」
一歩前に出たのはリアスと朱乃、学園で二大お姉さまと呼ばれる2人が並んだ。
「あら、部長。私だけでも充分ですわ」
「何を言っているの。いくら雷光を覚えたからって無茶は禁物よ?
ここでダメージを貰うよりは堅実にいって最小限の事で抑えるべきだわ」
滅びの力と雷光。
どちらも強力な力の持ち主が共闘するなら確実に勝利は掴める。
すると、小猫がクイクイッと鋼弥の裾を引っ張る。
しゃがむ様、促して耳打ちをする。
「それを言えば良いのか・・・?」
「はい、それで朱乃さんがパワーアップします」
「解った。――――朱乃、そいつらに完勝したら、デートするぞ!!」
カッ!バチバチバチバチッ!!
電気が辺り一面に散らばり出す。
発生源の方向を見てみると、朱乃が雷光のオーラを身に纏っていた。
「うふふふふふふふふふふふふ!鋼弥さんとデート出来る!」
朱乃は迫力ある笑みを浮かべながら周囲に雷が走らせる。
「おお、効果は抜群だな・・・」
「あ、朱乃!あなたねぇ!」
「あらあら。あなたには関係ない筈よ?リアスはイッセーくんがいるじゃない?」
「そ、そうよ!でも・・・!」
「いくらあなたでも、想い人のコミュニケーションを邪魔する権利なんて何処にも無いわよ?
彼の事は助っ人として見ているだけじゃない?私は彼の事を愛しているわよ」
「ううううぅっ・・・」
「ぶ、部長!なんで迷ってるんですか!?」
口論が続く中、相手の≪女王≫が全身を震わせて炎のオーラを纏いながら激昂する。
「あなた方!いい加減にしなさい!私達を無視して男の取り合いなどと――――――」
「うるさい!」「邪魔をしないで!」
ドゴォォォォォォォォオオオオオン!!
リアスと朱乃が特大の一撃を≪女王≫と≪僧侶≫2人に撃ち放った。
滅びの力と雷光のうねりながら敵を容赦無く包み込み、周囲も木っ端微塵に吹き飛ばした。
煙を立ち上げながら『女王』と『僧侶』の2人は床に倒れ込んでいる。
「・・・女の怒りは怖いな」
「鋼弥さん。今度の日曜日、デートしましょうね♪」
朱乃はいつもの笑顔で鋼弥に言う。
小猫の助言とは言え、断ったら朱乃は酷くショックを受けるだろう。
それに、断る理由はない。
「・・・今度の日曜日にデートしようか?」
「はい!鋼弥さん!」
最高の返事を聞いた朱乃は小さく跳ねて、両手で鋼弥の手を掴む。
リアスはチラッと一誠を見た後、寂しそうな顔をしていた。
第2試合も完勝したので全員は更に奥の神殿へと歩みを進めていった。
鋼弥達が奥の部屋へと進んだ後、ローブ姿の男が現れた。
【あの二人の≪戦車≫と女性の≪僧侶≫は、・・・こうすれば面白いな。余り者は我が主に捧げるか】
◇◇◇◇
ディオドラの≪騎士≫2人がいるであろう神殿に足を踏み入れた。
だが、そこには見覚えのある人影が視界に映り込む。
「やぁ、おひさ~」
「てめぇは、フリード!」
「貴様、まだ生きてたのか」
アーシアの一件とエクスカリバー強奪事件の一件で敵対した白髪神父フリード・セルゼンだった。
ヴァーリに回収されて以来、姿を見せなくなったが・・・。
「言ったっしょ?イエスイエスイエス、僕ちんしぶといからキッチリキッカリしっかりちゃっかり生きてござんすよ?」
「・・・ディオドラの≪騎士≫は何処にいるんだ?」
フリードはニヤケながら口をもごもごし始める。
いきなりペッと何かを吐き出した、それは人の指だった。
「ああ、俺さまが食ったよ」
「何言ってんだ?こいつ、食った・・・?」
一誠はフリードの言葉が理解出来なかったが、鋼弥は理解して、怒りを込めた目でフリードを見る
「力を求めるがあまり、とうとう魔に身を委ねたかフリード・・・!」
「・・・その人、人間を辞めてます」
小猫も気付いたようで鼻を押さえ、目元を細めて言った。
すると、フリードはニンマリと口の端を吊り上げて人間とは思えない形相で哄笑をあげる。
「ヒャーハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!
てめぇらに切り刻まれた後、ヴァーリのクソ野郎に回収されてなぁぁぁぁぁあっ!
腐れアザゼルにリストラ食らってよぉぉぉおおっ!」
フリードの肉体の各部分が不気味に盛り上がっていく。
両のこめかみに角みたいなものが隆起し、腕や脚も膨れ上がる。
「行き場無くした俺にゾロアスターが手ぇ貸してくれたんだ!
俺がもっと強くなれるように力を与えてやるってさ!力をくれるって言うから何事かと思えばよぉぉおおおっ!
ぎゃはははははははっはははっ!"
背中の片側にコウモリの様な翼、逆側には巨大な腕が生えて、顔は原型を留めない程変形して凶暴な牙も生えてくる
変化を遂げたフリード・セルゼンは人間の面影等を一切残さない巨大モンスターとなった。
「悪魔祓いの男が悪魔に魂を売るとは・・・あまりにも愚かな行為だ」
「ヒャハハハハハハハッ!ところで知ってたかい?
ディオドラ・アスタロトの趣味をさ。これが素敵にイカレてて聞くだけで胸がドキドキだぜ!」
突然、フリードがディオドラの話をし始めた。
「ディオドラの女の趣味さ。あのお坊っちゃん、教会に通じた女が好みなんだって!そ、シスターとかそう言うのさ!」
―――ディオドラの女の趣味。
―――聖女、シスター。
その2つで一誠はすぐにアーシアと直結した。
フリードは大きな口の端を吊り上げながら続ける。
「しかも狙う相手は熱心な信者や教会の本部に馴染みが深い女ばかりだ。
俺さまの言ってる事わかるー?さっきイッセーくん達がぶっ倒してきた眷属悪魔の女達は元信者ばかりなんだよ!
自分の屋敷にかこっている女共もおんなじ!ぜーんぶ有名なシスターや各地の聖女さま方なんだぜ!
ヒャハハハ!マジで趣味良いよなぁぁっ!悪魔のお坊っちゃんが教会の女を誘惑して手籠めにしてんだからよ!
いや、だからこそ悪魔でもあるのか!熱心な聖女さまを言葉巧みに超絶上手い事やって堕とすんだからさ!
ま・さ・に!!悪魔の囁きだ!ギャハハハハハハハハハハッ!!」
「・・・ディオドラはアーシアを教会から追放させるよう計画をしていたと言う訳だな」
鋼弥の言葉に全員が反応し、フリードは哄笑をあげる。
「そいつの言う通り、アーシアちゃんが教会から追放されるシナリオを書いたのはディオドラ・アスタロトなんだぜ~?
昔々あるところのある日、シスターとセッ◯スするのが大好きなとある悪魔は、
チョー好みの美少女聖女さまを見つけました。その日からエッチしたくてたまりません。
でも、教会から連れ出すにはちょいと骨が折れそうと判断して、他の方法で彼女を自分のものにする作戦にしました」
他の方法と言う単語に一誠は嫌な予感がしたが、見事にそれが当たってしまった。
「聖女さまはとてもとてもおやさしい娘さんです。
神器に詳しい者から『あの聖女さまは悪魔をも治す神器を持っているぞ』と言うアドバイスを貰いました。
そこに目をつけた坊っちゃんは作戦を立てました。
『ケガした僕を治すところを他の聖職者に見つかれば聖女さまは教会から追放されるかも☆』と!
傷痕が多少残ってもエッチ出来りゃバッチリOK!それがお坊っちゃんの生きる道!」
――――あの時、彼を救った事、後悔してません。
一誠の脳内に笑顔でそう言ったアーシアが思い出される。
嘲笑うかのように、フリードはトドメとばかりに言い放った。
「信じていた教会から追放され、神を信じられなくなって人生を狂わされたら、簡単に僕のもとに来るだろう、と!
ヒャハハハハ!聖女さまの苦しみも坊っちゃんにとってみれば最高のスパイスなのさ!
最底辺まで堕ちたところを掬い上げて犯す!心身共に犯す!
それが坊っちゃんの最高最大のお楽しみなのでした!今までもそうして教会の女を犯して自分のものにしたのです!
それはこれからも変わりません!
ディオドラ・アスタロトくんは教会信者の女の子を抱くのが大好きな悪魔さんなのでした!
ヒャハハハハハハハハハッ!ヒャーーーーーーハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
一誠の心の底で、言い表せない程の憎悪が沸き上がった。
握りしめる拳からは血も噴き出している。
フリードを激しく睨み一歩前へ出ようとしたが、鋼弥に肩を掴まれ制止させられる
「一誠。その想いはディオドラと相手するまで抑えろ」
「鋼弥!お前はこれを黙っていろって言うのか!?」
一誠が鋼弥の胸ぐらを掴んで猛反論する。
鋼弥も同じ心境だが、怒りを押し殺していた。
「アーシアを嵌めたのはディオドラだ。その怒りをディオドラに叩きつけろ」
「イッセーくん。
君のその想いをぶつけるのはディオドラまで取っておいた方が良い。
ここは僕が行く、あの汚い口を止めてこよう」
迫力のある歩みで祐斗は一誠の横を通り過ぎ、モンスター・フリードの前に立って聖魔剣を一振り創り出す。
「やあやあやあっ!
あの時、俺をぶった斬りやがった腐れナイトさんじゃあーりませんかぁぁぁっ!
てめぇのお陰で俺はこんな素敵なモデルチェンジをしちゃいましたよ!
でもよ!俺さまもだいぶ強くなったんだぜぇぇ?
ディオドラの『騎士』2人をペロリと平らげましてね!そいつらの特性も得たんですよぉぉぉっ!
無敵超絶モンスターのフリードくんをよろしくお願いしますぜぇ、色男さんよぉぉぉっ!」
祐斗は聖魔剣を構えると冷淡な声で一言だけ言う。
「君はもういない方が良い」
「調子くれてんじゃねぇぇぇぇぞぉぉぉぉっ!」
憤怒の形相となったモンスター・フリードは全身から生物的なフォルムの刃を幾重にも生やして祐斗に襲いかかろうとするが、
フッ!
祐斗が視界から消え――――。
ズバズバズバッ!!
眼前にいたモンスター・フリードは無数に切り刻まれて四散した。
「―――――んだよ、それ。強すぎんだろ・・・」
頭部だけになったフリードは床に転がり大きな目をひくつかせていた。
一瞬で勝負終了、目で捉えきれない神速の動きで切り刻んだのだ。
「フリード・セルゼン、力を求め過ぎた者の末路だ」
「・・・ひ、ひひひ。お前らじゃ、ディオドラの計画も、その裏にいる奴らも倒せないさ。
何よりも神滅具(ロンギヌス)所持者とゾロアスターの恐ろしさをまだ知らねぇんだからよ。
ひゃは、ひゃははははははははは――――――」
ドスッ!!
「続きは地獄の亡者相手に吼えているといい」
笑っていたフリードを剣で突き刺し、絶命させた。
血を空で払う、飛び散った血液が半月を描いた。
全員がディオドラが待つ最後の神殿へ走り出した。