暗殺教室~アサシン・ドライブ~   作:ほにゃー

16 / 35
修学旅行でおイタをする輩は誰なのか

「泊君、修学旅行の班、決まった?」

 

修学旅行間近になり、班活動で何処を周るかで盛り上がっていた。

 

「いや、まだ決まってない。それに、今更誰かの班に入れてもらうのもなぁ~」

 

「ならさ、私の班に来ない?」

 

「神崎の?」

 

「うん。渚君とか茅野さん、カルマ君に杉野君、奥田さんがいるよ」

 

そのメンツなら大丈夫か?

 

渚と赤羽、茅野ならそこそこ話すしな。

 

奥田さんとも別に仲が悪いわけでもないな。

 

杉野は…………ちょっと面倒だな。

 

ま、いっか。

 

「なら、頼めるか」

 

「うん」

 

そして、俺は神崎に連れられ、神崎たちの班に混じる。

 

「お、泊も一緒なの?」

 

「よろしくね、泊君」

 

「泊……」

 

杉野、そんなに睨むな。

 

別に神崎を取ったりしねぇよ。

 

てか、お前のでも無いけどさ。

 

「泊君、よろしくね」

 

「えっと、よろしくお願いします!」

 

茅野と奥田さんも挨拶してくれた。

 

取り敢えず、班はこれで大丈夫だろう。

 

今回の修学旅行は暗殺を兼ねた物だ。

 

殺せんせーは班ごとに付き添いをする。

 

そこを国が雇った狙撃手が、狙撃を行う。

 

俺達は狙撃手の手伝いをする。

 

成功したら貢献度に応じて、百億円の中から分配される。

 

狙撃手にとって殺り易い環境を整えるのが、俺達のすることだ。

 

「ふん。まだあんたらも餓鬼ねぇ。世界各国を渡り歩いた私から言わせてもらえば、国内の旅行なんて………」

 

「それじゃぁビッチ先生は留守番な」

 

「花壇に水あげといて」

 

「ここなんてどう? 」

 

「暗殺の兼ね合いを考えると………」

 

ビッチ先生そっちのけで、ルートを決め始めると。

 

「何よ! 私抜きで楽しい話しないでくれる!? 」

 

叫びながらデリンジャーを抜く。

 

「行きたいのか行きたくないのかハッキリ口で言えよ! 」

 

めんどくさい人だな。

 

「一人一冊です」

 

今度は殺せんせーが手に大量の本を持って入ってくる。

 

「重っ!」

 

「何これ、殺せんせー?」

 

「修学旅行のしおりです」

 

辞書だろ、コレ!

 

何処に千ページを超えるしおりがあるんだよ!

 

「イラスト解説の全観光人気スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術入門~応用。昨日徹夜で作りました。初回特典は組立紙工作金閣寺です」

 

「どんだけテンション高いんだよ!?」

 

本当に重いな、このしおり。

 

人殺せるぐらいには固い。

 

「てか、先生なら京都まで一分で行けるでしょ」

 

「ええ、そうです。ですが、旅行と移動は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに会う。先生は皆さんと一緒に旅できるのが嬉しんです」

 

そう言う殺せんせーは本当に嬉しそうに語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行当日。

 

ここでもE組差別は起きる。

 

修学旅行恒例の話が始まり、いつも通りのE組弄りを受け、新幹線に乗り込む。

 

A~D組はグリーン車で、E組は普通車。

 

他にも、ビッチ先生が過激な服で着てきた事に烏間が怒り、普通の服に着替えさせたり、殺せんせーが駅中スイーツを買って乗り遅れたりなどがあった。

 

そして旅館に着くと、殺せんせーは酔っていた。

 

「新幹線とバスで酔ってグロッキーとは……」

 

岡野、片岡、磯貝の三人は殺せんせーに声をかけながらも、ナイフを振り下ろすが、全て躱される。

 

「殺せんせー、部屋で休んだら」

 

「いえ、この後、すぐに東京に戻ります。先生、枕を忘れてしまって」

 

そんな中、神崎は鞄の中にしまっておいた手帳が無いことに気付き、探していた。

 

その手帳には修学旅行の予定が纏めて書かれている。

 

「どう?神崎さん、日程表見つかった?」

 

「ううん……」

 

「神崎さんは真面目ですからねー。独自に日程を纏めているとは感心です。でもご安心を、先生の手作りしおりを持てば全て安心」

 

「それ持ちたくねぇから纏めてるんだろ」

 

「確かにバックに入れた筈なのに……どこかで落としたのかなー……」

 

結局、神崎の日程表は見つからず、そのまま一夜が開けた。

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行二日目

 

俺達四班は殺せんせーを暗殺するためのコースを歩いていた。

 

「ここなら、狙撃には持って来いかもな」

 

「狙撃手の人に見えるかな」

 

「でもさぁ、京都に来た時ぐらい暗殺のこと忘れたかったよなー。いい景色だし、暗殺なんて縁の無い場所でさぁ」

 

杉野がそう言って来た。

 

「そうでもないよ、ちょっと寄りたいコースがあるんだ。すぐそこ」

 

渚に案内され全員が着いた場所には、石碑があった。

 

石碑には坂本龍馬・中岡慎太郎遭難之地と刻まれていた。

 

「坂本龍馬って……あの?」

 

「あ~、1867年龍馬暗殺。「近江屋」の跡地ね」

 

「ここから歩いてすぐの所にも本能寺もあるよ。当時と場所はズレてるけど」

 

「そっか、1582年の本能寺の変も暗殺の一種か」

 

「それだけじゃない。京都は当時日本の中心だった。それだけに多くの人間が狙われた。有名なものから知名度の低いものまで数えたら数えきれない。まさに暗殺の歴史が刻まれた街だ」

 

「なるほど、確かにこりゃ、暗殺旅行だわ」

 

杉野が納得し、俺たちは、次の目的地へと向かう。

 

次の目的地は祇園。

 

「へぇ~、祇園って奥に入ると人気ないんだね」

 

「一見さんお断りの店ばかりだから目的もなく来る人はいないし、見通しが良い必要もない、だから、私の希望コースにしてみたの。暗殺にぴったりなんじゃないかって」

 

流石は神崎だな。

 

良く調べてある。

 

だが、少々問題があるようだな。

 

「なんでこんな拉致やすい所来るかねぇ普通」

 

いかにも不良っぽい恰好をした奴等がぞろぞろと現れてきた。

 

「何? お兄さんら。観光が目的っぽくないね」

 

赤羽が挑発をする。

 

「男に用はねぇんだ。女置いて帰れ」

 

そう言った瞬間、赤羽が男の顎に掌底を撃ち込み、そのまま頭を電柱に叩き付けた。

 

「ほらね、渚君。目撃者がいなければ喧嘩しても問題無いでしょ」

 

赤羽が渚の方を見ながら言う。

 

「赤羽!」

 

俺は赤羽の背後から接近する男に向かって走り、蹴り飛ばす。

 

「サンキュー、泊」

 

謝り、次の不良に喧嘩を挑もうとした時背後から女子の悲鳴が聞こえた。

 

見ると、神崎と茅野が男に捕まっていた。

 

「チッ!」

 

赤羽が舌打ちをした瞬間、リーダー各と思われる男が、赤羽の頭を殴る。

 

「しまっ!」

 

「何処見てんだよ!」

 

倒れた赤羽に気を取られ、俺は背後からスタンガンを食らう。

 

「あがっ………」

 

意識を奪われ、俺はそのまま地面に倒れ込む。

 

そして、渚と杉野もやられ、神崎と茅野は連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん!大丈夫ですか!?」

 

意識を取り戻した時、奥田さんの声が聞こえた。

 

「奥田さん、無事だったんだね」

 

「すみません、思いっきり隠れてました」

 

「いや、正しいよ。向かって行って、捕まるよりずっといい」

 

謝る奥田さんに赤羽が声を掛ける。

 

「彼奴等、車のナンバー隠してたし、きっと盗難車、それもよくある車種。犯罪慣れしてやがる。通報してもすぐには捕まらないよ。てか、俺に直接処刑させて欲しいんだけど」

 

「でも、何処に向かったのか分からないんだぞ。どうするんだ?」

 

「大丈夫だ。渚、しおり、持ってないか?」

 

「え?持ってるけど」

 

「殺せんせーのことだ。こういう状況の時のマニュアルが書いてあるかもしれ」

 

俺の言葉に従い、渚は分厚いしおりを開く。

 

「いや、いくら殺せんせーでも、そこまでは」

 

「あった!」

 

「嘘!?」

 

杉野に続いて、俺達もしおりを覗くとやっぱり書いてあった。

 

「流石殺せんせーだ」

 

「こんなしおり見たことねぇーよ」

 

「色々書いてあるよ。『京都で買ったお土産が、東京で売ってた時のショックの立ち直り方』」

 

「何手先まで想定してるんだよ!?」

 

「『鴨川の縁でイチャつくカップルを見た時の寂しい自分の慰め方』とか」

 

「大きなお世話だ!」

 

「だが、これで少しは落ち着いただろ」

 

俺が言うと、杉野は俺の方を見る。

 

「冷静じゃない時ほど、人間は本来の力を発揮できない。殺せんせーのしおりのお陰で大分落ち着いたはずだ」

 

「泊君の言う通りだ。これで、今何をすべきが分かったよ。行こう、茅野と神崎さんを助けに」

 




次回、あの彼が登場。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。