天地無用!~いつまでも少年の物語~。第2部   作:かずき屋

43 / 44
すみませんお久しぶりです(^^;;。

異世界転生もののマンガにはまってました。

いっぱいでてるんですね~。

「小説家になろう」系とか言う言葉も初めて知りました。

おっさんついていけてないです(TT)。




樹雷から宇宙へ43

 「いらっしゃ~い。」

女性の声で出迎えてくれた。ラーメン、と言うからカウンター席だけかと思ったら、結構広くボックス席が大半のお店だった。どことなく、地球の自宅近くの中華料理店とよく似ている。火影は、まっすぐにカウンター席に行く。

 「いつものやつ、それでコレ使えるかな?」

そう言って、薄汚れたカードを出している。それを見た店員が、困った顔をして厨房の店主に見せに行っている。

 「火影様・・・ああ、ナルト君でしょ。いいわよ。」

そんなやりとりが聞こえてきた。慌てて厨房から出てきた店員は、どうもすみません、わたしここで働いて、まだ日が浅いものですから、と頭を下げている。

 「オレを覚えといてくれ。そんで、また頼むってばよ!。」

そう言いながら、ニカッと笑って、カウンター席に座る火影。それに続く僕らである。カウンター席は少なく、水穂さん達は、ボックス席に行った。

 「柾木殿、奥様と一緒でなくて良いのか?」

ボックス席に座る水穂さん達をチラリと見ながら、

 「え?、まあ、ずっと一緒ですし。まだ一年なんですけど。」

割り箸なんだ、この星も、と思いながら窓のある箸箱から割り箸を一膳取って、火影の問いかけに適当に答えた。

 「まだ新婚さんじゃねーか。オレなんか・・・。うう、ヒナタに二日も会えてねぇ。」

しょうゆで、麺大盛りとか、味噌チャーシュー大盛りで、とかの声がかかっている。日が浅いと言っていた女性店員は、必死でメモを取っていた。日本のラーメン店と何ら変わらない光景だったりする。

 「こいつの新婚のときなんか、ヒナタヒナタって・・・。今でもそうだけどよ。」

こっち見ないで、出された水を飲みながらそう言うシカマルである。

 「へええ、ヒナタ様。うちの水穂もお世話になったようですし、後ほどご紹介くださいね。」

じっと僕の顔を見て、オレの嫁さんだからな、取るなよ、と結構すごみのある顔でそう言う火影だった。取るわけないでしょう、そう返した。その言葉の裏で、ヒナタという女性よりも、火影様あなたに興味があるんですが、とか言ってしまいそうになる。目力スゴイし。細身でスレンダーな体つきもなかなか。わずかに顔から視線を外して、喉元から股間の方へ見てしまう。そんな視界の端に捉えた水穂さんが、ひくくっと頬を引きつらせているのが分かる。いちおう神木祥瑞が同席になっている。水穂さんの顔を見て不安そうな視線をこっちに送ってきていた。

 「・・・そう、それに、息子様?ですか?ボルト君に、うちの父ちゃんと同じ臭いがするってばさ、って言われちゃいました。」

頑張って注文取っている店員のお姉さんが、僕の注文を聞いてくれる順番になった。ええと、それじゃ、味噌で味玉載せて、チャーシューも、とか言って注文入れる。カウンターの奥の厨房でラーメン注文のリストを復唱していた。数人が動く気配がしている。時折ザンッと麺の湯を切る音がする。寸胴がいくつも並び、大量の湯気を上げる様子。ラーメンどんぶりのなかで味噌を溶く音、寸胴から取り出したお玉をまた戻す音。なんだか地球のお店そっくりで勘違いしそうになる。

 「ふううん、ボルトにか・・・?」

くすぐったそうな、嬉しそうなちょっと複雑な表情の火影である。なんかかわいいとか思ってしまう。

 「うちのそうだけどよ、おまえんちのボルトも、おまえの影分身見てるようだぞ。やってることも、おめえそっくりだしな・・・。」

おまちどおさまぁと、届いたラーメンに、シカマルがコショウを振りながらそう言っている。

 「へへへ、そうだな・・・。うっしゃぁ、今日こそ家に帰るぞ!」

それを聞いたシカマルは、にやりと笑みを浮かべ、懐から小型の手帳を取り出して読み上げた。

 「まず午後から、火影承認案件の書類がざっと15件、木の葉の里新開発地視察、警務部事業報告会、木の葉の里商工会からの陳情、上、中、下忍への任務分担表作成、及び伝達。さらに・・・。」

ちらりと見えた手帳には、びっしりと細かく几帳面な字で書き込まれていた。ちょっと、じゃなくてかなりブラックである。とてもひとりの業務量ではない。

 「ううう、わかったってばよ。・・・ラーメン伸びるぞシカマル。」

かなり気の毒に思えてきた。まだ若いのにかなりの重責である。樹雷皇阿主沙様だってここまでの業務量では無かったと思う。

 「できる限り手伝いますから・・・。」

なんだか涙目の火影である。ちなみによく見ると目の下の隈が凄い。

 「もしかして、しばらく寝ていないとか・・・。」

パキンと割り箸を割って、まずはチャーシューを愛おしそうに横にどけてラーメンをすする火影である。ラーメンをすするズズッと言う音とともに頷く。そして熱いのに、何とも美味そうに食べる。

 「・・・昨日も寝てないってばよ・・・。」

 「即戦力になるかどうか分かりませんけど、とりあえず頑張りましょうね。」

大きく頷く火影とシカマルだった。サスケも、オレも手伝うぞと横から小声で言っている。

お、ここのラーメン美味い!と思いながらあっという間に完食。これ毎日でも飽きない味かも・・・。と言う感想はほどほどに、また火影邸に帰って、現状の把握、説明を神木祥瑞とともに聞いた。水穂さんはラノちゃんとおうちのお片付けである。そうしないと今夜寝られない。

 「それでは、急ぐのは3時からの警務部事業報告会と、新規開発地視察ですね。見事にスケジュールがバッティングしていますが・・・。」

 「大丈夫だってば。」

火影が、両手で印を組む。すぐに煙とともに分身が1体現れた。なるほど、これほどの過密スケジュールでも何とかなってるのはこのおかげか・・・。で、結局さらに無茶なスケジュールをさらに詰め込む訳ね・・・。

 「それでは、シカマルさんと、火影様、視察の方へ。警務部の方は、火影様おひとりでも・・・。」

そう言いかけたときに、サスケが手を上げる。

 「警務部は、元々うちはの人間がいたところだ。オレが同行するよ。」

 「サスケわりぃ。頼むわ。」

火影が手を合わせている。

 「僕達は、ここいら辺の書類を整理しておきます。カカシ様お手伝い戴けますか?」

 「まー、しょうがないねぇ~。・・・オレが残した仕事もあるんだろうし。」

後でオレに、その結果を教えてくれ。明日から仕事が出来なくなる、そう言い残してシカマルと火影の分身、そして火影とサスケが警務部の事業報告会へ行った。

 「さて、こう言った書類の整理は・・・。」

例の通信機で、籐吾と謙吾に連絡する。もちろん、話す内容は神木祥瑞も共有している。

 「地球の正木の、え~っと可奈子さんに連絡取って、地球で現在普通に使われているチューブファイルの9cm幅のと5cm幅のを送ってもらえるかな?」

そう、コムヨの2穴で、穴開けパンチの大きなモノも、と言うと、しばらくして了解しましたと答えが返ってきた。

 「一樹様、でも、この書類の山、地球の規格ではないですよ。」

みれば、雑多にいろいろな大きさの紙が重なっていた。長いもの、正方形のもの。

 「・・・う~ん、まあそうだろうね。とりあえず提案しようと思ってね。さすがに巻物は、通常書類などをまとめて置いておくには非効率っしょ。地球のそう言う文房具類はここでもモノがあれば作れるでしょうし。あー、でもA4とかの紙の規格化を強要してしまうか・・・。」

連絡して、数分後、僕の目の前に見慣れた青いチューブファイルと事務用の大型パンチが転送されてきた。もしかして君たちは、6万光年を越えてきたのか?と問いかけそうになった。実態は、可奈子さんのところで実物を詳細な3Dスキャンをかけて、そのデータを送ってきたようだ。通信波だけなら中継をいくつか通るがほぼ瞬時らしい。改めて樹雷というかGPの技術のすごさに驚く。横で、もっと驚いているカカシ先生がいた。

 「カカシ先生、と言うか六代目でしょうか。僕の故郷にはこんなファイルする冊子がありまして・・・。」

そうよ、六代目で良いからね~、となんとなく間延びした答えが返ってくる。転送され、

とどいたチューブファイルの説明を試みる。背表紙に、たとえば○○に関することなどと書いておいて、その表題に沿った書類を時間経過の通りに綴じていく。場合によっては、タグをつけたり、色付き仕切りページでしきったりする。綴じ方は内部の金属ホルダーがワンタッチで外れ、表側裏側両方から厚くなっても紙を綴たり、外したりすることができる。

 「今までの分は、そのまま置いておいて、これから作る書類をこういった物に綴じておけば・・・。探し回る手間がずいぶんと楽になります。そして時期が来れば、書庫に移動したり、保管期限を決めておいて、それが過ぎれば廃棄すると。」

試しに、最寄りの書類の山からファイルに入りそうな数枚をとって、穴を開けて良いか許可を取って綴じてみせる。そしてバネ部分を押して外しても見せた。

 「ふむ、なるほど便利ですね。木の葉の里でも作れそうだし・・・。」

紙、もしくはプラスティックとプレスの金属部品なので型さえ起こせば早いと思う。

 「問題は、紙の規格を決めてしまわないといけませんけど・・・。それに物によっては、この里の巻物も優れている面があると思います。」

地球じゃ、規格化された、たとえばA4の用紙、洋質紙は劣化が激しくもって数十年単位。ここの巻物などが地球と同じ作り方の和紙なら、周りの温度、湿度さえ管理できれば数千年単位で保存できるだろう。

 「そのへんは、また決めるとして、とりあえずナルトの癖は・・・。」

さすがカカシ先生、火影室の机の火影イスを中心に遠くの書類の山から内容を見て分類を始めた。

 「たぶんあいつ、上の方に時系列的に新しい物を置いて、重要な物は自分の近くに置いてあるはずだね~。シカマルは、その辺だいたい把握しているんだな・・・。だから・・・下手に片付けてしまうと大変なことになるんだな。」

 カカシ先生と呼ばれているところを考えると、昔からあの火影を見てきたような感じがする。ならば、カカシ先生の言うことに従った方が効率的だろう。処理期限が大幅に過ぎ、用の済んだ物を入れる書類箱のような物も見つかり、火影机の上にあった古いものなどもそこに目立つように背の高い紙などを挟んで仕分けた。目印などを手近な紙を使って神木祥瑞に手伝ってもらいつつ書いて貼って行く。糊も地球にあるようなスティック糊やテープ糊は無く、チューブ状の濃度のある液体状の物だった。

 「神木祥瑞殿、とりあえず地球の感覚で進めていますが、何か良い案があれば・・・。」

と、書類を持って読み、仕分けている神木祥瑞に振ってみた。しかし、結局はコンピューター上の処理がほとんどの樹雷である。リアルな紙でのやりとりはほぼ無くなっている。つまるところ、原始的な整理整頓と言うことでは地球も樹雷もあまり変わらないらしい。

 「しかし、何もかもというか、この木の葉の里のすべてがここに集約されてしまっているような構造をどうにかしないと・・・。火影殿の影分身に頼るのも限界があるでしょうし。」

 「そうだよねぇ。人がいるよね。オレの時もそうだったけど。さらに火影が気の毒かなぁ。」

 地球では、特に僕の住んでいた日本では無いが、この木の葉隠れの里や他の里は忍びの里制度を起源としていて、完全自治区のような扱いだった。火の国に属するが、たとえば、火の国から運営のための、地球で言う地方交付税(国が税金として徴収した物を地方に再分配する、まあ、補助金のようなもの)を受けている、そんな様子は無かった。

 「カカシ様、属している火の国から何らかの補助金や運営資金の提供は無いのですか?」

 「そうだねぇ。この里を守りたい、火の国に縛られたくないと言う意思もあって、特別な補助金と言うことではもらっていないね。重要な決定事項は、たとえば火影の承認などは火の国に伺いを立てるけど、基本的には難易度別に分けられた任務をこなすことで対価を得て、この木の葉隠れの里を運営しています。忍び以外の人は、収入に応じた年貢かな。今回の大発展は、第4次忍界大戦の報奨金や、忍界大戦を任務として請け負った報酬などが原資だね。」

 「なるほど・・・。」

樹雷の立木林檎様のような、経理の鬼では無いのでさすがにそれ以上突っ込まないけど、かなり逼迫した状態に思われた。そうこうしているうちに火影がシカマルとともに帰ってきた。赤く「火」と書かれた菅笠(浅い円錐状の頭にかぶる笠)のようなものをかぶっている。それを取って壁に掛け、早速シカマルと話している。

 「シカマル、新規開発地については、大規模な住宅地が予定されているようだが、地盤調査は問題ないのか。」

 「あの土地は、火影の顔岩上の地区だから、たぶん問題ないだろう。すでにボーリング調査の手配は完了している。飲料水の確保と浄化設備を整えないとな。しかし、木の葉の里も広くなると防御面が大変だな。」

 ちら、とこちらを見るシカマルだった。

 「今なら迎撃可能ですけどね・・・。」

と言いながら、火影が着席したのを見計らって、お片付け結果を説明する。ポンポンとシカマルに肩をたたかれた。頼むぞってこと?と思う。そうしながら、元々あった場所から箱に入れた物、仕切りで分けて入れたこと、基本的には書類は大きく移動していないことを告げた。

 「ありがたいってばよ。シカマルの方もどうだ?それにこれは何だ?」

表紙が青くて分厚いが今は紙が綴じられていない、さっき送られてきたファイルを手に持つ火影だった。シカマルは、おう、だいたい置いてある位置から動いていないので助かる。と言いつつ確認している。

 「その、ブルーの本みたいなのは僕の故郷で標準的に使われている、チューブファイルという物です。」

カチャリと音をさせてロックを外し、紙を綴じている物を外したり、また閉じ直したりしてみる。反対側からも紙が抜き取れるタイプである。

 「事務で使用する紙の標準化が必要ですが、背表紙に文書名を書いた紙を入れて、立てても置けますし、本棚にも綺麗に並びますので、導入されるのはどうでしょうか?と言う提案です。ちなみに・・・ちょっと待ってくださいね。」

話していて気がついた。長さの単位が違うかも知れない。とっさに連絡を入れてA4用紙の規格を聞き、一枚転送してもらった。またもや目の前にグリーンのカーテン場の力場が形成され、紙が一枚、じゃなくて一束(500枚分)現れた。ご丁寧にコムヨの包装紙のままだったりする。再生紙使用とか書いているのが懐かしい。それをやぶって、紙を取り出す。

 「・・・この大きさの紙に対応しています。」

火影室にある書類はすべてそれよりも大きめだった。積まれていたり置かれているのは、様々な大きさの紙だった。事務処理用の紙の規格統一はされていないようだ。

 「またびっくりだってばよ。査察官殿は魔法でも使えるのか?」

地球の物品でも樹雷が関わると、結構な魔術だよなそりゃ・・・。さっきのファイルと同様に精密な3DスキャンされたコムヨのA4用紙の3Dスキャンデータは、超空間伝送を繰り替えされてはるばる6万光年を渡り、梅皇の3D実体機で実物として再構築されたことになるが・・・。

 「すみません、あまりにも大きく発達した科学技術は、魔法に見える、と言うことにしておいてください。あくまでも僕の故郷の物品です。僕の故郷は、この星とそう変わりありません。実際、僕自身もあまり理解しているとは言いがたいです。」

どことなく納得いかなさそうな2人はおいといて、とりあえず、提案ですからとこのファイルは火影のデスク近くのな棚に置いておくことにした。

 「ただいま帰った。」

火影の声がして、日傘のような火のマークの入った傘を取る火影が入ってきた。その後に続いてサスケが入ってくる。

 「なるほど、影分身ですか・・・。びっくりしました。」

同じ顔、同じ服装、同じ仕草。そんな人間が複数いればかなりびっくりする。実際ショックに近かった。そして思った。なるほど物まね芸人さんは、そういうショックをプチ体験させてるんだなぁと。あんまり関係ないけど。そんな顔の僕を見て、イスに座った火影がニッと目を細めて笑顔を作る。

 「ははは、おあいこだな。さて・・・。」

デスクに座っている火影が印を組むと、小さな爆発音のような音をさせて帰ってきた方の火影が消えた。そして火影が話し始める。

 「今のところ警務部に特段気にすべきことは無かったようだな・・・。平和が一番だ。警務部備品の増額については、必要な物ならしょうがないな、シカマルと相談して対応しよう。・・・サスケありがとう、お疲れだってばよ。」

うんうん、と頷く火影。サスケは、ちゃんと寝ろよナルト、と低い声でつぶやくように言い、一瞬こちらを見てそれじゃ、と火影室を出て行った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。