今年は私事で、長年勤めた消防団を退団したこともあって、年末警戒もなく静かな年末でした。
そういや、去年は年末から年始に掛けてもの凄い風邪にやられたんだった、と思い出しました。
今年は年始も静かなものでございました。
さて、歩いてみたいな木の葉の里。
そんなコンセプトでやってみます(^^)。
「・・・そいつは、チャクラを食らったりするのか。」
シカマルが淡々と聞いてきた。目は笑っていないし、口調も重く感じた。なるほど、この里の人々にとって大筒木というキーワードは、かなり重い意味を持つことが分かった。
「チャクラという物がよく分かりませんが、私たちと同じ人間です。この星域のちかくで赤ん坊の彼は我々の仲間に拾われたようです。そのときに大筒木と書かれた木札を持っていたようなのです。彼はそのルーツが知りたいようなのです。それも後ほどお目にかけましょう。」
そこまで言うとホッとしたようだった。さっきの気になった車いすの男に歩み寄る。
「失礼ですが、その右足はどうなさったのですか?かなり長い間包帯で巻かれているようですが・・・。」
ゲジマユ先生と言われた男が、ふふっと目を伏せて微笑した。
「いや、なに、先の第四次忍界大戦でな・・・。本当は・・・。」
「ガイ先生!マダラへの八門遁甲の陣、僕は忘れません。ナルト君によって命はつなぎ止められましたが・・・。」
大粒の涙を落涙するおかっぱ頭の男だった。僕は車いすの男の前にしゃがんでそっと触った。
「時間を戻すようなことは、僕にはできませんがもしかすると、歩けるくらいには・・・。」
ちょっと診せてくださいね、と断って、イツキに命じて透視画像を撮り、阿知花さん達に送ってみた。同時に、少しづつ生体エネルギーを入れてみた。
「痛いかもしれません。」
「なに、痛いと言うことは生きている証拠だ!カカシよ、ロック・リーよ、なにやら足が温かくなってきたぞ。」
「柾木一樹殿は、医療忍術の心得があるのか?コレ。いやあるのでしょうか?」
木の葉丸がそう聞いてくる。
「いえ、そのようなモノはないですが・・・、火影様があーなっちゃった罪滅ぼしとでも言いましょうか・・・。」
顔を火影に向けると、似合わないマントを羽織った、髪が長めの高校生がそこに居る。ああ、なるほど・・・、とうなずく男達。そして火影は、え、オレ?と自分を指さしていたりする。そして、すぐにラグランジュポイントに停泊している梅皇の、阿知花さんから連絡が来た。
「一樹様、信じられないダメージです。細胞レベルで身体が内部崩壊したような、筋肉や骨が内部から爆砕したように見えます。よく切断にならなかったものです・・・。私たちの医療技術では、もちろん機械の義肢に取り替えたり、クローン技術を使えば修復は可能です。ですが・・・。」
そう、バレちゃったとは言え初期文明の星。深入りは無理でしょうね。せめて、この里にいるときは少しでもマシになるように生体エネルギーを送ってみよう。
「時間はかかりますが、一樹様のエネルギーとそれに活性化されたナノマシンに賭けてみますか?。」
そうしてみよう、と返信すると、数秒後に透明な液体の入ったコップ一杯の水が転送されてきた。コップは見慣れた樹雷の汎用品である。驚いて、目を見張る男達。
「僕を信じてもらわないといけませんが、どうです?私たちの薬ですが飲まれますか?その後も、先ほどの治療が必要ですが・・・。それと、ガイさんでしたっけ?今、その足の写真を見た者が、よく生きていらっしゃったと・・・泣いております。」
それを聞いた、ガイ先生と呼ばれた男は、そのコップを受け取り、皆が止める間もなく飲み干してしまった。
「ガイ!」
慌てたのは、カカシと言われた口元を隠した片目の男。僕の喉元にどこからか出したクナイを突き立てようとする、が、光應翼に阻まれ、わずかな火花が散った。
「ぐおおおっっ。」
ギラつく目で僕を見ていた、カカシと言われた男は、その雄叫びのような声に僕から視線を外しクナイを捨て、車いすの男の肩を両手で持ち、揺さぶった。
「ガイっ。」
ガイは、ニカッと笑いその口元から見える真っ白な歯を無駄に光を反射させている。
「うん、うまい水だった。それと、足先の感覚が戻ってきているのかむず痒いな。」
「まさか!」
「カカシよ、また勝負せねばな!」
またもや、きらりんと歯を光らせて、
「・・・何言ってんのよ。忍びが不用意に何でも飲んじゃダメでしょ・・・。」
「いや、まあ、なに、誰か知らんが泣いてくれれば嬉しいものだ。・・・カカシ!おまえと永遠のライバルでいたいんだよ、おれは。」
ガイの歯も光っていたが、目尻に光を反射するものがあった。「ガイ先生っっ!」とリーと言われた若者は、相変わらず車いすの後ろで滝のような涙を流していた。
「さて、さらに活性化させます。」
もう一回、ガイの足に触れて生命エネルギーをゆっくりと放出する。
「・・・後は、明日にしましょう。」
おお、わかったぞ!と力強く言って、ガイとリーは2人でガッツポーズしている。門を入ったところで火影やらなにやらが話し込んでいれば、やはり目だつもの。気がつくと大勢の人だかりができている。
「あれ、火影様、ですよね。懐かしい・・・。暁との戦いの後、六代目におんぶされて帰ってきて、真っ先に胴上げしたの覚えてます?オレが音頭取ったんだぜ。」
「火影様、あの大筒木モモシキとの戦いの傷はもうよろしいのですか?・・・まあ、あら本当ね、懐かしい姿だわねぇ。一楽のカウンター座って、よくイルカ先生とラーメン食べていたわよねぇ。火影様じゃなくって、ナルト君って言いたくなるわ。」
火影の姿を見て、町の人達が集まってくる。みんな、地球で言う卒業アルバムを開けたときの反応そのままだった。
「柾木一樹殿、紹介するぞ。みんなこの木の葉の里の、そしてオレの大事な家族だってばよ。みんな、今度木の葉の里に来られた柾木一樹殿だ。査察官の任務で来られている。しばらく滞在するのでいろいろお願いするってばよ。」
大きく張りのある声で、火影がそう言ってくれた。お~!と集まったみんなが拳を振り上げる。人の顔が見える、とても良い町に思えた。
「どうかしましたか、査察官殿。」
6代目火影と言われ、カカシと言われた男が声をかけてくれた。知らないうちに頬を涙が伝っていたようだった。おっさん、感動してしまったのだ。こんなに人が居て、それにみんな生き生きしている!。
「いえ、すみません。いやぁ、しみじみ、良い町だなぁ、と思いました・・・。ほんの1年前まで、同じように町の行政の仕事をしていましたから・・・。ある意味苦情処理みたいな仕事でしたからねぇ・・・。」
右手で目の周りをぬぐう。
「・・・この町は、いままで大きくは2回、いや3回か・・・、ほぼ壊滅したのです。そのたびに、復興して、今ではこんな大きな町になりました。私たちは、火の意思でこの里を守り抜く覚悟があります。」
静かに、六代目と言われたカカシ先生はそう言った。それと同時に、忍者の6人のほか、町の人々までもが大きくゆっくり頷く。
「大筒木モモシキ襲来の時は、火影様もう良い、もう良いから一緒に逃げましょうと、みんな言ってたんだ。でもモモシキのやつぁ、忍術のチャクラを吸収して、真っ黒のこ~んなでかい球をぶつけてきやがったんだ・・・。」
集まっていた中でひとりの男が全身で大きな球というのを表現してくれる。ほとんどさっきの縮退ミサイルレベルか?
「それでも、黄金の九喇嘛様で精一杯護ってくださった。火影様、次もしもなにかあったら、私たちは良いから、お願いですからお逃げくださいませ。」
その場の男を含めて数名が、頭を下げる。それにつられてさらに何人もが頭を下げていた。
「そうは行かないってばよ、息子のボルトやサラダ達もいたし、それだけじゃねぇ、オレを育ててくれた、見守ってくれた、町のみんなが死んでいくのはぜってぇ、ぜってぇに見たくねぇんだ。」
ナルトは、木の葉の里の火影は、そう言い切った。その場が静まり返る。
「・・・でもよ、そう言ってくれる気持ちが嬉しいってばよ。そんな一つ一つが明日につながるとオレは思うってば。」
ニカッと
「うん、りっぱりっぱ!ナルト、ホントに大きくなったねぇ。」
またわしわしとナルトは頭を撫でられていた。でも今度はされるがままに撫でられている。
「・・・先生、サンキューってばよ。」
「本当、勉強になります。」
僕は、ナルトの姿勢を自分に重ねていた。あの梅皇の町を航空隊を水穂さんや謙吾さんたちが死ぬのは絶対見たくない。
「さて、査察官殿には、いろいろ話してもらうってばよ。そろそろ火影邸に行くぞ。」
「へっ、・・・なんだかめんどくせー奴が増えやがったなぁ。」
シカマルと呼ばれた、長髪を後頭部で結んでいる男が前を向いて歩きながらそう言った。
「めんどくせーというか、やっかい事を引っ張り込んじゃうんですよね、僕・・・。」
あはははは、と後ろ手に頭を掻いてみる。シカマルが目を合わせて真顔で話し始めた。
「そりゃぁ、困るけどよ・・・、ここに来てるってことは、今までどうにかしてきたんだろ?柾木査察官殿は。そうじゃなきゃ、どっかでおっ死んでるだろうによ。うちにゃ、人柱力なんていうややこしいのも居るし、サスケだって他に並ぶ者がねぇくらい強いし似たようなもんだ、ひとり増えたってどうってこたぁねぇよ。」
そう言って、ふいっと前を向いて、左手で懐を探りタバコを出し、口にくわえ、右手で取りだしたジッポーでタバコに火を付けた。なんかカッコいいのだ。悔しいけど、僕にはあんな真似は出来ない。目をこらすと右手にひときわ輝く指輪が見える。くそっ、残念!妻帯者か・・・。俗語としてのクールの意味がもろに似合う男だと思った。
「ナルト、五影会議も、なるべく早いうちに開かねーと、承知しないぞ、あいつらは。」
ようやく、木の葉の里の大通りを火影邸へみんな歩き始めた。火影はその若々しい顔をしかめ、腕組みしてシカマルの話を聞いて答えた。
「そうだな、査察官殿の話を聞いたらさっそく取りかかるってばよ。サスケに木の葉丸も同席してくれ。伊勢ウドンにも伝えて来てもらってくれ。」
そんな話を聞きながらまっすぐしばらく歩くと丸い建物に着いた。ここの里というか、この星の建物は四角く柱を立て、壁を作りという構造の建物もあるが、こういう丸い外形の建物も多い。玄関を入ってすぐの廊下には掛け軸のようなもの、忍びの心得のような書き物が貼られていた。しばらく歩くと火影室に到着する。結局、カカシ先生もガイ先生もみんな付いてきていた。
「綱手ばあちゃん、留守をありがとうってばよ。シズネさんもサンキューだってば。」ドアを開けてその部屋に入ると、でかい机があり、書類があちこちに山と積まれている。くるりと大ぶりのイスを回転させて、女性がこちらを見る。和服のような服から胸がこぼれんばかりに見えている。婆ちゃんという歳には、似つかわしくない美しい女性が座っていた。
「火影様、急な思いつきは今回だけにしてくださいね。って、なんて格好で戻ってくるんですか!ほっっとうに、意外性ナンバーワンね、ナルト君は。」
奥から出てきたのは、子豚を抱えたお姉さん。すらりとしたスレンダー美人である。抱えられた子豚がぶぅ~ぶとか鳴いている。
「何かの忍術でも食らったのかナルト。元気そうだから、大丈夫なんだろうが。」
こちらを一瞥する視線が鋭い。
「あのさ、あのさ、生体エネルギーってのを大量に食らったらしい。ばあちゃん、いいだろこんなになるっての。あ、紹介するってばよ。火の国大名殿の委嘱状ここに持ってきてくれ、木の葉丸。」
「はい、分かりましたコレ。」
「まだ出してねーじゃん。」
「コレはオレの口癖だから、・・・コレですよコレ。」
ちょっとムッとした顔をする木の葉丸だった。すぐに懐から巻物を取りだし火影に手渡す。 「わかってるってばよ。」
ニッと笑い、巻物を手に取る。
「解!」
そう言うと、文様のような文字が浮かび上がり、その文様がするりと溶けるように消えた。たぶん、セキュリティ対策なのだろう。そして、火影室の机の上に広げる。でかい赤いハンコが押された文書だった。判読しづらいが、漢字に似た文字である。
「うむ、間違いなく正式文書だ。って、このイスに座るのはおまえだろうが、ナルト。」 「カカシ先生もいるし、綱手ばあちゃんもいるし、みんなに見てもらいたかったってばよ。この人が、柾木一樹査察官殿だ。どうも、世を忍ぶ仮の姿らしいけど。いちおう、この文書の通り、木の葉の里の査察官として行動する予定だ。」
火影ことナルトと呼ばれた男が、そこまで言ってくれた。ここからは、僕の仕事である。 「先ほどのことと、査察官としてこの星に来た理由をすべてお話しします。」
「星と言うからには、もしかして査察官殿は、そとの・・・、その、この国というかそれ以上の外から来られたのか?」
綱手とよばれた女性が詰問口調でそう聞いてきた。同時に左手を上げて空を指さしている。
「そのとおりです。綱手・・・様でよろしいですか?」
「うむ、それで良い。」
さすがにお婆さまとは呼べない。大きく頷く綱手様
「こちらをご覧ください。」
火影室の空中に大きめの三次元ディスプレイを出してみた。僕らは慣れているけども、さすがにびっくりしている。神木祥瑞と水穂さん、ラノちゃんにも来てもらうように呼びかけた。
「この傀儡、いえ、実は僕の宇宙船です。さきほど、宇宙海賊の攻撃兵器を迎撃したのもこの船と仲間の船です。私たちは、ここから光の速さで3万年ほどかかる距離を来ました。我々の母星の位置はここです。」
そう説明しながら、この第1480星系と樹雷星系の模式図、位置関係、銀河系内の大まかな勢力地図などをざっくりと説明した。最近まで暗黒星雲内にこの星系が位置していて我々の探査対象では無く、ごく最近樹雷領宙内にこの星系が位置することが分かり、探査の結果、この星の人々は個人的に大きな力を持つ人々で有り、特に忍びと言われる人々は膨大な力を持つためこうやって、実際に会って話をするために来た、とざっくりどころか一気に説明した。
「きっかけは、衛星軌道上に大きなエネルギー弾が打ち上がるのが観測されたのです。地上で大きなエネルギーがぶつかり合ったあとに、です。それは何らかの武器が発したものではなく人が発したもの。あなた方の力は大きすぎ、戦いを好むものにとって魅力的なのです。」
火影が、あ、と何か気付いた顔をしていた。
「さらに、先ほどの位置図に戻りますが。」
さっきの勢力図に戻り、ズームアップする。樹雷領宙ではあるが、外縁部の方になり、むしろ宇宙海賊の領宙に近いことを図で示した。
「しかしながら、あなた方が正義である、とはおいそれと認められない、・・・と言おうと思ったが、すでに我々を助けてくれているのだな。」
綱手が、頃合いを見て口を挟む。キッとこちらを見る目が水穂さんの目に似て、とても美しい。それにやっぱり胸に目が行ってしまう。いかんいかん気を引き締めて。
「おっしゃるとおり、自作自演かも知れません。もしかすると善意を装って騙す気があるのかも知れません。しかし、信じていただけるなら、すでに宇宙海賊の後先考えない攻撃を2回は受けていることを懸案してください。わたし達が先ほどのミサイルを撃ち漏らしていたなら、この星は2度と人間が住むことが出来なくなっていたでしょう。・・・そうでした。先ほどの攻撃の記録映像をご覧に入れましょう」
梅皇からの記録映像に切り替わる。最初の雷車のは、梅皇のからの映像の後にイツキの映像に切り替わり、次のは、梅皇の映像とイツキの記録映像を交互に見せた。
「我々は、樹雷の民。銀河宇宙の有数の軍事国家から来ています。そういう意味では、あなた方の力を欲しているという点では、宇宙海賊と変わりはありません。」
隠すことなくとりあえず、言って見た。
「忍びが生き残るためには、裏の裏を読まねばならない・・・。」
そう言いながら、火影が大きな机を回り込み、綱手ばあちゃんありがと、と言って机の主を変わった。まだ高校生くらいの外見だが、こちらに向ける視線はしっかり30代前半の目だった。
「まず、宇宙海賊というのは、どういうものだ?」
「他人の財産を略取し、自らの糧として生きる民です。この星にも海があるので同様の方々はいらっしゃるでしょう。平たく言えば宇宙で活躍する盗賊です。」
この僕の言った文言は、すべて記録されている。内耳通信機の機能にある。今まで瀬戸様や他の方、樹雷皇阿主沙様などから突っ込みが無かったのは、とりあえず、任せていただいているということなのだろう。そうして話し終わったときに、水穂さんとラノちゃん、神木祥瑞が火影室に入ってきた。扉をノックして静かに開けて入ってきた。大人数でいることに驚いている。
「あなた、うずまきヒナタ様とヒマワリ様が私たちのおうちのお掃除やら、お買い物やらお手伝いいただけましたのよ。ラノには、ヒマワリちゃんとおそろいのクラーマ買ったのよね。さっき、ご飯あげたのよね。」
男が多いこの空間に、涼やかな女性の声が響く。ラノちゃんは物珍しそうに、その・・・、うわ、地球のたまごっちみたいなキーホルダー状の小型の電子おもちゃ・・・。へええ、この星、進んでいるのか、何なのかよく分からない。まあ地球の常識にとらわれているかも知れないな。この辺の電子システムはまだあまり見ていないだけで、それなりに普及しているのかも知れない。
「火影様、お心遣い誠にありがとうございます。」
そう言って、深々と頭を下げた。そう言って頭を上げると目を細めて微笑む火影の顔がある。