ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第二話 =刺客=

町にある廃工場。

そこにグレモリー眷属、イリナ、鋼弥、リオが訪れていた。

既に太陽は落ちかけて、空は暗くなりつつある。

薄暗い工場の中に気配が多数存在し、それらは殺意と敵意に満ちていた。

 

「――――グレモリーの眷属か。嗅ぎ付けるのが早い」

 

暗闇から黒いコートを着た男が現れ、周囲から人型の黒い異形の存在がおよそ100体程姿を覗かせていた。

 

「『禍の団』の英雄派ね?ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。三大勢力にこの町を任されている上級悪魔よ」

 

「ああ、存じ上げておりますとも。魔王の妹君。我々の目的は貴様達悪魔を浄化し、町を救う事だからな」

 

「テロリストがよく、そんな言葉が言えたものね」

 

『禍の団』の英雄派構成員はゴミを見るような目で鋼弥達を見る。

ここ最近、英雄派が各勢力の重要拠点を度々襲来してくる事件が多発しており、鋼弥達はそれらを迎撃している。

先程話した男の横からサングラスの男と中国の民族衣装みたいな服を着た男が出てきた。

異形の方は戦闘員のポジションで実力は下級悪魔じゃ相手に出来ない程強い。

倒すには中級悪魔以上の実力が求められるが、鋼弥達は既に中級~上級悪魔並の力を持っている。

一誠は禁手化してから前衛として前に出る。

フォーメーションは一誠と祐斗が前衛、鋼弥とゼノヴィアは少し離れた場所で補助をしつつ攻撃を仕掛ける。

中衛にイリナ、小猫、ギャスパーは前衛のフォローと後衛の守護及びサポート。

後衛にリアス、朱乃、アーシア、リオの4人。

リアスは司令塔兼支援攻撃役、朱乃とリオは後方からの魔法砲撃役でアーシアは回復役となる。

黒いコートの男が手から白い炎を発した。

 

「また神器所有者か」

 

祐斗が目を細めて言った。

 

「困ったものね。ここのところ、神器所有者とばかり戦っているわ」

 

リアスは嘆息するが、瞳には決意がみなぎっている。

炎を揺らす男が攻撃を仕掛けた瞬間、一誠は魔力噴出口から火を噴かしてダッシュし、炎を弾き飛ばした。

 

「俺たちは戦闘員を片づける。いくぞゼノヴィア!」

 

「分かっているとも!」

 

鋼弥とゼノヴィアは戦闘員を倒しにかかる

拳や蹴りで薙ぎ払ったり、二刀で斬り捨てて戦闘員を蹴散らして行く

戦闘員を粗方倒した鋼弥はサングラスの男と対峙する

 

「貴様が噂の魔界からやって来た悪魔か。他のとは違う力を感じるな」

 

「あまり、人をジロジロと観察しないで欲しいね」

 

鋼弥は相手が神器所有者だけあって簡単には仕掛けない。

様子見のためか小石を拾い、微量の魔力を込めてサングラスの男に投げつける。

 

――――ズヌンッ

 

すると、工場内の影が伸びて小石を飲み込んだ。

鋼弥は、気配感知で何処からか出る微量の魔力を察知した。

アーシアの影が蠢き、影から先程投げた微弱な魔力付きの小石がアーシアのお尻にヒットする

 

「きゃっ!」

 

「どうしたアーシア!」

 

「なるほど。影で飲み込んだものを他の影に転移させる神器か」

 

「攻撃を受け流すタイプの防御系だね。厄介な部類の神器だ」

 

「すまない、アーシア。・・・光が来るぞ!」

 

ある地点を見ると、民族衣装の男が青く光る矢を撃とうとしていた。

光の矢が放たれ、空中で軌道を変えながら迫ってくる。

 

「光なら任せてちょうだいな!」

 

「私も加勢します!」

 

一誠の後方からイリナとリオが光を放ち、相手が撃った光の矢を相殺する。

朱乃は氷の槍を作って光使いへ放り投げるが、影が伸びて槍を吸い込む。

リアスの影から氷が出てくるが、リアスは何事も無く避けた。

 

「ギャスパーくん!データは?」

 

「は、はいぃぃっ!で、出ました!

 そ、そちらの方が炎攻撃系の神器、『白炎の双手(フレイム・シェイク)』!

 そっちが防御、カウンター系の神器、『闇夜の大盾(ナイト・リフレクション)』!

 さ、最後にあちらが光攻撃系の神器、『青光矢(スターリング・ブルー)』ですぅっ!」

 

ギャスパーはアザゼルが開発した神器スキャンマシンで敵の神器を分析して皆に伝えた

 

「光使いと影使いが厄介だな。ならば・・・」

 

鋼弥は業魔化身の力を使うと、白、赤、黒、蒼の炎が現れた。

 

「――ブラックライダー」

 

黒の炎が鋼弥を包みこむと、それが弾けて黒い馬に跨っり天秤を持った死神の騎士が現れた

 

【・・・我が名はブラックライダー。我が渇き、如何なるものでも潤う事無い・・・】

 

天秤がカタカタと揺れ出すと、左に傾いた。

 

【・・・ソウルバランス】

 

光使いと影使いの足元に飢餓の陣が出現し、怪しい紫色の光りに呑まれた。

敵の体力と魔力を半減させて、倒したのだ。

 

「あれが、鋼弥の新しい力。益々、強くなったのね」

 

リアスが不敵な笑みを浮かべていた。

感心するのも束の間、今度は緑色の光の矢が飛んできた。

 

【・・・テトラカーン】

 

ブラックライダーが物理反射の魔法を唱えると、光の矢は弾かれて工場の外へ反射した。

 

「す、凄いですぅ!今の攻撃だけで神器データが出ました!『緑光矢(スターリング・グリーン)』ですぅ!」

 

「そちらは私がやろう。小猫、付いてこい。相手の位置は気で探れるな?」

 

「はい、ゼノヴィア先輩」

 

ゼノヴィアが小猫を引き連れて工場から飛び出した。

一誠は炎使いの攻撃を掻い潜り拳で打倒した。

 

「・・・ぬおおおおおおっ!」

 

倒した筈の影使いが立ち上がり絶叫したのだ。

男の体を黒い影が包み込み、更に広がって工場内全てを包み込もうとしていた。

だが、影使いの足元に見た事も無い魔方陣が展開され、影使いはこの場から消え去った。

 

 

―――――――――

 

 

戦闘が終了し捕らえた炎使いと光使い、更にゼノヴィアと小猫が捕まえた光使いを魔方陣で冥界に転送させた。

 

「冥界への移送も終わり。まあ、今回も良い情報を得られそうに無いでしょうね」

 

これまで倒した神器所有者は戦闘で負けた瞬間、英雄派としての記憶を消されている。

この事件を解決してもなかなか情報を得られずにいた。

 

「しかし、妙だね。僕たちを倒しに来たと言う感じじゃないね」

 

「実はさ、私も変だなーと思ってたのよ」

 

「私達を本気で倒しにかかるならば、三回目から戦術を組み立ててくると思いますが・・・」

 

「・・・俺達を禁手に至らせるための練習道具として利用している仮説が浮かび上がる」

 

鋼弥の言葉に全員の顔が強張り、一誠が狼狽した声を出す。

 

「で、でもよ、俺達にぶつけたくらいで禁手に至れるのか?」

 

「魔界人、紅髪の滅殺姫、赤龍帝、雷光の巫女、聖魔剣使い、デュランダルとアスカロンの使い、ヴァンパイア、仙術使いの猫又、万能回復シスター。

 これだけ見れば英雄派の人間にとっては未知の強敵で尋常じゃない戦闘体験ができるというわけだ」

 

「経験値稼ぎね・・・分からない事だらけね。後日アザゼルに問いましょう。

 私達だけでもこれだけ意見が出るのだから、あちらも何かしらの思惑は感じ取っていると思うし」

 

ここで結論は出なさそうなので、魔方陣を展開して根城である部室に戻った

そして、帰り支度をする中で朱乃が鼻歌を歌っている

 

「あら、朱乃。随分ご機嫌ね。S的な楽しみが出来たの?」

 

「うふふ、明日が楽しみですもの。自然と笑みがこぼれますわ。鋼弥さんとデートですから」

 

明日の休日は朱乃とデートをする日である。

鋼弥はやれやれと言う表情をしたが、何かの気配を感じた。

その方角を見ると、高層ビルが並び立つ区域だった。

 

「・・・皆は、先に帰ってくれ。俺は少し調べ物をする」

 

「え、明日のデートは大丈夫ですか・・・?」

 

「心配するな朱乃。明日のデートはできる。ただ、少しだけ帰りが遅くなるけどね」

 

夕日が沈みかけ、星々が照らしだしそうな風景になるとしていた。

 

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