ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第七話 =弧高の白狼(はくろう)=

その頃のアザゼルは、レーティングゲームのバトルフィールドで旧魔王派や魔界の悪魔達を片づけていた。

人工神器に宿したファーブニルが反応している方角を目指すと、人影を見つけた。

腰にまで届く黒髪に黒ワンピースの少女が立っていた。

 

「まさか、お前が出てくるとな・・・」

 

「アザゼル、久しい」

 

「前の姿は老人だったが、今回は少女か。何を考えているんだ――――オーフィス」

 

アザゼルと話しているのは、『禍の団』のトップであり、『無限の龍神』と呼ばれるオーフィスだった。

 

「我を倒す気だろうが、アザゼルでは無理」

 

「では、三人ならば・・・どうだ?」

 

突然、第三者の声がする。

上を見ると、羽ばたきながら舞い降りてきた巨大ドラゴンのタンニーンだ。

タンニーンの背から、シンディも降りてきた。

 

「タンニーン!シンディ!」

 

「ルシファー陛下のご命令で、私もテロリストの討伐に参加しています」

 

シンディはアザゼルに説明をする。

タンニーンは大きな眼で、オーフィスを睨む。

 

「あれほど世界に対して興味を示さなかった貴様が何故、テロリストの親玉をしているんだ!?

 何が貴様をそうさせた!!答えろ、オーフィス!!」

 

タンニーンの激しい問いにオーフィスは静かに答えた。

 

「・・・静寂な世界を取り戻す」

 

「静寂な世界と言いますと、次元の狭間の事ですね・・・。ですが、あそこには・・・」

 

「グレートレッドが住みついている」

 

アザゼルはその言葉を聞いて、模索をした。

オーフィスはグレートレッドを追い出す為に、旧魔王派の悪魔や他勢力の異端児を集めた。

つまり、ヴァーリの真の目的は・・・!!

突然、オーフィスの横に魔法陣が展開され、貴族服の男が現れた。

 

「お初にお目にかかる。俺は真のアスモデウスの血を引く者、クルゼレイ・アスモデウス。

 堕天使総督のアザゼル。カテレアを倒したと言う銀の小僧は何処に居る?」

 

「悪いが、鋼弥はいねぇ、リアス達と行動を共にしている。旧魔王のアスモデウスさんよ」

 

その言葉を聞き癇に障ったのか、クルゼレイの足元に亀裂が入る。

クルゼレイの全身に黒いオーラが纏っていた。

 

「旧ではない!!真なる魔王アスモデウスだ!!

 貴様らを倒した後、銀の小僧とグレモリーの共を八つ裂きにしてやる!!」

 

アザゼルはいざ、戦闘に入ろうとするがシンディが前に出る。

どうやら、クルゼレイと勝負に挑む気だ。

 

「ふん、俺に勝てると思っているのか?」

 

「オーフィスの力を飲み込み、他人の力を振りかざす男に負けはしません」

 

「言ってくれたな女。あの銀の小僧だって自分の力ではなく契約した悪魔の力を借りてる弱い男だ」

 

アザゼルとタンニーンはクルゼレイの言葉を聞いて、怒りそうになった。

鋼弥は契約した悪魔の力を借りてないと弱いだと?違う。あいつは仲魔と契約して無くても強い男だ。

オーフィスの力を借りたテロリストに言われる筋合いは無い、という顔をしていた。

だが、二人よりも激怒している者がいた。

 

「―――黙りなさい」

 

シンディは目を閉じて、言う。

 

「私の弟子を馬鹿にするの事は決して許しません」

 

足元から気が溢れだし、ゆっくりと弧を描く。

目を薄く開け、地を蹴ってクルゼレイの腹に拳を撃ち込んだ。

 

「ぐおっ!?貴様!!」

 

反撃を繰り出すが、シンディは片手でクルゼレイの拳を受け止める。

クルゼレイはスピードを上げて、連続で繰り出すが、全て捌き、カウンターの蹴りを放つ。

 

「な、何故だ?何故だ!?俺はオーフィスの力を得たのに、何故だ!?」

 

「貴方の力は暴力に過ぎない。貴方には護るべき力を振るわず、憎しみの心が宿っている。

 強大な力を手に入れたとしても、それを誰かの為に振るう力でなければ私を倒す事はできません」

 

「言わせておけば・・・貴様!!」

 

クルゼレイの両手から巨大な魔力球を創りだし、シンディに向けて放つ。

シンディは、避ける素振りを見せず、回し蹴りで魔力球を粉々に蹴り砕いた。

 

「な・・・!?」

 

狼藉するクルゼレイだが、シンディはその隙を逃さず懐に入る。

 

「ハアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

シンディはクルゼレイの腹部に数千発の蹴りを与える。

蹴りは機関銃の如く繰り出され、最後にサマーソルトを決める。

 

「真覇千夜蹴!!」

 

シンディが着地して、クルゼレイは地面に叩きつけられるがまだ、立ち上がる。

口から血を流し、怒りの目でシンディを睨む。

 

「くっそおおおおおおおおお!!貴様の様な女に・・・俺が負けるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

クルゼレイは悪あがきをして、両手から魔力を練り拡散させて放つ。

シンディは臆せず、魔力弾の雨の中を避けて駆け巡る。

 

「邪(よこしま)な思想を掲げるテロリストに魔王と名乗る資格は無い!!」

 

シンディの両手が白い闘気が出現し、クロス状に構えた。

 

「真覇朧十閃!!」

 

クルゼレイの胸に目掛けて手刀を振り下ろした。

背を向け、クルゼレイの胸に×状に切り裂かれて鮮血が奔る。

 

「ぐ・・・がぁ・・・」

 

クルゼレイは吐血してゆっくりと前のめりに倒れ、絶命した。

今のシンディは美しく、孤高の白狼だった。

サーゼクスが遅れて駆け付けてきた。

 

「一足、遅かったか・・・」

 

「すみません、サーゼクス殿。ですが、彼は話し合いには応じに無いでしょう。

 現魔王を滅ぼすという危険な考えをしている限り・・・」

 

「いや、シンディ殿。君にも辛い役をしてすまない思っている・・・」

 

「いいんです。私は鋼弥の父には約束をしたのです」

 

シンディは目を瞑り、遠い昔を思い出す。

鋼弥の父からある約束を交わしていた。

 

―――もしも、僕達の身に何かあったら、息子たちを護って欲しい。

 

その言葉は本当に来る事は、無いと思っていた。

しかし、鋼弥と嶺爾の父と母はゾロアスターの魔の手によって、命を落とした。

だから、彼を引き取って彼を強くさせるために過酷な修行を与えた。

 

「・・・アザゼル、タンニーン。私達も行きましょう。鋼弥達を助けに」

 

「そうだな急ごう。サーゼクス、お前は観戦ルームに戻ったらどうだ?」

 

「三人とも、気を付けるんだよ」

 

サーゼクスは、三人を見送り一誠達がいる神殿へと向かった。

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