しおりにある他県からの不良学生がたむろするだろう場所を記したマップに従い、俺達は虱潰しに当たって行く。
すると、運が良く俺達は一発目で見付けることが出来た。
殺せんせーの到着を待ってから、二人を助けようと思ったがどうも間に合いそうにもない。
だから俺達は到着を待たず、部屋に入り込んだ。
「な、テメーらは!!」
リーダー格の奴が驚き、俺達を見る。
「渚、1243ページ復唱してくれ」
「班員が何者かに拉致られた時の対処法。犯人の手かがりが無い場合、まず会話の内容や訛りなどから地元民であるかそうでないか判断する。地元民で無く更に、学生服を着ていた場合→1244ページ。考えられるのは相手も修学旅行生で旅先でオイタをする輩です」
「皆!」
「ど、どうしてここが!?」
「土地勘のないその手の輩は拉致した後遠くへは逃げない。近場で人目につかない場所を探すでしょうその場合は→付録134ページへ。先生がマッハ20で下見した拉致実行犯潜伏対策マップが役立つでしょう」
「凄いよなこの修学旅行しおり。完璧な拉致対策だ」
「やっぱ、修学旅行のしおりは持っとくべきだね」
『ねーよ!そんなしおり!』
不良たちの的確なツッコミが炸裂する。
「で、どすんのお兄さん達。こんだけのことしてくれたんだ。アンタらの修学旅行はこの後全部入院だよ」
赤羽は怒りを込めた言葉を吐く。
その時、背後から大きな足音が聞こえた。
「呼んどいたツレ共だ。これでこっちは十人。おまえらみたいな良い子ちゃんが見た事も無い不良共だ」
だが現れたのは丸坊主にぐるぐるメガネを付けた連中だった。
「不良などいませんねぇ。先生が全部手入れしました」
殺せんせーが黒子の恰好で不良共を倒していた。
「遅くなってすみません。この場所を君達に任せ、他の場所しらみ潰しに探していたもので」
「で、何その黒子みたいな恰好?」
「暴力沙汰ですので、この顔が暴力教師と覚えられるのが怖いのです」
月を破壊して、揚句地球を破棄する宣言をしてる生物が何を言う。
「渚君がしおりを持っていたから、先生にも迅速に連絡できたのです。これを期に、全員ちゃんと持ちましょう」
殺せんせーはそう言って、俺達の手に修学旅行のしおりを乗せる。
「先公だとぉ!?」
「ふざけんな!」
「ナメた恰好しやがって!!」
不良が殺せんせー目掛けて襲い掛かるが、殺せんせーは一瞬で倒した。
リーダー格を残して。
「ふざけるな?それは先生の台詞です。蝿が止まるようなスピードと汚い手で、うちの生徒に触れるなどふざけるんじゃない」
「………け!エリート校は先公まで特別所為かよ。テメーも肩書き見下してんだろ?馬鹿高校と思ってナメやがって!」
「…………先ほど君は彼等をエリートと言いましたが、エリートではありません。彼等は名門校の生徒ですが、学校内では落ちこぼれ呼ばわりされ、クラスの名前は差別の対象になっています。ですが、彼等はそこで様々なことに前向きに取り組んでいます。君たちの様に他人を水の底に引っ張るような真似はしません。学校や肩書きなど関係ない。清流に棲もうがドブ川に棲もうが前に泳げば魚は美しく育つのです。………さて、私の生徒達よ。彼等の手入れをしてあげましょう。修学旅行の基礎知識を、身体に教えてあげるのです」
殺せんせーの言葉を合図に、俺たちはもっていた修学旅行のしおりで不良共の頭を殴る。
これ、鈍器に丁度いいな。
そう思い、俺はすぐに神崎と茅野を助けに行った。
「二人とも大丈夫か?」
「う、うん、ありがとう」
「助かった~。ありがとね、泊君」
二人にお礼を言われると、俺は神崎の足元に落ちてた携帯に目を付け拾う。
「あっ……」
拾い上げると、神崎が短く声を上げた。
そこには、茶髪でアクセサリーをジャラジャラ付けた神崎の写真があった。
「これ………神崎か?」
「………うん。親が厳しくて、良い肩書きばかり求めて来るの。そんな肩書き生活から離れたくて、誰も私を知らない場所で遊んでたの。それが私がE組になった理由」
神崎は俯き言う。
「………そうか」
俺は携帯を操作し、画像を消すと、メモリーカードを取り出し、それも破壊する。
「過去なんかどうでもいいだろ。お前はベルトさんと同じ、俺の相棒だ。俺は気にしないし、大事なのは今だ」
「泊君………ありがとう」
神崎が笑ってそう言う。
「やっぱ、神崎には笑顔が似合うな」
そう言って立った瞬間、急に俺達の周りで爆発が起きた。
「うわっ!?」
「わあ!?」
「きゃあ!?」
「にゅや!?」
全員が様々な悲鳴を上げる。
すると不良の三人が立ち上がっていた。
そして、その三人はロイミュードの姿になり、その内一人は青で両手がハンマーの様に変化したロイミュードになった。
ロイミュードに変身すると同時に、どんよりが起き、全員の動きがゆっくりになる。
その中で動けるのは俺と神崎、そして殺せんせーだけだった。
「くそっ!」
俺は鞄からベルトさんを取り出し、腰に装着するとそのままロイミュード三体に攻撃をする。
「俺が相手だ!神崎、皆を頼む!」
そう言い、俺は三体を引き連れたまま、店の奥へと移動する。
奥の倉庫に移動し、俺はシフトスピードを取り出す。
「行くぞ!」
『START・YOUR・ENGINE!!DRIVE!!TYPE!!SPEED!!」
ドライブに変身したはいいが、相手は三体。
その内一体は、進化態。
俺の方が分が悪い。
「どうする、ベルトさん」
『こうなっては仕方がない。破壊は後回しにし、逃げることを考えろ。この状態での戦闘は危険だ』
「でも、コイツらを野放しには…………」
ハンドル剣を握りしめ、困っていると、急にエンジン音が聞こえて来た。
「なんだ?」
「なんだ、この音は!?」
ロイミュードたちの作戦ではないらしく、向うも困惑する。
すると、倉庫の壁をぶち破り、一台の白いバイクが乱入してくる。
白いバイクに乗ってる操縦者は、手に車輪が付いた様な銃を持ち、ロイミュードに向かって撃ち、俺の隣にバイクを止め、並ぶ。
「よぉ、ピンチかい?仮面ライダードライブ」
「………ア、アンタは?」
「自己紹介は後。まずはこっちが優先でしょ」
そう言うと、ソイツはヘルメットを脱ぎ、大きなバックルの様なものを取り出し、下腹部に当てると、ベルトが伸び、腰に装着される。
そして、白いバイクのオモチャのようなものを手に持ち、ベルトになったバックルの部分を持ち上げ、そこに入れる。
『まさか……それは!?』
ベルトさんが驚きの声を上げる。
《シグナルバイク!!》
「LET'S………変身!」
《ライダー!!マッハ!!》
その少年に白いアーマーが装着され、首にはマフラーがなびいていた。
「追跡!撲滅!いずれも………マッハ!」
「仮面ライダー…………マッハ!」
その少年、仮面ライダーマッハと名乗った少年は謎の爆発演出と共に、俺の助太刀として現れた。
ちなみに爆発演出はアメージング・サーカスがやってるってことで。