やっぱり暴走しますね・・・。
乞うご期待!
「すまねぇ、待たせたってばよ!」
30代前半だろうか。天木日亜モードの僕よりも僅かに背が低い金髪の男がそこに立っていた。目は抜けるような青さ。両頬に3本の傷、いやヒゲか・・・。がある。白地のマントを羽織っている。マントの中にはオレンジ色の詰め襟の服。黒く丈の短いズボンで、足首を覆う皮のような素材で出来た長靴だが、足先は出ている。右手は、包帯でカバーされていた。着痩せして見えるが、無駄な肉はなく、サスケと呼ばれている男と同じく闘う男に見える。そうか、この男が、あの金色の・・・。
「あなたが、査察官殿か。先ほどは雷車を護ってもらって申し訳なかったってばよ。」
ニッと笑う顔に悪意は見当たらない。真っ直ぐな気持ちがまず感じられる。
「護ってもらったのには、感謝するが、降ってきたものが物だけに、自作自演の線も消しきれないよな、シカマル。」
「ナルト兄ち・・・、いや七代目、この人が不思議な羽根で雷車を護ったんだなコレ。」
「その足もとのネコは、おまえの九喇嘛とよく似ているしな。」
「この忙しいのにめんどくせー案件だよな全くよー。まあ、そういうこった。」
名前はナルトと言うのか。それに遅れてきた男は、髪を後ろで束ねてジャケットを羽織っている。下には黒いシャツ、一瞬どこのヤーさんとか思う。目つきも良いとは言えないしあごひげもあるし。しかし体つきは他の男達と同じく無駄な肉はなく、即座に動けるような印象の男だ。
「まあ、査察官というのは表向きの理由でして、実は・・・。」
「実は?」
そこにいる全員の目つきが変わった。腰の後ろに手をやる者、懐に手をやる者・・・。
「普通のおっさん、で居たかったんですけどね~。」
右手の腕時計を木刀に変え、光應翼を沿わせ、伸ばし森の木を一本だけ切る。数十メートルほど右方の木が斜めにズレて地に落ちた。
「!?」
呆気にとられる4人を尻目に、切った木の方に向かい走りだす。その木の前に、ナルトが立ちはだかった。
「何をする気だってばよ?」
目力が凄いなこの人。しかし、走るスピードは殺せない。木刀を仕舞い、ナルトを飛び越えるためにジャンプする。その動きに合わせるように、下から金色のでかい手が僕の足を掴んだ。
「ふふふ。おもしろい。」
梅皇に頼んで、左手のエネルギー制御を切り、僕の足を掴んだ手のようなものに、余剰エネルギーを流し込む。瞬間的なエネルギー放出だが、普通の人間なら一瞬にして焼け死ぬだろう。掴んだ巨大な手が金色から赤黒く変色してナルトと呼ばれた男に逆流する。その変色した手は僕の足を反射的に離した。切った木の場所に到達し、切り口に余剰エネルギーをさらに流し込む。木は、その根を持ち上げ巨大な樹に生長し、ただの広場だったところに、木の根が伸び、フィルムの早回しのように花や草木が生えていく。どうせ余ってるエネルギーだし、そのまま中心部に届けとばかりに放出した。
「木遁か!」
そこに居た4人が上に飛んで逃げる。まあ、別に攻撃するつもりではないし、植物を使って攻撃するようなことを僕は出来ない。
「一樹、そのくらいにしとかないと、惑星の形状限界を超えるぞ。」
おおっと、あぶない。惑星を崩壊させてしまうのはマズイ。足もとに柚樹さんがいて上を向いて話しかけてくれていた。すぐに梅皇に頼みエネルギー制御を切り替えて、梅皇の内部に亜空間固定されている蒼穏に回すようにする。
「九喇嘛が驚いてるってばよ。」
後ろから声がした。声の質は同じだけどさっきと違う・・・。声が若い。振り返ると、そこには16,7歳だろうか。地球で言う高校生くらいの男の子がいる。あれ、金髪と、あの頬のヒゲ、やばいやり過ぎた・・・。
「え~っと、火影様ですよね。」
すっとぼけて聞いてみる。すぐに他の男達もナルトの周りに集まってくる。
「ナルト(兄ちゃん)、大丈夫か!」
口々にそう言っては、 周りに集まってきて、固まる男達。
「ちょっとだけ、力の誇示なんぞしようかと思ったのですが・・・。すみません、やり過ぎましたっ!ごめんなさい。」
こんな時は謝るに限る。
「査察官殿で良いか?攻撃の意思がないことは分かったけれども、九喇嘛を驚かすってのはどういうことか、この修行場の体たらくと一緒に説明して欲しいってばよ。それにしても、いつの間にみんな背が高くなったんだ?あれ、服がいつの間にかでかく・・・。お、サンキュー。」
ちょうどさっき持っていて水穂さんの顔を写した鏡をだまって火影殿に手渡した。
「オレってば、昔の姿に・・・って若返り?幻術?時空間忍術?」
パニクる火影様の様子にようやく周りが再起動したようだった。
「あ~、なんちゅー、めんどくせーことに・・・。」
「中忍試験でオレが勝ったときのナルト兄ちゃんだコレ・・・。」
サスケは何も言わず、何故か火影の頭を撫でている。嫌がって、サスケ何するってばよ!と怒るナルトに、いや何となく、と微妙な笑みを浮かべて手を引っ込めていた。
「だいたい、なんでオレの黒歴史のあの中忍試験の時なんて言うってばよ。」
そう言いながら木の葉丸に詰め寄る火影様である。さっきまで着こなせていた火影マントが妙に長い。今気がついたが、七代目火影と刺繍されている下の方には、炎の絵柄が巧妙に刺繍されている。なかなか手が込んだマントだった。しかし、それも膝すれすれで身につけたような格好になってしまった。
「こほん。何となく、存在を忘れられている気がしますが・・・、すべては、この右手に封印されている宝玉の力で、僕にはその力を生命エネルギーとして放出する特技がありまして。」
いちおう、ざくっと説明を試みた。そこに居る全員がこっち向いて固まる。え、非常識じゃん、みたいな眼差しだ。
「ちなみに、さきほどの、雷車を襲おうと上空へジャンプアウトしてきたのは、宇宙海賊の突撃型駆逐艦です。今までに見たことない宇宙船だったですよね?」
真実もサクッと言ってみる。何を言い出すんだこのおっさんという視線と、アレは本当に・・・、いやそんなことは。と逡巡する視線が半々に見える。
「もっと皆様に相談すべきこともたくさんあります。もっと時間を掛けて皆様とお話をする手筈だったのですが・・・。それこそ何十年も掛けて。僕はそのための最初の使者なのです。とにかく、木の葉の里に行きませんか?」
「しょうがねぇ。急いで帰るってばよ。」
そう言って、シュッという衣擦れのような音がしたかと思うと、すでに森の中へ。なるほど。他の男達も後を追う。僕のことは気にしていないのね。とは言うものの、別段追いかけるのは難しくなかったりする。彼らは、森の木々の枝から枝へ飛ぶように移動するが、こちらは地上を走っているだけだ。全員、腕を両方とも流すように後ろにやっている。そして姿勢を低くももを上げ、疾走する。同じように、腕の振りをやめて走ってみた。うわ、はええ。走っている路面の状態が良ければもう少し速く走れなくもないが、正木の村でも同じようなところを走っていたし・・・。そういや、天地君だってここじゃ良い線行くよな、たぶん。
「柾木殿、本当に忍びではないのですか?」
上から声が降ってきた。木の葉丸だろうか。
「忍びではありません。もうお気づきでしょうが、この星の人間でもありませんよ。でもこの星は豊かだ。人がまっとうに生きていらっしゃる。そりゃ、決められた枠からはみ出る人も居るでしょう。それでも多くの人は生き生きと働き、話をして喜怒哀楽をぶつけ合い、助け合って生きている。それはどこの世界でも変わりません。そして、出来ることなら殺し合いなどはすべきではない。」
そこまで言って、他の男達と同じように枝を飛んでみようと思い、地を蹴った。
「おう、その通りだ。」
若いが、重々しい声が前から聞こえてくる。ほほう、慣れればこれ、下を走るより明らかに速い。
「柾木殿の言う、宇宙海賊がどんなやつらかオレには正直わかんねぇ。でもな、真っ先にボルト達を護ってくれたことをオレは信じる。」
さらっと、結句凄いことを言うな。この人。そりゃさ、悪意はないけど、善意もないかもしれないよ。その辺ちゃんと言っておかないとと思う。しかし、それにしても、前を行く4人は身が軽い。これで、自前の身体訓練技術だけとは。我らの生体強化技術のレベル1~2程度かそれ以上に相当している。ここに来る前に見た僅かな資料映像は、もっと凄い動きをしていた。僕から見ても不思議な人々である。
ザッザッと枝から枝へ飛ぶ。うん、地球よりも緑が多い。ややこしい化学物質もかなり少ない。気のせいか、柚樹もイツキも機嫌が良いような気がする。間が開いたが、やはり言っておこう。
「・・・ありがとうございます。けれど・・・まだまだこの地を束ねなくてはならないあなた方にとっては、とても酷な話をしなければならないかもしれない・・・。」
シカマルと言われた、後ろで髪を束ねた男が、ちらりとこちらを見た。
「一樹様、こちらが調べていた木の葉の里まで、そのスピードですと、あと2分程度です。お迎えの方々も特にどこか違う場所に案内しようとする気はないようですね。」
感度も良好。ジャミングの様子もない。
「緊急!近距離ニュートリノ探査に反応。大型恒星間ジャンプミサイルです。梅皇にて撃破します。」
「了解。」
その後、光應翼展開と梅皇に命ずる。籐吾さんコントロールで梅皇の至近距離にジャンプアウトしたらしい大型恒星間ミサイルを撃破したようだった。
「だめです。外殻は囮です。小型縮退ミサイル多数分離。・・・迎撃重力振放射。」
ずんっ、と地が揺れる。ラグランジュポイントとは言え影響はあった。震度にして2~3程度か。
「98%を迎撃しましたが、残り数発が放射した重力心エリアから外れました。大気圏に突入します。」
梅皇から、即座に映像が送られてくる。目の前に20インチ程度の立体映像が出る。いま捉えているのは、梅皇が重力振で揺らした空間領域から外れた計1,2,3,4発・・・。戦闘用縮退ミサイルだから、着弾すればこの惑星10%やそこらは消えて無くなる。海賊め、目的のためなら何でもやるつもりか。
「籐吾さんが阿羅々樹ででました。撃ち漏らした2発は迎撃可能です。あと2発は木の葉の里を中心に半径100キロ圏内に着弾予定。」
「わかった。こっちもイツキで出る。」
そうつぶやく。もうこっちもなりふり構っていられない。イツキ頼む、と言うが早いか、上空に350mのイツキが出現した。一瞬にして辺りが暗くなり大風が吹く。前の4人が飛んでいた木につかまる。左右に首を振りあたりを警戒している。僕は、自らを光應翼で包み、その場で浮遊し風をやり過ごす。光應翼は空間に固定されるので吹き飛ばされはしない。後は大声で、
「みなさん、すみません。宇宙海賊の攻撃です。大型ミサイルを今より迎撃に行ってきます!」
そう言って、上を指差す。こちらを振り返る4人。怪訝な表情だったが一刻を争う。すぐに、転送フィールドが目前に展開。しばらく来ていなかったイツキのブリッジに転送される。
「イツキ、ブリッジを起動してくれ。縮退ミサイルはどうなっている。」
すぐに、立体映像化される。1発は、木の葉の里より50kmほど北の方。そしてもう1発は10km南。高度はいまだ3万キロほど上空である。阿羅々樹は2発とも仕留めたようだった。こちらも、低い高度の方から迎撃する。
「イツキ、重粒子ビーム砲、発射。近い方は、光應翼をサーベル状にしてなぎ払え。」
わかった!とイツキが答える。高度が低い方は、無事に重粒子ビーム砲が正確に貫き大気圏の薄い部分で爆縮。もう1発は、光應翼の剣で光の粒子になり消えた。
「籐吾、ありがとう。ご苦労様。このミサイルを迎撃したことで、この星への影響を教えてくれ。」
「はい。星の磁場を大分、乱してしまいました。梅皇の工場で、樹雷フォーミング用磁場創造マシンを製造します。5機もあれば数日後には修復できるでしょう。・・・しばらく電波障害があるかもしれません。」
茉莉さんの声である。さすが、樹雷の技術。樹雷の惑星の環境構築だからテラフォーミングではなくて、樹雷フォーミングか。我ながらSFオタクであるな。ホッとして、我に返った。勢い余って、イツキも見せてしまった・・・。さて、どうしよう。
「さっきのみんなが、木の葉の里の入り口で待ってるよ。」
イツキが映像を切り替えて見せてくれた。ぐるりと高い塀で囲まれた里が見える。大きな門の扉には、ひらがなで「あ」と「ん」と書かれていた。高い塀で囲まれた部分は円形で周囲5~6km位の里だろうか。その奥はちょうど山を地形的に利用したらしく、岩の崖になっている。面白いことに、そこに顔が彫られていた。ちょうど7つ。その上に巨大な高層ビルやマンションが見える。木の葉の里から洩れ出たように建ち並んでいる。新市街だろうか。しかし、うまく迎撃は出来たが、初期文明がどーたらの話はスッ飛んでしまった。あの4人も怒ってるかも知れないな。大きな門の前に4人の人影が見える。ズームすると、あ、んと書かれた門の前で4人ともそれぞれ腕組みしたり、門に身を預けるようにして立っていたりして待っている。とりあえず星は守れたけど余計に怪しいコトしたよな。しょうがない。降りて謝ろう。
「柚樹さん、もう逃げも隠れも出来なくなっちゃったねぇ。」
「しょうがないだろうな・・・。しかし、お主が迎撃しなければ、この星としては持ちこたえるだろうが、人は住めなくなってしまっただろうな。地球の核兵器レベルの破壊力ではないからな。下手するとちょうどこの大陸の地殻ごとごっそり削り取るように爆縮しただろうのぉ・・・。」
そうなのだ、あの縮退ミサイルは、対宇宙戦闘艦用、曲がりなりにも恒星間航行出来る宇宙戦艦用なのである。地上攻撃に使用するにはあまりにも強すぎる。惑星を二度と使えなくする気なら別に良いが、戦術的に惑星攻撃にはまず使わないものである。
「イツキ、あのみんなの前に転送してくれ。」
いつもの転送フィールドがかかり、それが晴れると4人が仁王立ちして待っていた。
「・・・今日は、呆れることばかりだってばよ。里の真上であんなもの見せられたからには・・・。」
さっきの影響でまだ若者の姿の七代目火影である。そう言って隣のシカマルを見ていた。
「少なくとも、近日中に五影会議は開かないとイケねぇ・・・。この忙しいのにめんどくせー・・・。ただ、オレたちも、あれを見てしまった・・・。考えなければならないことがひとつ増えたのは確かだ。」
イツキが小さくなって肩に乗った気配がある。こちらの損耗はほぼ無い。
「すみません、本当にもっと時間を掛けて皆さんの目を宇宙に向け、惑星全体でひとつになり、我が主皇の星とともに歩んで欲しかった。しかし、それはこの星の時間で数百年後の話・・・。それほど皆さんの能力は、宇宙規模で魅力的であると同時に危険でもあると言うことです。宇宙海賊も、もっと計算高いと思っておりましたが・・・。」
これは本当のこと。人ひとりが、1個中隊規模を殲滅でき、しかもあからさまな武器無しで、なんて魅力的に過ぎる話だ。4人とも
「ちなみに、空でチカッと光ったあれ、落ちてきてたらどうなっていたってばよ。」
腕組みした、高校生くらいの男がそう聞いてくる。火影じゃ無かったら生意気だとか思うところだったりする。他の4人も興味津々と言った風情だった。
「簡単に言うと、信じてもらえないかもしれませんが、木の葉の里を中心に火の国ごと無くなっていたかもしれません。その辺は記録映像全てご覧に入れましょう。まずは、あなたの里に入ってよろしいですか?」
そばに居た、4人が驚いた表情をしている。シカマルはあからさまに天を仰ぎ、右手でこめかみを押さえている。火影も惚けたような顔から、ニシシ、と目を細めて笑った。
「こっちも火影邸へご招待するってばよ!。」
そう言うわけで、巨大な門をくぐり、門番のところで手続きして晴れて木の葉の里の客人の扱いになった。そこに、車椅子に乗った緑色の全身タイツと芥子色のレッグウォーマーを着けたやたら目鼻立ちの濃い男と、その男の乗る車椅子を後ろから押す、目がまん丸い同じような出で立ちだが若い男。2人とも頭はおかっぱみたいなヘアスタイル。それに、文庫本をもって片眼を木の葉の里の額当てで隠し、口元も隠した長身の男がこちらに向かって歩いてきた。3人とも細身だがしなやかな動きである。
「ゲジマユ先生と、カカシ先生!」
ゲジマユって・・・。確かにそう見えるけど。ぶっとい眉毛がしゃべるたびに動く様はそう見えてしまう。
「いちおう、おおやけには先代か、6代目と言ってね、ナルト。馬鹿でかいチャクラが近づいているのを感じたんで来てみたんだけど・・・。それにまあ、懐かしい姿になっちゃって。」
右手で文庫本、カタカナの題名の本を持って、ズボンのポケットから出した左手で、わしわしと頭を撫でられている火影だった。ちょ、ちょっとやめてくれよ先生とか言ってる。
「なにやら青春を呼び戻すような煌めく力が近づくのが感じられてな。こうやってきてみたのだ。本当に青春しているではないか」
「そうです!ガイ先生の思いは僕の想いです!青春は未だ僕らの前にありますっ。」
今日は、とても特徴のある人に会う日だった。緑の全身タイツの2人は、微妙に会話に苦労しそうな気がする。暑苦しいというかなんというか・・・。カカシ先生と言われた人物は、脱力したような声だけれど、片目と口元を隠していることもあって、何か得体の知れないものを感じる。
「カカシ先生、紹介するってばよ。いちおう、木の葉の里への査察官として赴任されることになった柾木一樹殿だ。」
複雑な表情の火影である。さっきの30代の姿よりも幼くなっているので、どうしても、言い訳する生徒のように見えてしまう。
「いちおうって何よ、ナルト。いちおうって。それで、査察官殿としては不似合いな、巨大なチャクラを三つもお持ちなのはどういった理由かな?」
この人、これで真顔なんだろうな。たぶん。片眼だけしか見えないので表情が読み取れない。それと僕に聞いているんだろう。
「申し訳ございません。本来査察官という立場で、身分を隠し、1ヶ月ほどこの里にお邪魔して、帰るつもりでございましたが・・・。すべてお話すべく火影様のお屋敷へ行くところです。」
深々と一礼した。顔は下を向いているが、雰囲気で火影が説明していることがわかる。顔を上げると、周りの男達は、敵対とも言えず、やっかいなと言う感情が主の微妙な表情だった。そうやって、一泊置いて周りを見たときに、車いすの男の右足が気になった。膝までフルに包帯で巻かれている。しかもその包帯、長い間巻き直されていないようだった。そして、かなりがっちり固められている。がっしりした体つきの男なのに、そこだけ違和感がある。
「いろいろご迷惑をおかけします。のちほど、問い合わせたい案件ですが実は、先に水穂達とこちらに帰ってきている、随行員の神木祥瑞という者がおります。あの者は、生まれたときに大筒木、と言う木札を持っていたそうです。その件について・・・。」
一気に豹変と言うほど、顔色が変わる男達だった。
「・・・そいつは、チャクラを食らったりするのか。」
シカマルが淡々と聞いてきた。目は笑っていないし、口調も重く感じた。なるほど、この里の人々にとって大筒木というキーワードは、かなり重い意味を持つことが分かった。
「チャクラという物がよく分かりませんが、私たちと同じ人間です。この星域のちかくで赤ん坊の彼は我々の仲間に拾われたようです。そのときに大筒木と書かれた木札を持っていたようなのです。彼はそのルーツが知りたいようなのです。それも後ほどお目にかけましょう。」
そこまで言うとホッとしたようだった。さっきの気になった車いすの男に歩み寄る。