ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
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主よ。お願いを聞いてくださいますか・・・?
どうか、イッセーさんをずっとお守りください。
そして・・・。
どうか、これからもずっとイッセーさんと一緒に楽しく暮らせますように・・・。
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一瞬、何が起こったのか、全員は理解出来ずに心此処に在らずの状態だった。
そして、ディオドラ眷属を合体させたローブ姿の男が再び出現したのだ。
【ロンギヌスで創られし物はロンギヌスの攻撃で散るか。これは、興味深い】
「貴方はさっきの・・・!!」
【遅れてすまないね。私はアンリ・マンユ様に仕えし悪魔が一人、サルワと申します。
シャルバ・ベルゼブブ殿の使いでここへ参上しました】
フードを取ると茶髪の男は、礼儀正しく挨拶をする。
次に、ボロボロになったディオドラをジッと見る。
「サ、サルワ!!助けてくれ!!キミと一緒なら赤龍帝と半魔人を殺せるよ!!」
【無様な姿ですね。与えられた任務をこなせず、そんな失態を曝すとは・・・。
シャルバ殿から伝言を預かっていますよ、貴方が失敗し様が成功し様が処分しろと、ね】
サルワの両手から、青白い炎が生まれ、ディオドラに向けて放つ。
「や、やめ―――」
【プロミネンス】
青白い炎はディオドラを焼き尽した。悲鳴を上げず骨すらも残らずに・・・。
【その魂は、貴方の眷属と共にアンリ・マンユ様の贄として捧げなさい】
祐斗はサルワを見て何かを思い出した。
「そういえば、君は・・・カンカンダラの封印を解いた悪魔だね?」
あの時、カンカンダラが消滅する時に、封印を解いた人物の特徴を言った。
目の前の悪魔の特徴が一致したのだ。
【カンカンダラめ、折角封印を解いたというのに、成仏したのか・・・。
やはり、ベースが人間だからか、まったくつまらぬ結果に終わったか】
サルワは嘆息して、やれやれというポーズをしてからリアス達を見る
【さて、貴女がグレモリー家の次期当主ですな?なるほどお美しい真紅の髪だ。
ですが、貴女とシトリー家を殺せとシャルパ・ベルゼブブの依頼でね】
「グラシャラボラス、アスタロト、そして私達グレモリーとシトリーを殺すと言うのね」
【その通り、我らゾロアスターもシャルバの復讐劇にしばらく付き合うよ。
まぁ、使えなくなったその時は、合体材料にしてしまえば良い話さ】
「――――外道!何よりもアーシアを殺した罪!絶対に許さないわッ!」
リアスは激高し紅いオーラが迸り、朱乃は怒りで顔を歪め雷光を身に纏い、祐斗は聖魔剣を創り構える。
だが、サルワは涼しそうな顔をして口を開く。
【やれやれ、たかが一人殺した位で、何を怒る?君達も遅れて死ぬのだからね】
「アーシア?アーシア?」
一誠だけはフラフラと歩きながらアーシアを呼んでいた。
「アーシア?何処に行ったんだよ?ほら、帰るぞ?家に帰るんだ。
父さんも母さんも待ってる。か、隠れていたら帰れないじゃないか。
ハハハ、アーシアはお茶目さんだなぁ・・・」
覚束ない足取りでアーシアを探す一誠。だが、いくら呼んでもアーシアはいない・・・。
「アーシア?帰ろう。もう誰もアーシアをいじめる奴はいないんだ。
いたって、俺がぶん殴るさ!ほら、帰ろう。体育祭で一緒に二人三脚するんだから・・・」
小猫とギャスパーは嗚咽を漏らし、朱乃も顔を背けて涙を頬に伝わせる
リアスは一誠を優しく抱き、何度も頬を撫でる。
鋼弥は、身を震わせていた。
【おやおや、目の前で大事な友人を失って混乱をしていますか。
赤龍帝、アーシアと言う少女は次元の彼方へ落ちたよ。
可哀相だけど、あの世界に落ちたら彼女の身と魂は引き裂かれて消滅したよ】
サルワの言葉に一誠はゆっくりと顔を上げて、憎い敵を見る。
だが、彼の怒りに気付いてないのか、更に口を開く。
【ああ、安心したまえ。あの少女が寂しくない様にまずは君から殺してあげるよ】
その言葉で、一誠と鋼弥が溜まっていた悲しみと怒り爆発した――――。
「お前が、お前がァァァァァァァァァッ!!」
「貴様ァァァァァァァァァァァッ!!」
一誠と鋼弥から膨大な魔力が溢れだし、赤と銀の二つが荒れ狂う嵐となった。
『リアス・グレモリー、今すぐこの場を離れろ。死にたくなければすぐに退去した方が良い』
赤龍帝のドライグの声が響き、一誠から異様なオーラを纏っていた。
『そこの悪魔よ。サルワと言ったか?お前は・・・選択を間違えた』
ドライグが言い切った瞬間、神殿が大きく揺れ、一誠が血の様に赤いオーラを発し行った。
一誠の口から老若男女、複数入り交じった呪詛のごとき呪文が発せられる。
『我、目覚めるは・・・』
〈始まったよ〉〈始まったね〉
『覇の理を奪いし二天龍なり・・・』
〈いつだって、そうでした〉〈そうじゃな、いつだってそうだった〉
『無限を嗤(わら)い、夢幻を憂(うれ)う・・・』
〈世界が求めるのは〉〈世界が否定するのは〉
『我、赤き龍の覇王と成りて――――』
〈いつだって、力でした〉〈いつだって、愛だった〉
(何度でもお前達は滅びを選択するのだな!!)
一誠の鎧が鋭角なフォルムを増した。
巨大な翼まで生え、両手両足から爪が伸び、兜からは角がいくつも形作られていく。
その姿は、伝説上に登場する赤きドラゴンそのものだった。
「「「「「「「汝を紅蓮の煉獄に沈めよう」」」」」」」
『Juggernaut Drive!!!!!!』
【アァァァァァシアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!】
一方の鋼弥の足元には複雑な陣が刻まれ、顔には緑色のタトゥーが浮かび上がる。
「ウオアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
怒りに満ちた声とともに、鋼弥の身体が豹変したのだ。
銀髪が、長く伸び黒に染まり――――。
獣の如く、鋭い牙が生え――――。
目は血の色の様に赤い――――。
その姿は、まさに修羅神の如く――――。
【ヴァァァァオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!】
咆哮は大地を、天を引き裂くほど響き渡った。
今ここに、怒りによって赤き龍帝と黒銀の修羅が現れた。
(BGM:業拳にて覇道を往く者)
【クハハハハハハハハッ!!なんとも恐ろしく美しい姿よ!!
怒りのエネルギーによって、貴様たちの霊性は輝きを増しているよ!!
だからこそ、私も応えてやろう!!その身に宿りし怒りの化身となった貴様たちを!!】
サルワの身体が渦に飲み込まれて、本来の姿を現した。
身体全体が爬虫類の鱗、蛇の尾、茶色の長髪をなびかせた鬼だった。
【さぁ・・・始めようか。生命をかけた遊戯(ゲーム)をね!!】
ドラゴンと化した一誠はサルワの肩に食らい付いた。
鋼弥は、重い蹴りを何度もサルワの腹部に撃ち込んだ。
【ゲボッ!!調子に乗るな!!】
一誠の首を掴んで、投げる。肩から血が溢れだすが平然としていた。
一誠は口からサルワの肉片を吐きだす。
【ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!】
【最早、人間の言葉すら失ったか!!覇龍の力はここまでのものだったか!!】
サルワの頭上から岩の槍を大量に作り出す。
【マハマグダイン!!】
呪文を唱えると、岩の槍がミサイルの様に降り注ぎ一誠と鋼弥に襲い掛かる。
だが、一誠は拳で撃ち砕きサルワの元へと進む。
一誠は宝玉の一部から鋭い刃を作り出すと右手を突き刺した。
【ぐあっ!!?おの・・・ゴハッ!!】
鋼弥がその場で地を蹴り、空中一回転してから、サルワの顔面に蹴りをいれ込む。
吹き飛ばされて柱にぶつかり瓦礫に埋もれるが、吹き飛ばす。
赤龍帝の兜に生まれた口から赤いレーザーが発射される。
サルワは避けるが、レーザーの細い痕から大爆発が巻き起こる。
【まさか、これほどまでの力を秘めているとは・・・バケモノどもめ!!】
爆炎に呑まれながらも脱出するが、鋼弥は狙ってたのか両手から蒼い闘気を創りだす。
【ガアアアアアアアアアアアアッ!!】
次々と波動弾を連続に撃ちだし雨、霰の如くサルワに直撃する。
【ぬあああああああああああああっ!!?】
サルワは派手に吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
リアス達は目の前の二人に、恐怖を感じた。
あれは一誠と鋼弥では無い、戦いを望んでいる怪物だと・・・。
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!』
【フウウウウウウッ!!】
一誠はブーストで力を溜め、鋼弥は右手にオーラが纏う。
二人のオーラが一斉に発射されると祐斗はその膨大な威力に危機感を抱いた。
「部長!!撤退しましょう!!この神殿から出るべきです!!」
「でも・・・イッセーが・・・」
「すみません!!」
祐斗がリアスが抱きかかえ、ゼノヴィア、小猫、ギャスパーも後に続いて撤退する。
朱乃は、鋼弥の事が心配なのか立ち止まっていた。
「鋼弥・・・」
「副部長!!早く!!」
祐斗に促されて、もう一度、鋼弥を見てから脱出する。
赤龍帝と黒銀の修羅神の最大の一撃が放たれた。
【Longinus・Smasher(ロンギヌス・スマッシャー)!!!!】
【覇・壊・断・空・拳!!!!】
一誠の胸元から赤き極閃光が撃ち、鋼弥の右手から黒い手刀閃が放たれサルワに襲い掛かる。
【うぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!?】
サルワは避ける事も叶わず、神殿と共に閃光の中へと消えた。