文章で表現できるのでしょうか・・・。
でも木の葉の里の、一楽でラーメン食ってみたいし、焼き肉Qで久しぶりに集まった猪鹿蝶のみんなの話に聞き耳を立ててみたい!
どんなに偽装しても、不可視フィールド張っても、白眼なヒナタ奥様にはみやぶられるんだろうなぁとか(^^;;;。
「なんだか里の方が騒がしいので来てみれば・・・」
なんて、カカシ先生に言ってもらいたいし。
樹雷領宙とダルマーギルド領宙の境目に突如として発見された、火の国や他の国がある惑星・・・。
樹雷やGP、世二我にしてみれば喉から手が出るほど欲しい星でしょうね、きっと(^^)。
「それじゃ、お礼と言うことで握手しましょう。」
そう言って、僕は右手を差し出した。神木祥瑞はおずおずと右手を出して僕の右手を握った。ゆっくりとエネルギーを受け渡す。肌の色艶が良くなり、かがんでいた腰もしゃんと伸び、柚樹に捕まったあの頃とは言えないが、壮年と言えるような歳に見えるまでになった。
「柾木・一樹・樹雷様は、私にまだ生きろとおっしゃるのですか・・・。」
「・・・わたしは、天木日亜や先代樹雷皇の記憶を持つとは言え、基本的には辺境の40代のおっさんです。この樹雷の生き字引と言われるほどになったあなたの知識や経験は膨大でしょう。そうそう、地球に良い言葉があります。お年寄りが1人死ぬと言うことは、博物館がひとつなくなるのと同じこと、と言われています。樹雷やGPには非常に高度な情報処理システムがあるとは言え、人の知識には勝てないと思うのです。」
そう言って、ニッと笑ってみた。
「そうね。いまだに、皇家の樹はもちろんのこと、津名魅様のお考えは計り知れないものもあるのよ。その津名魅様だけれど、三命の頂神と呼ばれているのは知っているわね。」
結構さらっとトップシークレットの内容を口にされる瀬戸様だった。一瞬慌てた表情をして口を開きかけるが、あきらめ顔にすぐに変わる平田兼光様が面白い。僕らは、割と平然と頷くが、神木祥瑞は驚き、硬直していた。
「神木・瀬戸・樹雷様もお人が悪い・・・。私どもなどのような者は、何も知らぬ方が良いこともございます。」
「あら、これから、銀河間の調整をする船に乗ってもらおうと思っているの。神木の者なら光栄なことよね。あなたの経験をここで終わらせるわけにはいかないわ。それに、あなたが行きたがってた星にも行ってもらおうと思ってるし。本来の名前は大筒木だったっけ?」
「はぁ、確かに私は孤児で、唯一その名前が書かれた木札を持っておりましたが・・・。そうです・・・、樹雷からの辺境定期輸送船の事故現場で、すでに亡くなられた神木の旦那様に拾われ、今では瀬戸様のお身内、神木に迎えていただきましたが・・・。そのような船などに・・・。」
神木祥瑞老人は、理解不能と声には出さずとも、その目と表情が物語っていた。
瀬戸様お得意の例の爬虫類の目をした顔である。正直怖い。取って食われそうな恐怖感が背筋を走る。せっかく顔立ちは美しい方なのに、こうやって他人を手玉に取るというか、手のひらの上でうまく踊らせるというか、そういうところが、控えめに言っても敬遠されている理由である。
「私が行きたいのは山々だけど、ねぇ・・・。残念だけど、まだまだ樹雷にいて目を光らせていないと困ることも多いのよ。」
こちらを流し目で見ている。さらにぞわぞわと得体の知れない怖気が走る。水穂さんは瀬戸様を見ているが、その目は他のことを考えている目だったりするし、他のみんなはなるべく視線を合わせないように視線をさまよわせている。自分が行くと言い出さなかったことに、安心したのかどことなくホッとした表情の平田兼光様だったりもする。
「私からは逃げおおせたようだけど、自分でまいちゃった種だし、樹雷のために頑張ってくれるわよ、・・・ねえ、柾木・一樹・樹雷殿。」
有無を言わせぬ迫力だった。ここは素直に、水鏡で一緒にお酒飲んで、そうか!酔いつぶしちゃえば良かったんだ、と今気がついても後の祭り。こちらを射貫くように見ている瀬戸様の顔は、口が耳までつり上がっているように見えた。昔読んだ某恐怖漫画の蛇を思い起こさせる顔だった。
「まあ、よく分からない莫大な生命エネルギー波を銀河を越えて放ったのは、確かにうちの旦那様ですし、しょうが無いですわね。」
若干、語尾が強めの水穂さんだった。はいはい僕の独断専行ですよ。どうせどうせ。墓地の隅っこに行って木の枝でつっついていじけようかと思ったけど、余計に瀬戸様にいじられそうなので無表情を装った。
「・・・瀬戸様も、さらにお美しくなったことですし・・・。」
平田兼光様が、グッと苦虫をかみつぶしたような表情をする。あえて、瀬戸様地雷を踏んでみた。瀬戸被害者の会は、・・・助けてくれないだろうなぁ。
「あんら、言うようになったじゃない。ますます水鏡に幽閉したくなったわ。水穂ちゃんや阿知花ちゃんのより具合が良かったりしたらどうするのかしらねぇ・・・。」
ぼぼむ!と何かの爆弾がはじけたような真っ赤な顔の2人プラス、謙吾と籐吾。行ってる声音は至極上品だが、内容は、見事に18禁である。会話において行かれた、神木祥瑞は、口をあんぐり開けて硬直したままである。
「ま、その辺はおいおい確かめさせて戴くとして。もう一度、神木祥瑞殿お手を拝借。」
さらっとこちらも凄いこと言って、神木祥瑞さんの左手をこちらの左手で握る。そのまま例によってもう一回エネルギー放出。壮年の姿の神木祥瑞は、見た目は謙吾や籐吾と変わらなくなった。天木日亜の記憶が、そうそう、この顔で合点がいったと言った。背も少し謙吾よりも低いくらい。お、結構イケメンじゃん。
「ふふふ、楽しみだ~ね。」
ぽろっと本音が出てしまった。謙吾と籐吾が、敵意むき出しの表情で神木祥瑞を威嚇している。
「・・・またさらに、そこのお二人の視線が怖くなったのですが、いったい何を・・・。」
阿知花さんが、ハイどうぞと小さな手鏡を渡している。どこから取り出したのか分からないが。その手鏡を見ているうちに、若作りのお年寄り、と言った雰囲気がどんどん時間をさかのぼるように変わっていく。
「うちの司令官は、僕(私)のものだからね!」
こっちも本音かい。そう言った後、二人して牽制し合ってるのも何故だろう。
「何の魔法でしょうか・・・。樹雷の延命施術を受けても、すでに私は長く生きすぎていて、お迎えがもう来るか、それとも明日かと思っておりましたのに・・・。」
両の手のひらをじっと見て、握ったり、開いたりしながらこちらに視線を向ける神木祥瑞だった。
「なにやらあなたには過去からのご事情がありそうだ。その辺を瀬戸様はお考えに入れられて今日もここに来られたんだと思います。どうか僕と一緒に来ていただけませんか?」
いちおう、意地悪おばばのイメージのままではよろしくないだろうと、瀬戸様を持ち上げておく。
「察しが良いわね、一樹殿・・・。実は、ちょっと困ったことが起こっていてね。」
この瀬戸様が、ちょっと困ったこととは言っても、財布を落としただの、庭木の剪定がうまくいかないだのといったレベルの話ではないだろう。今までの経験から考えても。すでに水穂さんは目尻がひくついている。こういう顔をするときは、だいたい高速で頭を使っているときだ。瀬戸様の言葉に自らの情報網を駆使し、何を言われても樹雷皇の孫たる尊厳を失わないために様々な策を考えている、と思う。さすがに僕は人の思考は読めない。
「すでに、樹雷最高情報政策部門の者を集めた会議を開いてはいるのだけれど・・・。対応をどうするか困ってるのよ。少し急ぐこともあって、祝賀会はこのままお開きになるわ。そうね、お墓参りの後でいいわ。15:00に阿主沙ちゃんの執務室に来てくれるかしら。」
やっぱり・・・。以前と同じパターンである。とにかく、初代樹雷皇のお墓に参って、歴代樹雷皇のお墓にも手を合わせた。先代樹雷皇のお墓もと僕は思うが、僕の中の辣按様の記憶がなんとなく拒否している。その辺は、もしかしたら梅皇の意向もあるかもしれないので、水穂さん達に不思議な顔をされながらスルーした。すでにお墓の外にもGBSの面々などマスコミ関連の者もいなくなっていた。すぐに梅皇に転送を命じ、みんなで梅皇に帰る。そのまま正装して、天樹前で神木祥瑞と待ち合わせた。神木祥瑞は時間前にすでに着いていて、所在なげに立っている。
「すみません。遅くなりました。」
とっさにそう言ってしまう。大まじめにものすごく驚く神木祥瑞だった。
「もお、あなたの方が皇族なんですから・・・。」
水穂さんの助け船が心地よい。
「いやはや、ずっと年上だし・・・。気後れしちゃいますって。」
「この人、こんなだから気を遣うことなんて無いんですよ。雨木の例の星の残存調査団も結局、梅皇に住むことになったし。」
阿知花さんのフォローに神木祥瑞は、少しホッとした表情になった。そうだった。雨木の残存調査団、行くところがないようなこと言ってたから、梅皇に町を作って住めば良いと言ってしまったんだった。いきなり、数百人の町ができることになる。その辺時間加速フィールドもあるし、最悪でも数日中には町の形になると思う。もしかして、そうなると簡単でも行政府とか、警察機構とか必要になるんじゃ・・・。そう思って水穂さんに小声で聞くと、対応済みですわ、と一言で言われた。ありがとう、とちょっと手を握って力を込めると顔を赤らめる水穂さんだった。やっぱりかわいい・・・。
「本当に私どもなどが、あなた様の船に乗って良いのかいまだに信じられません。墓守で毎日、静かに歴代樹雷皇の墓を掃き清めるのが日課だった者ですから。」
「ここへ来る前に、神木祥瑞殿のプロフィールや今までのご活躍のことなどを見せていただきました。こちらこそ、皇家入りの言葉が周りから上がっていながらどうして?と言う心持ちです。」
神木祥瑞は1度、目を伏せ、またこちらを見て静かに口を開く。結構、と言うかかなり樹雷に貢献してきた人物だった。控えめに言っても墓守は、大まじめにまずい待遇である。
「なぜなのでしょうかね。私は、以前から静かな生活が本当に好きでした。遙かな過去、私の幼少の頃でしょうか。わずかに残っている記憶に、神々のような格好の人々が相争い、殺し合うような光景があります。もしかするとそれは、私が抱えていたというこの木板と関係があることかもしれませんが・・・。天木日亜様の船に乗りたかったのは、私が拾われた宙域近くを探査すると伺ったからなのです。それを聞いてしまったら、いても立ってもいられず、わずかな蓄えしかなかったあの頃ですが、できる限りの装備を整え、柚樹様に密航した次第です。」
神木祥瑞が懐から取り出した、古びて角が丸くなり黒ずんだ木の板には、大筒木と書いてあるのが読めた。
「一樹様、もうそろそろ瀬戸様とお約束のお時間ですわ。」
茉莉さんが、つい、とメガネを右手であげながらそう言ってくれた。
「わかった。積もる話は、また梅皇でしよう。それじゃ、梅皇、転送を頼む。」
グリーンの光るカーテンに囲まれ、そして転送されたところは樹雷皇阿主沙様の執務室に行く長い廊下。100m位だろう向こうに女官さんが2名立っている。そこに向け、速くも遅くもない速度で歩いて行く。女官さんたちに一礼され、執務室だろう大きな扉が開いた。いつものように執務机に座った阿主沙様の両脇に船穂様、美砂樹様が立ち、机の前に両手を前で組みそろえ瀬戸様が立っていた。
「すみません、お待たせいたしました。」
時間にはまだ5分程度あるが、決まり文句だろう。本当に待たせたかもしれないし。
「・・・ふむ、早かったな。一樹殿には申し訳ないのだが、祝賀会を本来ならあと二日は続けねばならないのだが、ちと、・・・困ったことが起きてな・・・。」
祝賀会の方は、さすがにものすごすぎてちょっとついて行けないな、とか思ってた矢先なので好都合だったりする。樹雷皇阿主沙様の歯切れが悪いのが気になる。また難問だろうか。樹雷皇阿主沙様は、目を閉じ口をへの字に曲げ、何か考えているようだった。
「阿主沙ちゃん、あれを見てもらった方が早いわ。」
うむ。と珍しく瀬戸様の言葉に素直にうなずく阿主沙様だった。美砂樹様が、スッと小さく手を上げる。部屋に控えていた女官さんが、自らの腕輪をタブレットに変え、なにやら操作した。すると私たちの前、瀬戸様が立ち、阿主沙様が座る執務机の前に立体映像が浮かび上がった。地球型の惑星を思わせる、白い雲の間に青い水や木々の緑、土の色が見える星が映し出された。割とこの銀河系には多い地球型の惑星だろう。人工衛星からの視点だろうか。青い惑星の弧が黒い宇宙を切り取っていた。
ほんの数秒後、その白い雲の下の地上で、衛星軌道上から見えるほどの土煙が上がり、大爆発が起こっていた。大森林と言って良いような広い緑がそこに10円玉を置いたように茶色く見える。その後、すぐに青く光るエネルギー弾のようなものが地上から山を一つ二つ吹き飛ばしながら、こちらに駆け上がってきて、目の前にせまったあと映像は途切れた。
「・・・瀬戸様、なにやら大規模な戦いのように見えますが・・・。どこかの初期文明の星の戦争なのでしょうか?」
かなり派手なエネルギー弾だったが、我が地球でも核爆発ならあれぐらいの爆発になるだろう。なるだろうが、地球では地球環境に及ぼす影響が甚大で、核実験も地下で行われる。それにしても、あの青いエネルギー弾はなんだろう。
「あれは、人対人なの。あの場所には10名もいないわ。もう一つ見てちょうだい。時間は少しさかのぼるわ。」
続いて、映像が切り替わる。同様に衛星軌道からの映像である。巨大な石の花に見えるものが一本、荒野とも思える草木が見当たらないだだっ広い岩場の真ん中に生えていた。一番上は花のつぼみだろうか?今回は多数の人々が闘っているようだが、目立つのは金色に輝く衣のような物をまとい、漆黒の玉を浮かべた男性と、白に近いゆったりした着物のような物を着た男性が闘っていた。その金色に見えると言うよりは燃え上がっているような衣を羽織る男性が、右手にエネルギー弾を作りだし、それが巨大な回転カッターのようなものに大きくなり、そして中心部分にそびえ立つ大きな花のような植物を根元から切り倒していた。白い衣を着た男性は、その攻撃を受け一度ひるむが、切り倒され倒れつつある巨大な石の花をその身に吸い込むように取り込むように見えた。こちらに気付いたのだろうか、その男から放たれた黒い球体が画面一杯に大きくなり、そして映像は途切れた。
「・・・まだあるのよね。」
瀬戸様が指を鳴らし合図する。また映像が切り替わる。原因は何か分からないが、その惑星に衛星が接近、潮汐力で衛星の一部が崩壊し始め、その岩石が惑星を囲む輪になっていた。そこから、いくつか比較的大きな物が惑星上へ落ち始めていた。その割れて小さくなったとはいえ、ひとつが数十m程度ありそうな岩の塊を地上からビーム砲で薙ぎ払っていた。太いビームが地上から伸び、途中から小さく弾けて、散弾のように、落ちてくる岩塊に突き刺さり爆破、粉砕していた。
機械的な砲のようなものは、これだけだったが、これも後方に30~40人前後整列して座り、ヘッドギアのようなものをつけた人が見える。人からエネルギー供給を受けてあのような強力な砲でもって隕石群を粉砕したのだろうか・・・。場面がすぐに変わり、同じように比較的大きな町に見える場所に、隕石群が落下している映像になった。直径数十メートル位を最小に、巨大な隕石が次から次へと落ちて来ている。それを地上から高く飛び上がり、落ちてくる小さな隕石を足場にして蹴上がり徒手空拳で破壊する!者、刀のような物で粉々に粉砕し、最後は黒く見える炎で焼き尽くす者・・・。何にせよ、かなり異質な文明と言えるだろう。
「この星は、最近の辺境探査で発見された星系なのだ。電波なども通らない暗黒物質に取り囲まれていた星系で、ほれ、このあいだに一樹殿が放ったエネルギー波に暗黒星間物質が吹き散らされ、我らの探査に明らかになったのだ。それまでは、超空間航路からも遠く、自ら電波なども発せず、視認もできないことから、全く手つかずの宙域だったのだ。」
口をへの字にして、樹雷皇阿主沙様が絞り出すように言われた。ううう、こんなところにもあの影響が・・・。申し訳ないやら恥ずかしいやらでうつむいてしまう。恐縮しているばかりでは話が進まないので気を取り直して、一言聞いてみた。
「もしかして・・・。樹雷領宙だったりするのですか?」
そう、初期文明の星は不可侵である。我々は、手出しができないし、してはならない。
しかし、ノーマーク、完全に新発見の星ならば、様々なデータベースに載せなくてはならない。地球にすらGPの極秘監視衛星が居る。そのため、今見せられたような資料映像も存在するのだろう。不干渉が原則だが、住民の滅亡を意味するような大規模な戦争が起これば、隠密調査員の情報操作や停戦・終戦へ向けての最低限の干渉はしているようだった。