暗殺教室~アサシン・ドライブ~   作:ほにゃー

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手入れされたカルマは何を思うのか

六時間目は小テストの時間だった。

 

俺は問題を解きながら、赤羽の様子を観察する。

 

アイツは数分でテストを終わらし、殺せんせーを見ている。

 

殺せんせーは先程のおちょくりが腹立ったのかさっきから触手を壁に叩き付けてる。

 

ちなみに、俺が今日この時間まで教室にずっといることに皆が驚いていた。

 

「よぉ、カルマ。あのバケモン怒らせて、どーなっても知らねーぞ」

 

「またおうちにこもってた方が良いんじゃな~い? 」

 

寺坂と村松が赤羽に絡んでいる。

 

「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん。寺坂、しくじってちびっちゃった誰かの時と違ってさ」

 

「なっ。ちびってねーよ! テメ喧嘩うってんのか!? 」

 

その言葉に殺せんせーが顔を赤くしながら怒る。

 

「こらそこ! うるさいですよ! 」

 

「ごめんごめん殺せんせー。俺もう終わったからジェラート食って静かにしてるわ」

 

「ダメですよ。授業中にそんなもの。どこで買って来て…………それ! 昨日イタリアで買った私のジェラートじゃないですかぁぁぁ!! 」

 

「ごめーん職員室で冷やしてあったからつい」

 

「ついじゃありあません。溶けないように寒い成層圏飛んできたのに!」

 

「で、どーすんの?殴る?」

 

「殴りません!残りを先生が舐めます!」

 

そう言いながら赤羽の席に近づくと、急に足の触手が溶ける。

 

赤羽の席の周りには対先生BB弾がばら撒かれていた。

 

「まーた、引っ掛かった」

 

そう言って赤羽は銃を抜き三発、殺せんせーに発砲。

 

弾は避けられたが………

 

「何度でもこういう手、使うよ。授業の邪魔とか関係ないし。それが嫌なら、俺でも親でも殺せば良い。だけど殺せんせー。その瞬間からあんたという「先生」は、俺に殺された事になる。ただの人殺しのモンスターさ」

 

ジェラートを殺せんせーの服に擦り付け、赤羽は獰猛な笑みを浮かべる。

 

「はいテスト。多分全問正解。じゃね~、先生。明日も遊ぼうね」

 

そう言い残し赤羽は教室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、教室は異様な空気になっていた。

 

「皆さん、おはようございます」

 

入って来た殺せんせーもその様子に気づく。

 

「おや?皆さん、どうしました?」

 

そして、教卓の上に、対先生ナイフが刺さった蛸を見つける。

 

「ごめーん。先生と間違えて刺しちゃった。捨てとくから持ってきてよ」

 

恐らく、赤羽は殺せんせーを今すぐ殺す気はない。

 

心からじわじわと殺し、そして、最後には肉体を殺す。

 

「……………分かりました」

 

殺せんせーは蛸を持ち上げ、赤羽に近づく。

 

そして、次の瞬間、マッハ20で移動し、触手をドリルへと変え、手にはミサイルを持っていた。

 

「見せて上げましょう。このドリル触手の威力と、自衛隊から奪ったミサイルの火力を」

 

ドリル触手を動かし、何を始める。

 

「先生は、暗殺者を決して無事では帰さない」

 

するといつの間にか、赤羽の口の中に出来立てのたこ焼きが放り込まれてた。

 

「熱ッ!!」

 

「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでたこ焼きを作りました。これを食べれば健康優良児に近づきます」

 

ミサイルの火力でたこ焼きを作るとか、普通有り得ない。

 

「先生は、手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を。今日一日本気で殺しに来るが良い。そのたびに先生は君を手入れする。放課後までに君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」

 

そこからは殆ど一方的だった。

 

授業中、背後から赤羽が撃とうとすると、触手で銃を取り上げ、ネイルアートを施し、家庭科では不破さんの班が失敗したスープを「作り直したら」っと言い、殺せんせーに向けて投げて斬り掛かっても、可愛らしいエプロンを着せられ、空中に捨てられたスープはスポイトで回収、更にひと手間加えたスープの味を良くした。

 

また授業中に背後からナイフを刺そうとしても、触手一本で動きを止められ、髪を手入れされていた。

 

放課後になり、赤羽は山の上にある広場にいた。

 

崖から突き出ている木に腰掛け爪を噛んでいる。

 

俺とベルトさんはその様子を、遠くから見ていた。

 

『悠一、何もこんな遠くから見てなくてもいいんじゃないか?』

 

「話したことも無い、俺がいたらおかしいだろ」

 

そう言いながら、俺とベルトさんは赤羽たちを見る

 

「カルマ君、焦らないで、みんなと一緒に殺っていこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったんだから一人じゃ絶対に殺せないよ。普通の先生じゃないんだから」

 

渚の慰めに、赤羽は反応しない。

 

「………やだね。俺が殺りたい。変なトコで死なれんのが一番ムカつくからさ」

 

そこで殺せんせーが現れ赤羽に声を掛ける

 

「………さてカルマくん。今日は沢山先生に手入れされましたね。まだまだ殺しに来て良いんですよ? もっとピカピカに磨いてあげます」

 

「…………確認するよ。殺せんせーって先生だよね? 先生って命かけて生徒守ってくれる? 」

 

赤羽の目……………アイツ、何かをやらかす気だ。

 

「もちろんです。先生ですから」

 

「そっか。良かった。なら殺せるよ………確実にね」

 

そう言うと同時に赤羽は崖から飛び降りた。

 

なんて無茶の行動だ。

 

殺せんせーマッハのスピードなら助けることは可能だ。

 

だが、人間の身体はマッハのスピードに耐えられない。

 

かと言って、ゆっくり助けたらその間に撃たれる

 

見殺しにすれば、先生として死に、助けに行けば自身が殺される。

 

自分の身を犠牲にした作戦。

 

無茶苦茶だ!

 

「ベルトさん!」

 

『やむを得ん!変身だ!』

 

ドライブになれば赤羽を助けれる。

 

変身しようとした瞬間、赤羽の脇を殺せんせーが通り、触手でネットを作り、赤羽はそのネットのような形状になった触手に落ちる。

 

「えっ……」

 

「カルマくん。自らを使った計算ずくの暗殺、お見事です。音速で助ければ君の肉体が耐えられず、かといってゆっくり助ければ撃たれる。ので先生。ちょっとネバネバして見ました」

 

何でもアリなのかよ、あの触手…………

 

「これでは撃てませんね。ヌルフフフフ………あぁそれと、見捨てるという選択肢は先生にない。いつでも信じて飛び降りて下さい」

 

殺せんせーの言葉を聞いて赤羽は苦笑した。

 

「平然と危険な事したよね。カルマくん」

 

「そう? 今のが思い付いた限りで一番殺せる作戦だったんだけど。しばらくは大人しく計画の練り直しかな」

 

渚と赤羽の会話を聞いて殺せんせーが手入れ用品を出しながら言う。

 

「おやぁ? もうネタ切れですか? 報復用手入れ道具はまだまだありますよ? 君も案外チョロいんですねぇ」

 

「………殺すよ。明日にでも」

 

そう言う赤羽の表情は何処か清々しいものだった。

 

「健康的で爽やかな殺意。もう手入れの必要は無さそうですね」

 

そう言って殺せんせーの顔に〇のマークが浮かぶ。

 

「帰ろうぜ、渚くん。帰りに飯でも食ってこーよ」

 

そう言って、赤羽が財布を取り出す。

 

「ちょ! それ先生の財布! 返しなさい! 」

 

「いいよー」

 

「中身抜かれてますけど!? 」

 

「はした金だから募金しちゃった」

 

「にゅや――!!! 不良偽善者めぇ! 」

 

そんな赤羽と殺せんせーの会話に渚は苦笑していた。

 

その時、急に体が重くなるのを感じた。

 

だが、シフトカーのお陰でその重さはすぐに消えた。

 

「これはどんより!ロイミュードか!」

 

「渚君!カルマ君!大丈夫ですか!」

 

見ると、殺せんせーは普通に動けていた。

 

マッハ20のスピードを出せる殺せんせーならこの程度のどんよりは平気みたいだ。

 

だが、今の殺せんせーなら簡単に殺されるだろう。

 

すると、殺せんせーたちに近づくロイミュードがいた。

 

だが、その姿はこの前の蝙蝠みたいなのとは違い、手にはかぎ爪みたいなのがあり、全体的に黒い色をした者だった。

 

『あれは進化体だ!』

 

「進化体?」

 

『人間の欲望を吸収することで覚醒に至る強化形態だ!あれは通常のロイミュードより、広範囲に重加速を出せるだけでなく、固有の能力もある!』

 

「どっちにしろ倒さないといけないんだろ!」

 

『待て!まだ彼等とあの生物が居る!ここで変身するのはダメだ!ドライブの存在を知られては』

 

「そんなこと言ってる場合か!」

 

そう言って俺は走り出す。

 

「この野郎!」

 

俺はかぎ爪のロイミュードに体当たりし、蹴りを入れる。

 

「ぐえっ!」

 

すると辺り一帯のどんよりが消え、皆が動き出す。

 

「殺せんせー!早く二人を!」

 

「泊君!」

 

「こいつは俺が引き付けます!」

 

「ダメです!危険過ぎます!」

 

殺せんせーがそう叫ぶと、急に何かが俺の足を掴んだ。

 

それはかぎ爪のロイミュードだった。

 

ロイミュードはそのまま俺の足を引っ張り、崖下へ俺ごと一緒に落ちた。

 

「泊君!」

 

殺せんせーが叫ぶ声が聞こえた。

 

俺は崖下の道路に落ちる寸前、咄嗟にロイミュードを下にし、ダメージを食らわない様にした。

 

すぐさま起き上がり、ロイミュードから距離を取る。

 

「ベルトさん、ここなら変身できるだろ」

 

『まさかそのために生身で突撃したのか!?』

 

「そうしないと、三人から離れられないだろ」

 

『なんていう無謀なことを……』

 

「さぁ、行くぜ、ベルトさん!」

 

イグニッションキーを回し、シフトレバーをシフトブレスに装着する。

 

『分かった……START・YOUR・ENGINE!!!!!』

 

「変身!」

 

『DRIVE!!!TYPE!!!SPEED!!!』

 

その声と共に俺は赤い仮面の戦士。

 

仮面ライダードライブになった。

 

「ぐっ、貴様が仮面ライダードライブか……!」

 

「ロイミュード側にも俺の事を知られてるみたいだな」

 

俺は拳を鳴らしながら、ロイミュードを見据える。

 

「来いよ、ロイミュード。ひとっ走り、付き合えよ!」

 

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