「唐突だが、転校生を紹介する。入れ」
修学旅行が終わった次の日、烏間先生に呼ばれて入って来たのは詩島だった。
「詩島隼人だ。ついこの間までアメリカにいた。趣味はカメラ。まぁ、よろしく頼むよ」
この間来ていた赤いラインの入った白いパーカーの上から制服の上着を羽織り、詩島は挨拶をした。
「ハヤ君!」
すると倉橋が詩島を見ると声を上げ、立ち上がった。
「よ、陽菜乃!久しぶり!」
詩島の奴、倉橋と知り合いなのか?
一時間目が終わると、詩島の周りには皆が集まった。
そして、質問の内容はと言うと、倉橋とはどういう関係なのか?だ。
「陽菜乃とは幼馴染だよ。俺は小学校四年の時にアメリカに引っ越しちまったし、会うのは五年ぶりかな」
「正確には四年と八ヶ月、二十七日だよ」
「………マジで?」
今の「マジで」は多分、細かく覚えてることに対する「マジで」だと思う。
「アハハ!冗談だよ!」
なんだ冗談か。
「本当は四年と七か月、十六日だよ」
「そっちかよ!」
思わず、詩島がツッコんだ。
その後、の授業では詩島は凄かった。
殺せんせーの出した数学の問題はいとも簡単に解き、英語ではビッチ先生ですら舌を巻く程流暢な英語を言い、全ての教科に置いてE組でもトップに、いや、この学園でトップに食い込むであろう学力を披露した。
昼休みになると俺は詩島の席に駆け寄る。
「詩島!ちょっと来てくれ!」
詩島の手を掴みそのまま校舎裏へと連れてく。
「なんだよ、佑一」
「なんだよじゃない!こっちは色々と追い付いてないんだよ!」
「カリカリしちゃって。カルシウム不足なんじゃないの?」
「そうじゃねぇよ!」
詩島の話に一々突っ込み、俺は一息つく。
「取り敢えず、いくつか質問させてくれ。お前は、俺と同じ仮面ライダーなのか?」
「そうだよ。仮面ライダーマッハ。新型エンジン・NEX-コア・ドライビアを中心としたネクストシステムを搭載した新型のドライバー。性能だけなら、ドライブより上だぜ」
ドライブよりも上の……………
「ちょっと無謀だったけど、アメリカでの訓練を早急に終わらせてこっちに来た。ま、これからよろしく頼むよ、佑一」
詩島は俺の肩をポンッと叩いて教室に戻ろうとする。
「あ、おい!詩島!」
「隼人でいいよ。俺はもう佑一って呼んでるし」
そう言い残し、詩島もとい隼人は教室へと戻っていく。
「アイツ………なんなんだ?」
『ネクストシステムは私の恩師であるハーレー・ヘンドリクソン博士が開発したもので、詩島隼人はそのネクストシステムを使うもう一人の仮面ライダーとして選ばれた人間だ』
「ベルトさん、どうしてそれを隠してたんだよ」
『いや、別に隠してるつもりはなかったんだ。ただ、私の予想より、早くネクストシステムが完成していたようで』
「それでも、そう言うのがあるってことぐらい教えてくれても良かったじゃないか」
シフトスピードを通して話して来るベルトさんにそう言い、俺は地面に寝転がる。
「仮面ライダーマッハ………か」
そう呟き、俺は急に襲って来た眠気に身を任せてしまし、そのまま眠ってしまった。
「………ん?寝ちまったか」
ポッケからスマホを取り出すと時刻は既に午後の授業が終わってる時間だった。
「やっべ。随分寝ちまったな…………」
体を起こして軽く伸びをすると、近くで誰かが横になってるのに気付いた。
横を見ると、神崎が何故か俺の隣で寝ていた。
「なんで神崎か?」
不思議に思ったが、このままにするわけにも行かなから体を揺すって起こす。
「おい、神崎」
「………ん?……あれ、泊君?」
「神崎、お前寝てたぞ。いつから此処に居るんだ?」
「えっと………お昼休みがもうすぐ終わりそうで……詩島君は戻ってきたけど泊君が戻ってこないから探しに行ったら、ここで寝てて………気持ちよさそうでつい寝ちゃった………」
神崎は恥ずかしそうに笑う。
「つまり、ミイラ取りがミイラになったってわけか」
俺はそう言って笑い立ち上がる。
「帰ろうぜ、神崎」
「うん」
教室に置きっぱなしの鞄を取りに行こうと立ち上がった瞬間、烏間先生が慌てた様子でやってくる。
「泊君!すぐに来てくれ!」
「え?」
烏間先生の尋常ではない焦り具合に、俺と神崎は驚きながらも烏間先生の後を追った。