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スリースに入る前、俺はモンスターと戦闘をしていた。凶暴なライオン型のモンスターで、名前は『ワイルド・ガル』。城のある街に近付くにつれて、次第にモンスターも強さを増していっている。
ワイルド・ガルは巨体でありながらとても素早く、更に鋭い牙も持っていた。今まで戦ってきたモンスターの中でも、トップクラスに入る程の強敵だ。相手は一体だけという事もあり、何とか倒す事ができた。
「さて、街も見えてきたし、街に入ったら一休みするかな。」
俺はそう呟く。直後、十数メートル程離れた所で、何者かがモンスターと戦っているのが見える。だが、遠目で見る限りではとても苦戦している様だ。
「あの人、大丈夫かな?……ん?待てよ、あれって……‼︎」
よく目を凝らして見ると、モンスターはワイルド・ガルだ。しかも一体ではない。四、五体のワイルド・ガルに襲われている。
「まずいな……くそっ、どうする?」
助けたい。だが、万が一にでも、恵美と悟の様な悲劇を再び引き起こしてしまったら……。
「このっ!人の命が危ないんだ!今は助けるしかないだろ!」
自分にそう言い聞かせ、俺はその人を助けに向かう。俺は剣を抜き、ワイルド・ガルの群れの中に飛び込んでいく。
「大丈夫か⁉︎今助けるからな!」
ワイルド・ガルに渾身の一撃を与える。ライオン型モンスターは、力なく倒れ込み、その場から消え去る。ワイルド・ガルの方も既に弱っていた。モンスターと戦っていたのは見る限りでは女性の様だが、俺も必死で詳しくは確認できない。
「喰らえ‼︎」
俺は更にワイルド・ガルに斬りかかる。女性は既に疲れきっていて、その場に座り込んでしまう。ワイルド・ガルは、その女性に向かって飛びかかる。そのモンスターを、俺は真っ二つに切り裂いた。
「無理するなよ!後は俺に任せな!」
俺はそう言い、ワイルド・ガルを次々となぎ倒していく。多少のダメージを受けてしまったが、何とか全て倒す事ができた。
「大丈夫か⁉︎……って、もしかして……里奈さん?」
真っ直ぐに伸びた長い黒髪。俺よりも少し高い背丈。その穏やかで優しそうな顔立ちには見覚えがある。三ヶ月前、共にジャイアント・キング・ベアーと戦った女性と似ている。
「……優君?優君なの?」
その言葉を聞き、俺は目の前の女性が里奈である事を確信した。すると里奈は、突然俺の手を握る。
「久しぶり!元気だった?」
嬉しそうに聞いてきた。
「あぁ!里奈さんこそ元気だった?」
「もちろん!何度か死にかける事はあったけど……でも、何とかここまでこられたわ!」
里奈も元気そうで、俺も嬉しかった。
「さて、そろそろ街に着くね。優君、もし良かったら、一緒に行かない?人数が多い方が楽しいしさ!」
「うん!もちろんいいよ!一緒に行こう!」
確かに、仲間が多い方が旅も楽になる。俺はすぐに答えた。
いよいよスリース。この街を越えれば、ついに城のある街に辿り着く。
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