「俺が……俺が、仮面ライダーだと……!」
「ええ。私は貴様なんぞ、早急に処分すべきと思ったんですが、ハートが、数少ない友だからと、貴方を助けたのです。私が記憶を改変し、ハートと001と共に、改造し、ロイミュードの番人、魔進チェイサーへとしたんです」
「そんな、俺は……俺は………ぐっ!?」
突然、チェイスは頭を抱え苦しみ出す。
そして、そのまま倒れ、動かなくなった。
「ダメージに加え、プロテクトしていた記憶が蘇り掛けた所為で、一時停止しましたか。ま、いいでしょう」
そう言ってブレンはチェイスを担ぐ。
「ここはひとまず退くとします」
「待て」
俺はドア銃をブレンの背中に向ける。
「チェイスを置いてけ」
「おや、何故です?」
「これ以上、チェイスのことを好き勝手弄らせてたまるか」
「ふっ……いいでしょう。相手になって差し上げます」
ブレンはチェイスを下すと、俺に向かって光弾を撃ってくる。
それを躱し、ドア銃で反撃する。
「隼人!手伝え!」
「………はぁ、あのロイミュードの為ってのが、気に食わねぇが、幹部クラスを倒せるってならいいか。ハッ!」
隼人もゼンリンシューターを使い、応戦する。
「ふっ!」
すると、ブレンは緑色の衝撃波を出し、俺と隼人は吹き飛ばされる。
「ぐあっ!」
「うおっ!」
「あまり、私を舐めないでくださいね」
ブレンはそう言い、俺の首を掴む。
「ぐっ……!何を……!」
「愚かで、哀れで、惨めな男……そんな仮面ライダーにご褒美をと思ってね。無謀にも、私を倒そうとしたんだですからね」
そう言ってブレンは、人差し指から緑色の液体を出し、俺に掛ける。
「うっ!があっ………!い、今のは………!」
「ただの毒を垂らしただけですよ。もっとも、仮面ライダーと言えども、助からないでしょうけどね」
よほど強力な毒なのか、体が全く動かない。
それだけでなく、息をするのも辛い………!
「くそっ!ここは一時撤退だな………!」
『シグナルバイク!シグナルコウカーン!カクサーン!』
隼人はシグナルバイクを交換し、上空に撃つ。
すると、上空に放たれた光弾が分裂し、地上に降り注ぐ。
「やれやれ、逃げられましたか。ま、いいでしょう。チェイスの回収は済んだことですし」
ブレンはそう言い地面に倒れるチェイスを見る。
「全く、こんな危険で、愚かで、仲間殺しだった奴など早々に処分すべきなのに、ハートは一体何を考えているのやら」
ブレンはそう愚痴りながらも、チェイスを抱えなおし、教会を後にした。
隼人の機転のお陰で、あの場を離脱した後、俺は隼人に連れられ、ドライブピットに連れてこられた。
「おい、しっかりしろ!佑一!」
「す、すまない……!」
壁にもたれながら床に座り込んだ俺は、変身を解除しようとシフトスピードに手を伸ばす。
『待つんだ!強化されたドライブの体でこの様だ!変身を解除したら、毒で一気に死んでしまう!』
「じゃあ、どうすれば……!」
そんな時、救急車に似たサイレンが聞こえ、俺たちの前に一台のシフトカーが現れる。
「このシフトカーは……?」
『マッドドクターだ!彼は本来、人間を救助する為のシフトカーだが、フルスロットルで使えば、ドライブの肉体も急速に回復できる』
「本当か。なら、頼むぞ。マッドドクター」
俺はマッドドクターを装備し、フルスロットルで使用する。
『タイヤコウカーン!!MAD!!DOCTOR!!ヒッサーツ!FULLTHROTTLE!!DOCTOR!!』
「うわぁぁあ!?痛ぇぇえ!!」
フルスロットルで使用した瞬間、俺の体をとてつもない痛みが襲った。
『言い忘れたが、マッドドクターの高速治療は死ぬほど痛いのが難点だ』
「えぇっ!?今、言うなよ!うわぁああ痛ぇええ!!痛い痛い!!」
「ゆ、佑一?だ、大丈夫か?」
「これが大丈夫に見えるかよ!あああああ!痛い痛い!イッテエエエエエエエエエ!!」
ドライブピットに、俺の絶叫が響いた。
廃教会とは違う、薄暗い隠れ家。
そこでブレンは動かないチェイスを指さし、ハートに言う。
「ハート。チェイスは人間に影響され、自分の使命すら見失った不良品です。処分を」
「なら…もう一度リセットしますわ。」
そう言ったのは、メディックだった
「無駄だ。こいつの記憶を消したのは私だ。なのに…。」
「だから私のやり方で消しますわ。ちょっと危ない方法で。いいでしょ?ハート様」
「………任せる」
ハートはそれだけ言うと、部屋を出て行った。
そして、メディックは邪悪な笑みを浮かべ、チェイスへと手を伸ばした。