ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
最後の騎士が空中で待機しており、鋼弥は身構える。
青白い馬に跨った黒いローブ、手には巨大な鎌を持った髑髏の死神だった。
【いよいよ最後をつけるときがきたようだ。我ら四騎士を退ける力を有るのか否か。
人と悪魔の間に生まれた者が、定められし死をも超える存在となるのか・・・】
死神の騎士は大鎌を振り掲げ、鋼弥を見る。
【このペイルライダーが、終審しようぞ!!】
青白い馬を走らせて、大鎌を振りかざしてくるが、鋼弥はスライディングして避けて態勢を直す。
【見るがいい、私は黄泉を連れて来た。おまえの前に、後ろに。
油断すれば、瞬きする一時に おまえを飲み込んでくれようぞ!!】
ペイルライダーは鎌を振りかざすと衝撃魔法を放ってきた。
襲い来る風の刃を避けるが、今度は青白い炎が足元を囲み呪殺の陣が出現したが、これを防ぐ。
【くくく・・・流石に我らと戦って、まともな力は残っていないだろう】
ペイルライダーは次々と衝撃魔法、呪殺魔法を唱えて鋼弥を追い詰めようとする。
だが、鋼弥は猛攻を掻い潜り、破邪光滅弾を放つ準備をしていた。
「破邪光滅弾!!」
至近距離からの光滅弾を放ち、白き閃光弾はペイルライダーに直撃した。
勝ったと思ったが、背中に激痛が走る。
先程、消滅した筈のペイルライダーが鋼弥の背中に鎌で斬り付けたのだ。
【今のは、我の分身だ。質量も魔力も同じだから見分けられなかっただろう?】
「まさか・・・そんな手が・・・」
【汝の命貰い受ける。ペストクロップ!!】
鎌の刃に妖気が集まり、大きく振りかざすと紫色の刃群が襲い掛かる。
両腕、両足と無数の切り傷ができ、吹き飛ばされる。
「しまった・・・!!」
立ちあがろうとしても、身体がフラフラする。
それだけではなく、目の前の光景が歪んでいる。
【我が鎌に切り裂かれし者は、一時的に身体の自由を奪う。貴様の命運もここまでだ】
ペイルライダーの足元から、風のエネルギーが集まる。
【殺風撃!!】
鎌を振り回すと荒れ狂う嵐の渦が生み出し、飛ばした。
だが、先程の攻撃で足をやられて、動く事が出来ず飲み込まれてしまった。
風の刃の大渦が容赦なく鋼弥の身体を引き裂いた。
◇◆◇◆
ペイルライダーの殺風撃が鋼弥を飲み込まれた映像を見ていたシンディ達。
このままでは、鋼弥が殺されてしまうのは目に見えていた。
「ルシファー陛下、中断させてください!!このままだと、コーくんが!!」
【駄目だ。この試練は何があっても中断は出来ん】
「そんな・・・」
リオは首を横に振って、絶望しかけていた。
シンディも同じ気持ちだった。
今直ぐに鋼弥を助けたいという気持ちだったが、鋼弥の所へ助けに行く方法が無い。
「信じましょう・・・鋼弥さんは生きて帰ってきます」
「でも・・・!!」
「約束したもの。彼は必ず、生きて帰ってきますわ」
何があっても目を逸らさない。
朱乃は、鋼弥の勝利を信じて、映像を見ていた。
◇◆◇◆
風の大渦が収まると、血だるまとなった鋼弥が倒れていた。
蹄の音がし、ペイルライダーは鋼弥を見て、真っ暗な髑髏の目が赤く光る。
鎌を鋼弥の首に狙いを定めて、大きく振り上げる。
【さらばだ、涼刀鋼弥。汝の魂を貰い受ける】
死神の鎌が振り下ろされ、鋼弥の首は―――斬られていなかった。
いや、正確に言えば届いていなかったのだ。
それは、鋼弥が鎌の刃を掴んで止めていたのだ。
【なに・・・!?】
「まだ・・・俺は、負けてはいない」
顔をゆっくりと上げ、ペイルライダーを睨む。
鋼弥の目を見たペイルライダーは、後ろへと下がったのだ。
あれこそ、生きるという執念の目だ。
【・・・何故、貴様はそこまで、立ちあがれるのだ?】
「・・・約束をしたからね」
【約束、だと・・・?】
「ああ・・・必ず、生きて帰ってくると言う約束をね」
ボロボロになりながらも、立ちあがる。
ペイルライダーは鋼弥の後ろに巨大なオーラが見えた。
赤い瞳、体に漆黒のタトゥーに輝く緑色の線、黒い髪。
まさに、人にあらず悪魔にあらずのあの男そのものだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
鋼弥が吼えると同時に両手を天に掲げると両手から炎が、燃え上がる。
ペイルライダーは再びペストクロップを放つが、紫の光刃を全て拳で砕き進む。
「マグマ・アクシィィィィィィスッ!!」
両手を突き出すと、炎が奔りだし、ペイルライダーを焼き尽す。
【我が終審を破るか・・・見事だ・・・】
ペイルライダーはその身に焦がされても、鋼弥に賞賛の言葉を贈った。