ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第六話 =心優しき聖女=

「早速だけど、二人にはこのチラシを配ってもらうわ。」

 

机には山のように積み重なったチラシが置かれた。

 

「はい、頑張ります!!」

 

一誠は気合の入った返事を出す。

頑張り次第で、出世して下僕を増やす事が出来るという事から、欲望まる出しでやる気を出していた。

だが、鋼弥は・・・

 

「・・・拒否する」

 

この発言で空気が重くなった。

 

「・・・ちょっと、なんて言ったの?」

 

「拒否すると言った。」

 

「協力してくれるんじゃなかったのかしら?」

 

「確かに協力するとは言ったが、雑用をするほど俺は暇ではない。全部、一誠にやらせればいいだろ?」

 

「ちょっ、おまっ!?」

 

「更に言うが、俺はオカルト研究部に≪正式≫に入部したという契約はしていない。

 つまりこの仕事を手伝う理由の欠片もないと言う事だ。」

 

「・・・・・・言ってくれるわね。」

 

一触即発という雰囲気だ。

鋼弥は相変わらず冷めた様な表情、リアスは悔しそうな顔をしている

その時、ジリリリリッという音が響く。

鋼弥がポケットから取り出すと懐中時計が鳴っていた。

 

「・・・時間か、悪いけどここで失礼するよ」

 

窓を開けて、屋根から屋根へと跳んでいく。

 

「あらあら、身軽い方ですわね。」

 

「・・・完全に逃げられたわ。」

 

結局、一誠が全てチラシを配る事になった・・・

それから、数日が経ってからのある日。

 

「鋼~弥~。結局、俺一人でくばることになっちまったじゃねぇか~。」

 

「何事も鍛錬は必要だろ。悪魔になってから体力が増えているから良いんじゃないのかい?」

 

「ぐぬぬぬぬ・・・・」

 

こいつと口喧嘩しても、反論できなくなる。

ちなみに、俺は契約者の元へと向かったが失敗して落ち込んでいる所に鋼弥と出会ってここで話をしていた。

そんな時だった。

 

「あうっ!!」

 

シスターが転倒していた。

しかも転んだ勢いで下着が見えておりイッセーは鼻血を吹いた

 

「そんな事で吹くとは初心だね、君も。」

 

「う、うるせぇ!!」

 

ゴシゴシと鼻血を吹いて倒れた少女シスターへ向かい手を差し伸べる。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい・・・ありがとうございます。」

 

キレイな金髪碧眼の少女だった。

どうして、シスターがこんな所にいるのだろうか?

 

「見たところ外国の方のシスターだが、旅行か?」

 

「いえ、違うんです。

 この町の教会に今日から赴任することとなりましたアーシア・アルジェントと申します。

 アーシアと呼んでください。」

 

「アーシアって言うのか、俺は兵藤一誠。んで・・・こっちの鉄面皮は。」

 

「涼刀鋼弥、初めまして。」

 

「一誠さんと鋼弥さんですね。先程はありがとうございます。」

 

アーシアは頭を下げてお礼を言うが、今度はオロオロしだした。

 

「どうしたんだ?」

 

「えっと、実は教会に行こうとしていたんですが道に迷ってしまって・・・出来れば道を教えてもらえませんか?」

 

「教会なら知っているよ。ついでだから案内するよ。」

 

「本当ですか!?ああ、これも主のお導きです!!」

 

アーシアが首に下げていた十字架を掴んで神にお祈りをするとイッセーが物凄く苦しんでいる。

 

「ど、どうかしました?」

 

「な、なんでもない!!なんでもないよ!!」

 

・・・ああ、悪魔だから十字架、神への祈りに弱いのか。

特にイッセーの様な弱い悪魔だと相当なダメージになるだろう。

なんで俺にはそういうものが効かないのかって?鍛え方が違うのでね。

 

「にしても女の子が一人で知らない国に来るなんてな、大変だろう?」

 

「確かに心細かったりもしますし、道にも迷ってしまいましたが、

 一誠さんと鋼弥さんのように優しい方にも会えました。ですから大丈夫です!」

 

そう言って微笑むアーシア、なるほど中々芯が強い子だね。

けど、俺は神というのは少し嫌いだけどね。

盲目的に神を崇拝する連中はロクな連中しかいないが、アーシアのような娘なら大丈夫だな

 

「あっ」

 

アーシアが声を上げる。

彼女の視線の先には転んだのか、ひざを擦りむいて泣いている男の子がいた。

 

「男の子ならこのくらいのケガで泣いてはダメですよ」

 

そう言って男の子の頭を撫でた後、傷に手をかざす。

するとその傷が淡い光に包まれみるみる内に消えていく。

後ろにいる一誠も驚いている。

やはり、この子から感じた力は一誠と同じで神器所有者か。

 

「はい、傷は無くなりましたよ。もう大丈夫よ」

 

男の子はアーシアにお礼を言うと元気に駆けていった。

それをにこやかに手を振りながら見送るアーシア。

 

「アーシア、君の力はもしかして・・・」

 

「あれは治癒の力、神様からいただいた素敵なものなんですよ」

 

「そうか、アーシアにぴったりな優しい力だな」

 

「ありがとうございます」

 

それから教会へと辿り着いたが、一誠を見ると表情が物凄く悪い。

・・・それにしても、この教会から嫌な気配が立ちこんでいる。

聖なる力もそうだが、魔界の空気が微量だけど流れている。

まぁ、放っておいても大丈夫だけど、いずれはどうにかしないとね。

 

「本当にありがとうございました。よろしければお茶でもいかがでしょうか?」

 

「気持ちだけ受け取っておくよ、また会えると思っている」

 

「ああ、そうだぜ。また会おうな、アーシア」

 

「はいっ!!」

 

アーシアと別れて俺たちは教会を後にした。

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