長らくお待たせしました。昨年末から様々なことが重なり、落ち着く間もなかったのですが、なんとか一巡し、ホッとする間が持てました。
今日は夜勤明けで、まあ、昨日の夜も「あたしゃ西南君かい!」と自己突っ込みするようなことが起こってました(^^;;;。
そんなこんなで不定期ではありますが、目指せ超銀河団!銀河間航行!!で書いていきたいと思います。
もしも、天地無用!魎皇鬼 第4期のスタッフの皆様のお目に掛かっていれば、ぶっ飛び具合では勝てるぜ!的な意気込みで頑張ります(^^)。
「補給をほとんど考えなくて良いなんて、この船一隻で、天の川銀河制圧もできちゃいますね~。」
ひくひくと頬が引きつるのが分かる。
「どちらにしても理論上は、と言う、但し書きが付くな。」
腕組みしたアマナック委員長がそうつぶやく。
「そうですね。そんなことやって何かを手にしようとも思いませんが・・・。そうだ、今夜、乗り組んだみんなの歓迎会をします。アマナック委員長もいかがですか?」
「ほっほっほ。ありがたいお誘いだが、今夜はこっちも祭りでな。それこそ、リルルとメルルが舞を舞うのじゃよ、見に行くのを約束しておってのぉ。」
ああ、目に入れても痛くないんだろうな、と思える笑顔だった。
「そうですか・・・。そう言えば、アルゼルの様子もまだ見に行ってないし・・・。今度訪問させてくださいね。」
「そうじゃな。歓迎するぞ。」
ふと、何か考えるような仕草をするアマナック委員長だった。
「あ、歓迎パレードとか、お願いですからしないでくださいね。それこそ、どこかの居酒屋か、アマナック委員長のおうちで飲むとかで・・・。」
また、そんなこと言ってる・・・という目で見る水穂さんだった。阿知花さんも微妙に呆れている。
「心配しなくとも、しっかり準備しておくからの。樹雷の皇族、しかも惑星アルゼルの恩人、さらに、リルルとメルルの恩人をもてなさぬのはアルゼルの恥じゃしな。」
ニタリと嫌な笑顔でそう言うアマナック委員長だった。水穂さんと、阿知花さんは、当然でしょ、と言う顔と気の毒そうな顔が半々である。・・・あたしゃ、そう言う場が苦手なのよ。
「実は、この一年、お主に声をかけなんだのは、アルゼルを突貫工事で復興させていたからじゃ。樹雷皇阿主沙様も破格の援助を申し出てくれてのぉ。GPも大勢の科学者や技術者を派遣してくれた・・・。みんな、お主の、赤く焼けただれた星がトラウマで、緑で覆われた星を見たいと言った言葉に一生懸命になったからじゃよ。」
ふと、某アニメの女性スキャットとともに、画面一杯の赤く焼けただれた地球が思い出される。未来は輝き明るいモノと何の疑いなくそう思っていた、幼い僕にとって、あれは、本当に悲しい画だった。目頭がぐっと熱くなる。
「地球と変わらぬ位復興した、アルゼルを見て欲しい。」
まっすぐな目で僕を見るアマナック委員長だった。
「・・・ええ、是非行かせてもらいます。アルゼルの皆さんの笑顔と、美味しいものを楽しみにしています。」
すぐに言葉が出ず、声が震えてしまったのは勘弁して欲しい。
「みんな、この日を待ちわびておったのじゃよ。柾木・一樹・樹雷殿をアルゼルに招こう、緑の星を見てもらおう、がこの一年の合い言葉じゃった・・・。ちょうど、今回の遠征が終わったころに、ご招待申し上げるからな。」
そう言うと、見たことのない転送フィールドに包まれて、ちょっと照れくさそうな笑顔のアマナック委員長は消え、惑星アルゼルに帰っていった。
「う~、また式典~~。」
こっちも照れ隠しに、憎まれ口を言ってみる。一度机に突っ伏して、そのまま顔を横に向けて、水穂さんを斜め下から見た。うん、今日も綺麗な人だ。黒髪が美しい。今度は、反対側に向けて阿知花さんを見た。こちらもふんわりと可愛らしい。
「さあさ、だだこねてないで・・・。ブリッジに行って、みんなの仕事を見ましょう。」
両腕を持たれて、立ち上がらせてくれた。会議用の部屋から、元の梅皇のブリッジに3人で戻る。特に急ぐ必要も無いので、歩いて行った。途中、大所帯と言っても、40名程度になった兵士用の宿舎や食堂を覗くと立木菊乃さんと、上木彩矢さんと愛優さんが、ここでずっと働いていたと言わんばかりにくるくると良く働いている。さっそくお昼ご飯の準備だろう。
「ほれ、一樹様、味見してみるかい?」
菊乃さんが小皿に、味噌汁のようなスープのようなモノを少し取って目の前に出してくれる。ありがとうございます、ともらって口に含むと、出汁の良く効いた、まろみがあるスープだった。コンソメとよく似ているが、和風テイストでもある。
「うまっ・・・。へええ、お昼ご飯がすごく楽しみです。」
うぬぬ、砂沙美ちゃんと良い勝負するか・・・。ん~、もしかして勝てるか・・・。
「瀬戸様から戴いた、ぬか床もあるし、味噌も醤油も手作りだよ。」
にこっと笑うと・・・、そうか、西南君のお母さんに似てるんだ。そんなこんなで、アルゼル外縁部の訓練から帰ってきた籐吾さんやら、梅皇の機関部チェックの終わった謙吾さんやらと合流して、お昼は菊乃さんの取り仕切る食堂で、みんなでご飯を食べた。なんだか、その他大勢になれた気がして、ちょっと懐かしい気分だった。でも周りはそうではないようで、なんか航空隊の人達は、固まって堅苦しそうにご飯食べてたし、新しく来た他の人達もそうだった。自分的には、特に皇族だからと、心理的な垣根やブロック積みの塀を作る気はないのだが、まあ一般的なイメージの樹雷の皇族とは違ったんだろう。そんなことはともかく、とても美味しいお昼ご飯だった。さすが瀬戸様ご推薦。そう言う意味で、看護師としても一流なんだろう。
午後から基本的に、皇族たる僕の場合、あまりやる事が無い。みんなそれぞれ仕事を見つけて勤勉にいろいろやってくれている。とは言っても、皇家の船、賢い皇家の樹がいるのと、作業用アンドロイドや、専用ロボット、ナノマシン・システムなどがあるため、人力で何かやるところはあまりない。水穂さんや阿知花さん、茉莉さん、あやめさんは情報収集と自分の担当部署を見て回っているみたいだ。もちろん、ご飯を食べて籐吾さんも謙吾さんも、引き続き機関部やら格納庫やらに詰めているのだろう。特に何もないので、柚樹さんを伴ってイツキの研究施設にいた。梅皇には、まだこういう設備は積んでいないが、イツキには最初に補機システムと補助コンピューターを積んでいる。
そういえば、もう一年もほったらかしにしてしまっていたが、あの火星で見つけたシードを行った文明の報告書を今さらながら読んでみた。かなり膨大な量である。、もちろんこれは、樹雷にもGPにも行っているはず。太陽系の火星は、こっそりGPが遺構を簡易調査中だと聞いている。さすがに大々的に発掘調査は、まずいらしい。地球も初期文明とは言え、ある程度の観測機や衛星を投入していたし。そうそう、火星の衛星フォボスの謎の光で有名になったが、地球的には、フォボスの内部の氷が表面に出てきて光を反射しているのでは?と結論づけられたが、実は、フォボスは太古の宇宙船のようなものらしく、一部表面のホコリが取れて金属がむき出しになり反射してしまったらしい。GPの調査隊が、適当に土をかぶせたらしいけど。推進器やエネルギージェネレーターのようなものも、すでに取り外されているらしく、がらんどうの物体ではあるらしい。
「きっと、ラノちゃんの船のような、来訪者が来ていたんだろうな。」
僕が気まぐれで見つけてしまった、その書籍をコピーしたものには、莫大な距離を跳んできたのだろうシード文明の宇宙船、その詳細な座標や航路まできっちり記録されていた。確かに、すぐにでも行ける状態ではあった。しかし、樹雷皇族になってしまった僕にもそのチャンスは巡っては来ているのだが、日々の雑事に、公務に、そして瀬戸様に引きずり回されていることもあって、実際の探査旅行の命は降りていない。そう、人間には、天の川銀河だけでもあまりにも広い。樹雷やGP、世仁我、アイライ、簾座連合・・・。超空間航行を使って飛び回っているとは言っても、「unknown」とされているところはまだ多い。今回の、雨木開拓団が行った領域もそうであった。天の川銀河、たて腕の外れに近いところらしい。樹雷からだと、銀河を3/4ほど横断する距離であった。表向き視察目的ゆえ、通常の超空間航行で行くので片道約5日間ほどかかる予定である。
イツキの僕の研究室兼書斎のようなところは、すでにデータの蓄積も大きくなって、手狭になりつつあった。鷲羽ちゃんだと、本当にいくつか研究するための惑星を持っていると聞いたし、私有星系もあるらしい。それが伝説の哲学士の凄まじいところ。うん、僕も欲しいなぁとか思う。そう言うところがすでに地球人の範疇を超えてるなとか、しみじみ思う。あ、梅皇の空間まだまだいろいろ拡大できるんだっけ。あれ、そういえば、柚樹さんも皇家の樹、そう言うことは・・・。と思いつつ足もとをスリスリしている柚樹さんに視線をやると、
「亜空間固定された空間かの?今まで聞かれなんだから言わなんだが、以前のマスターの天木日亜の家も残っておるし、持ち物もそのまんまだぞ。」
どうも、コアユニットはもうないが、背中に背負ったようなイメージで、亜空間固定できるらしい。というか、そのまま持ち越しているらしい。
「それ、ちなみに、どれくらいの広さなんですか?」
「何かを詰め込んだことが無いので、正確には分からん。今固定している亜空間は、惑星一個分くらいかのぉ。わしもすっかり忘れておったが、オートメーション製造されていた、樹雷正絹の生糸に、各種農産物が・・・・・・。時間凍結倉庫に入りきらずに、圧縮梱包されて放置されている・・・、らしい。」
珍しく柚樹さんが、顔に縦線書いたような表情をしている。皇家の樹もすっかり忘れることもあるんだ・・・。
「いまは、お前さんの持ち物と言って良いのだから、とりあえず、梅皇の倉庫にでも移させてくれ。このままでは、ただただもったいないだけだ。」
「うわ、それ大変じゃん。謙吾さん呼んで、倉庫に移しましょう。人数も増えてるし、食べ物なら結構使いやすいだろうし。」
慌てて、謙吾さんをコールして、幹凪さんやら、菊乃さんやらも呼ぶ。僕の研究室に即座に転送されてきた。どうしたんですが?一樹様といつものくりっとした目で聞いてくれる謙吾さんだった。柚樹の方を見ながら、申し訳ないなぁ忙しいのに、と思って口を開いた。