次の天地無用!魎皇鬼第4期は、西南君も出るようですね~。
説明だけで、今回は終わっちゃうんでしょうか・・・?
まあ、来年1月か3月のGXP続刊を乞うご期待!ってことなんでしょうねぇ。
天地君の顔もなぜか厳しい顔だったりする。うぐぐ、非常に、たかが二階へ行くだけなのに足が重く感じる。そうは言っても、数万光年を旅するわけでも無く、階段上がって、右手のふすまを開けると、宴会の用意は出来ていて、何人かすでに座っている。あれ、そのうちの1人2人は知った顔だった。50代~60代に見える人が2名、あと髪の長い、ちょっと内気っぽく見える人が1名いる。
「時間は早いがみんなそろっておるから、始めるかの。」
まずはここにお座りください、と天地君に言われたところに正座する。ちょうど宴会の場所と対面するようになる。
「ただいまより、正木紳士会の定例会を始めます。」
柾木天地君の宣言で、紳士会が始まった。天地君はつづいて、議題の提案を行う。僕の紳士会入りの提案である。母親が、正木の村の出身で現在は西美那魅町金光地区に居住し、父親の姓を名乗っていたこと、柾木・水穂さんとの結婚を機に、養子縁組等の経緯が説明された。次いで、簡単に挨拶が求められる。
「ただいまご紹介にあずかりました、旧姓田本一樹こと、柾木・一樹・樹雷です。どうぞよろしくお願い申し上げます。」
そう言い、深々と頭を下げた。天地君が、ただいまの提案議題について異議のある方は挙手を、との言葉、そして勝仁様の
「異議はないようじゃの、正木紳士会会長、柾木勝仁の名において正木紳士会入会を承認する。」
会員の皆さんの、承認の拍手をいただき、晴れて紳士会入りが果たせたようだった。
「正木の村は、女性が強くてねぇ~。もっと早くに、この会に入ってほしかったものだが、確か、もともと西美那魅町役場にお勤めだったんだよね。」
なんどか、役場に来られたような覚えのある方が声をかけてくれる。なんだか微妙にホッとしたりする。天地君が、今度はここへどうぞと、天地君の隣の席に呼んでくれた。
「ええ。昨年の今頃、仕事で柾木神社を訪ねたことがきっかけです。それまで役場では、天地君ともあまり接点はなかったんですよ。女性は・・・、ううう、強いですよねぇ」
そう言うと、どっと笑いが出る。若干自嘲気味に聞こえてきたりもする。
「天地君からいちおう、話は聞いているけど、なんだかとてもややこしいらしいねえ。」あはははは、と頬を引きつらせて笑いながら、銀ネコとイツキに現れてもらった。
「・・・皇家の船達です。」
ほお~。と出席者の皆さんから声が上がっている。銀ネコの柚樹さんに至っては、となりの正木伯嶺さんかな?、に喉を撫でてもらってゴロゴロ言ってたりする。
「忘れてました、乾杯しましょう!。」
天地君の音頭で、乾杯して宴会が始まった。目の前には、持ち帰れるようなパック膳(プラスティックケースの蓋付きちょっと豪華なお弁当)があって、それだけでとても嬉しかったりする。それだけでは無くて、お吸い物や唐揚げ、酢豚(パイナップル入り)、箸休めの果物(桃か)、白とヨモギ色のお団子などが並んでいる。これだけでもうテンション上がりまくりである。だって、一年ぶりだもの。
「うふふ~うふふ~」
と声まで出してしまって、パック膳の蓋をパック膳の下に敷き、付いてきていた紙製の手拭きで手を拭いた。
「・・・なんだかすっごい嬉しそうですけど。」
天地君が少し引いている。
「だって、一年ぶりだよ、こんなお弁当。あ、山田商店のお箸だ。おばちゃん元気かなぁ。それに昨日まで、もの凄い会議に引っ張り出されてたし・・・。あ、そうだ、会費は?」
ひくっと勝仁様の頬が引きつっている。ま、トップシークレットだわな。
「いただきます。・・・あ、美味しい。瀬戸内の鯛かなぁ、このお刺身。なんて香りが良いんだろうこのハマチ。」
周りの正木紳士会の参加者が、だまって、ビールも飲まずにこっちを見ている。会費は後ほど徴収します、と天地君が教えてくれた。
「皇家になっちゃった人だと言うから、どんな人が来るのかと思ったら・・・。」
そう言って、まあ、一杯と国産有名銘柄のビール瓶を持って勧めてくれる。ビールの本場の国の人に言わせると、まあ、ビールらしくないそうだが僕は慣れ親しんだこのビールは好きである。飲み過ぎるとドロ酔するけどね。
「すみません、こちらが注ぐべきなのに。ありがとうございます。」
グッと空ける紙コップのビール。
「樹雷皇家の生活は慣れたかの。」
勝仁様が、ポツリとそう聞いた。
「・・・はい。まあ慣れはしましたが。この前は、死にかけて、水穂さんや阿知花さん、謙吾さんに籐吾さん、・・・泣かせちゃいました。」
とても勝仁様と目を合わせられない、と思ったけど、思い直して口の中の物を急いで飲み込んで勝仁様をまっすぐ見て言った。
「詳細は、瀬戸殿から聞いておるが・・・。」
勝仁様は、そう言ってビールを飲み干す。そしてとっくりを持って僕にお酒を注いでくれた。一口飲んで、僕も勝仁様に注ぎ返す。
「あ、そうそう、父は今日は仕事で来られないと言ってました。」
天地君が、突然そんなことを言った。しかし場の雰囲気は変わらない。
「つらかったら、この地に帰ってきても・・・。」
勝仁様や、他の方がそう言いかける。
「正直、つらいです。でも、それ以上に面白いです。この銀河系から飛び出せそうですし。・・・あ、でも飛び出しちゃうと、こんなの食べに帰って来られないなぁ。」
お箸でお弁当に入っている、ぶりの照り焼きを口に放り込む。
「こりゃぁ、水穂さんも大変だ。」
ビール瓶の口が、僕の紙コップに殺到する。
いえいえ、どうもすみません。ありがとうございます。などと言って、見事にお酒とビールをチャンポンで飲んでしまう。以前なら足腰立たなくなる泥酔モードへのカウントダウンが始まっていたが、今は全くそんなことが無い。
「そう言えば、正木紳士会会長は、柾木勝仁様ですよね。淑女会の会長って?」
横で、天地君が、おちょこを倒している。うわ、ごめんなさい、と手拭きを集めて拭いている。
「そりゃ、天女ちゃんだねぇ。天地君のお姉さんの。」
机の向こうに座っている、正木紳士会の参加者の1人がそう言う。正木晴義(はるよし)さんと言ったけか。以前はGPに居たらしい方である。
「え、天地君、お姉さんいたの?」
「あ、ええ、まあ。珀嶺さんとGPでアイリさんの下で研究員してます。あとで会えると思います。」
右手人差し指であごをカキカキしながら、天地君はそう言った。なぜか微妙に慌てている。珀嶺さんもビールを一気に飲もうとして、喉に詰まらせてむせている。あれ炭酸だから苦しいんだよなぁ。
「なにか、深い深い事情がありそうですけど・・・。」
正木晴義さんのとなりに座っている、正木誠司(せいじ)さんが大きく頷いている。
「そうそう、深い深い事情があるんだよ。」
うおっほん、と勝仁様の咳払いが響く。ま、とりあえず、雰囲気を変えなくては。
「あ、この唐揚げ美味しいですね。へえ、今日さばいた鶏なんですか?良くある鳥臭さがないですね、なんかすげーです。このカリッと揚がった皮も美味い。」
「そうだろう、なんてったってうちは放し飼いだからな。肉が締まってるだろ。香川の一鶴(いっかく:有名焼き鳥チェーン)にも出荷してるんだぜ。」
そりゃスゴイですね。いくつか分けてもらおうかなぁ。ぷれみあむだからすぐには無理だなぁ。わはははは、と乾いた笑いが部屋に広がった。
「そう言えば、田本さんは・・・、う~ん、柾木・一樹・樹雷様って言うのも・・・。」
晴義さんと誠司さんが顔を見合わせて、困っている。
「あ、すみません。この場はかずきさんで良いです。」
「じゃあ、かずきさん、子どもさんはまだかな?」
お、きたきた田舎で多い子どもはまだか攻撃。ひくくっとこめかみが引きつるのが自分でも分かる。
「ええ~っと、子どもみたいな・・・、子はいるんですが・・・実子という意味ならまだです。」
結局お兄ちゃん認定してくれていないので、やはり子どもでしょうね、ラノちゃんの場合。
「さっき、玄関先で会った子どもさんだろう?ちょうど砂沙美様くらいか、ちょっとお小さいくらいに見えたけど・・・。」
そう~っと、天地君と勝仁様を見ると、かすかに頷いているように見えた。
「え~、一年前になるのですが・・・。」
金光地区に埋もれていたシードを行った文明の宇宙船を発掘、そのコンピューターを起動し、生命創造システムから生まれた子なんです・・・、と一気に説明した。
「その証と、その時のエネルギージェネレーターが、この宝玉で。」
左手の甲の宝玉を見せて、手のひらを返すと、青く浮かび上がる銀河間航行システムの封印解除コード。
「・・・とっぷ・しーくれっとでお願いします。」
にっこり笑ってみた。
「なるほど、樹雷闘士が2人も護衛に就いているわけだ。」
2人とも恋人なんです、なんて言えないなこの雰囲気じゃ。
「1人は、今の姿の天木日亜さんのかつての友達でしたっけ?」
そこで、またそっちに話を振るか?的な目で天地君を見る。こめかみから、つつっと汗を流し視線を泳がせる天地君だった。
「ええっと、もともとはこのカッコだったんですけど・・・、」
スッと田本一樹さんの姿に変わって、すぐにさっきまでの格好に戻る。
「・・・いろいろあって柚樹が保持していた天木日亜さんのアストラルコピーと融合しています。」
ええい、もうやけくそだ。
「さらにいろいろあって、先代樹雷王天木辣按様のアストラルコピーとも融合しちゃいました。」
くくっと視線が高くなる。左右の手首に木目の封印腕輪が現れる。誠司さんが持ってるおちょこがカタカタと揺れていた。2人とも目は見開いていたりする。正木珀嶺さんはなんとなく知っていたのか、頬をヒクヒクさせながら酢豚を頬張っていた。
「まあ、なんて言うか・・・、水穂さんに良いお婿さんが来れば良いのにねぇ、なんて言ってたのが・・・。」
「無責任に言ってたんだなぁって思いますね・・・。」
どんな意味じゃい!と返したくなるのをグッとこらえる。
「霧恋ちゃんも気の毒な役回りだなぁって思ってたけど、水穂ちゃんも・・・。」
「・・・本人は、おおむね、それなりに・・・楽しそうじゃがの。」
勝仁さんは、徳利から手酌でお酒を注いでくっと空ける。
「アイリさんの娘ってことなんでしょうね~。」
珀嶺さんがぼそっとそう言った。
「あのGBSで、派手に放送されてたのって、この人?」
うんうん、と誠司さんの疑問で無言で頷き、答える皆様。
「実は、数時間前に銀河間代表者会議に瀬戸様達と出てて、その帰りにまた巻き込まれまして、鷲羽ちゃん頼って地球圏に逃げ込みました。まだ未解決案件ですけど。」
「なんだか俺、昔の職場、GP辺境パトロール部隊に居るような気になってきた。」
「俺なんか、GP輸送部隊護衛艦の時の記憶が甦ってきた・・・。」
いやな記憶なのか、それとも懐かしいのか複雑な表情のふたり。
「あ~~、ごめんなさい。とりあえず報告はそれぐらいですし、お酒はまだありますし。ささ、もう一杯。」
慌てて、2人にお酒を注ぐ。
「・・・もう、役場職員の雰囲気は微塵もありませんね。」
やれやれと言わんばかりに、ため息がちにそう言う天地君である。
「あ、そうだ、忘れてました。樹雷皇阿主沙様から書簡を預かっております。遥照様に直接渡してくれと。」
梅皇に頼んで、来賓祝辞のように折りたたまれた、和紙に見える紙を転送してもらい、柾木勝仁様に両手で手渡した。ちょっとビクッとしてから、眼鏡をかけた若々しい遥照様の姿に戻り、勝仁様は書簡を受け取った。
かさりぱさりと紙ずれの音が、静まり返った柾木家の二階和室に響く。外側の無地の紙を開き、その中に折りたたまれ入っていた書簡をぱららっと開く。間髪入れずに、ずしゃっと遥照様は突っ伏した。ヒクヒクと両手で持った書簡が細かく揺れている。それには、
「はよ、かえってこい!」
黒墨でそう書かれていた。横に、船穂様と美沙樹様の小さな似顔絵付き、水墨画で、である。しかも角が生えて牙が見えるところは怒ってるんでしょうね、これは。さらにその横に樹雷皇阿主沙様の朱印付き。
「父上も、母上も・・・。」
「・・・柾木家の、深い深い闇と謎をここに見たような気がしました。」
「自分のことを棚に上げて、よく言いますね。」
ジト目で天地君がそう言う。
「あー、でもいろいろあって、さっき地球に帰ってきて、ホッとしてるのはホントです。このパック膳なんかもの凄く嬉しい。久しぶりの山田商店の味に感動しています。」
「星をも救う樹雷皇族が、パック膳と唐揚げと、酢豚に感動している図・・・。写メって良いですか?」
珀嶺さんがそう言って、こりゃ、と正木晴義さんに殴られていた。
「水穂さんに、正拳突きでスマホたたき割られますよ・・・。」
ぷぷっと天地君が笑う。勝仁様もさっきのショックから立ち直ったみたいで、またお酒を注ごうとしていた。こりゃいかんと、お酌する。そんなわけで、お酒を飲みながら、正木淑女会に対して正木紳士会が弱体なのをどうするか、次回の例会はいつやるか、あっちにふらふらこっちにふらふら話題はぶれつつ、まあ、2時間程度で閉会した。晴義さんと誠司さん、珀嶺さんは、金光駅前の晴義さん行きつけの飲み屋に繰り出すようである。う、むっちゃ、一緒に行きたい。けど、水穂さんや阿知花さんに怒られる方が怖いのでぐっと我慢した。その後は、男性陣下の階で待っていた人たちに合流して飲み会開始。恒例らしいけど、女性陣は、お酒と徳利、簡単なつまみを持って女湯へ集合していた。湯船におぼん浮かべてきゅっと一杯、美味いだろうなぁ。
とりあえず、食べ残したパック膳もって、1階のいつものリビングに座った。ニコニコしながらパック膳を開けてまた食べる。なんだか妙にいとおしい。
「もう一個いかがですか?淑女会で余ったんですけど。」
ノイケさんのさわやかな問いに、うん!、とキラキラおめめで言ってしまって、後悔した。謙吾さんと、籐吾さんの視線が痛い。
「しっかし、そう言うの好きですね~。」
呆れた、と言わんばかりの顔の謙吾さんだった。
「だって、この土地の取れたて新鮮な食材のお弁当だよ。まあ、樹雷やGPのハイテクにはかなわないけどさ。」
は?ハイテクって何?そう2人に問われた。キッチンから料理やお酒を持ってきた天地君が、めざとく死語の世界ですね!と突っ込んできた。ええとね、この日本の造語で、ハイ(高い、高度な)テクノロジーの略で、と言ってると、2次会の準備が整った。
「おっさん、ナウいとか口走ってしまいそうだわ・・・。」
「あ~、はいはい。とりあえず、皆さんお疲れ様。乾杯!」
さららっと天地君が始めてしまった。うん、美味しい。酔わないけど。そこに、ちょうど話が終わったらしい瀬戸様に鷲羽ちゃん、平田兼光さんに夷隈教授がリビングに入ってきた。
「あんら、男所帯ね。砂沙美やノイケは?」
「みんな、徳利とつまみ持ってお風呂に行きましたよ。」
そう、ラノちゃんや砂沙美ちゃんノイケさん、水穂さんに阿知花さんもお風呂に行ったらしい。阿重霞さんに魎呼さんも一緒に行った。ちらっと見えたのに、あまり見たことない女性も2人居た。1人は、銀毛に近い長い白髪を後ろで束ねた女性。もう1人は眼鏡をかけた理知的なイメージの女性。
「よ~し、私も、何か作るわ!。」
そう言ったと同時に、天木蘭さんが割烹着姿で転送されてきた。もちろん瀬戸様用のも持って。あれよあれよという間に天木蘭さんとキッチンに立つ瀬戸様。
「さすが、砂沙美とノイケね。樹雷収納術の極意を実践しているわ。え~と、材料は・・・。あら、美味しそうなナスビにキュウリ、このゴツゴツした野菜は・・・、ゴーヤとか言ってた苦みが強い野菜ね。うん、決まった。それじゃあ蘭ちゃん。」
そう言うと、めまぐるしく2人が動き出した。酔った目では追えない位速い。もともとノイケさんと砂沙美ちゃんが準備していた大皿の料理に加え、ゴーヤのきんぴら、ナスの味噌炒め、焼きなす、キュウリの酢の物(シラス&わかめ入り)がものの数分で並んだ。
「・・・水穂さんや阿知花さん、菊乃さんに申し訳ないけど、瀬戸様って、超弩級の奥様ですね~。」