ドライブに変身した俺は、ハートに拳を振った。
ボディに連続で拳を叩き込み、蹴りを打つ。
だが、ハートは効いてないのか平然と攻撃を受け続け、攻撃してくる。
「ふっ!」
「ぐあっ!?」
強い衝撃が体中をめぐり、吹き飛ばされる。
背中から地面に叩きつけられるも、何とか体を動かしシャドーを手に取る。
『タイヤコウカ――ン!MIDNIGHT!SHADOW!』
シャドーにタイヤを変え、手裏剣型のエネルギーを手に纏う。
「はっ!」
手裏剣を投げつけるも、ハートは全て素手で叩き落し、防ぐ。
「この程度が仮面ライダー!思ったより弱いじゃないか」
「へっ!そう思いたきゃ思ってろ!後悔させてやるからよ!」
今度は手裏剣を手に纏ったまま接近し、叩き付ける。
「はっ!せいっ!やっ!」
「ぬっ!くぅ!」
さすがに至近距離でぶつけられるのはキツイのか、ハートは呻き声をあげる。
「せやっ!」
そのまま、ありったけの力を込めて、蹴りを腹部に入れる。
「ぐおっ!?」
「今だ!」
『タイヤコウカ――ン!SPIN!MIXER!』
今度はスピンミキサーにタイヤ交換する。
そして、タイヤに付いた12門の射出口をハートへと向ける。
そこから、生コンクリートの塊が発射され、ハートに当たる。
「これは!?」
「特殊な生コンクリートだよ。簡単に動けねぇだろ」
ハートは下半身をコンクリートによって固められて動けない。
「終わりだ!」
タイヤをシフトスピードに変え、必殺技を放つ。
『ヒッサーツ!FULLTHROTTLE!SPEED!』
「はあっ!」
飛び蹴りをハートに向かって放ち、ハートに当たる。
そして、俺の背後で爆発が起きる。
「やったか!?」
『………ダメだ。アレではハートは倒せない………!』
「くっははははははは!」
爆炎の中からハートが笑い声とともに現れる。
「中々の威力だった。訂正しよう……半年前よりは幾らか強くはなったみたいだな。この力で………この世にたった108人しかいない、俺の友達を次々と…………!」
ハートの声から怒っているのよくわかる。
コイツ、本気で仲間のことを…………!
「お前は………決して許さん!」
その瞬間、ハートが赤く燃えだした。
そして、その巨体からは信じられないスピードで俺との距離を詰める。
「ふんっ!」
腹に拳が撃ち込まれる。
さっきのとは比較にならない重い一撃だった。
「ぐっ………なんなんだ………この一撃………!」
『半年前より明らかに強くなってる!?プロトドライブを倒した時よりも、遥かに………!』
「俺たちも日々成長する。人間を支配するために人間を学び、進化するのだ」
ハートはゆっくりと歩み寄り、拳を握る。
『奴がこんな力に覚醒していたとは…。まさにハート…心臓部の力だ!!』
「心臓部?」
『内燃機関の能力を、怒りの力で限界値以上に解放しているのだ!』
その言葉を聞き、俺はハートを見る。
見ると胸元には心臓の様な物が露出していた。
まさか…………
「終わりだ、仮面ライダー、クリム。デッドゾーンに突入してしまった以上、もう俺自身でも止められない………仮面ライダーは、二度死ぬ」
ハートの拳が俺に振り下ろされる。
その瞬間、俺はシフトスピードを外し、シフトテクニックを使った。
『タイヤコウカ――ン!DRIVE!!TYPE!!TECHNIC!!』
テクニックの力で、ハートの胸元の心臓をロックし、正確に掴む。
「ぐふっ!?」
「ハートって名前から考えれたが、やっぱりここが弱点か!」
そして、心臓部ってだけあってかなり熱い………!
今にも、オーバーヒートしちまいそうだ…………!
「くっ!舐めるな!」
ハートは心臓を掴まれているにも関わらず、俺の首に手を伸ばし掴んでくる。
息苦しく、おまけに喉は焼けそうなぐらい熱かった。
だが!
「アンタが燃え尽きる覚悟で俺を倒しに来るって言うなら、俺も覚悟を決める!このデッドヒートレース………最後まで付き合ってやる!」
「………ふっ!恐ろしい男だ………だが、面白い。クリム、いい奴を選んだな」
ハートは苦しそうにしながらも笑って言う。
『やめろ、佑一!死んでしまう!』
ベルトさんが声を上げる。
「……ごめん、ベルトさん。死なないって言ったけど、約束破りそうだ。でも、アンタだけは死なせない!」
俺はもう片方の手でベルトさんを掴む。
『佑一!何をするんだ!?』
「アンタさえ生きてれば、新しい誰かを次のドライブにできるはずだ!」
ハートの心臓をさらに強く握り、もう片方の手でベルトさんを強く握る。
ハートの心臓を破壊と同時に、ベルトさんを引き千切って捨てる。
そうすれば、ベルトさんが爆発に巻き込まれることはないはずだ。
「そこまでの覚悟で来るか。いいだろ……どちらの心が強いか勝負といこうか!!」
「望むところだ!!」
互いに心臓と、首を掴む手の力を強くする。
『やめろ佑一!よすんだ!やめろ!やめるんだーッ!!!』
「はああああああああああああっ!!」
「うおおおおおおおおおおおおっ!!」
一気に勝負を決めようとした。
その瞬間だった。
「ハートっ!?」
紫と黒のライダースーツ風のジャケットを身に纏った男、チェイスが現れた。
《Break up》
チェイスは魔進チェイサーになり、武器を構え、跳躍する。
「ふんっ!」
「ぐあっ!?」
殴り飛ばされ、ハートの心臓を離してしまう。
変身も解除された。
だが、同時にハートも俺の首から手を離す。
「止まれ!」
チェイスはハートの方に向き直り、俺同様、殴り飛ばす。
ハートは地面を転がり、苦しそうにもがくが、動かなくなる。
だが、死んでないのはわかる。
「くっ……お前……!」
「…………今のお前と戦っても意味などない。次に会う時、その時が俺とお前の決着の時だ」
チェイスはそう言い残し、人間態に戻ったハートを抱え、去って行った。
「…………あっ!つうっ!…………!?」
二人が去ったのと同時に、俺の体を激痛が襲った。
『佑一!しっかりしろ!佑一!』
ベルトさんが騒ぐ声が聞こえた。
そして、俺はベルトさんのその言葉を最後に、意識を失った。