願いの世界   作:坂田 信長

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いよいよ最後の戦いです。ぜひ読んでください!


最後の戦い

20

    三階と四階は主に、最初に出てきた下っ端の騎士、そしてわずかなトラップだけだった。

    あの亡霊騎士の様な強敵が現れる事もなく、少しは苦戦するもいたって容易に最上階まで到達する事ができた。

「い、いよいよだな!」

「あ、あぁ!」

「い、行くわよ!」

    敦と俺、里奈はそう言い乾いた唾を飲み込む。俺はここに来るまでに、何回死にかけただろうか。まず最初、この世界に来てすぐに、犬型モンスター『グラー・ロッガー』に殺されかけ、戦い慣れした後には、巨大な熊型モンスター『ジャイアント・キング・ベアー』と命懸けの戦いをした。

    そして、恵美と悟の、あの辛い出来事。その後も様々なモンスターと戦ってきた。

    そして遂に、俺はゴール目前。最後の扉の前に立っている。

「さぁ、開けるぞ‼︎」

    敦が扉に手をかける。そして、思い切り扉を前に押す。

    暗い。中の様子をよく伺う事ができない。

「気をつけろよ。中に何がいるか分からないからな。」

    大平は警戒している。

    すると、部屋の中に突然光が灯る。よく見ると、壁にいくつものロウソクがあり、そこに火が灯っている。

「いきなり何だ?勝手に火が付いたぞ!」

    大平が不思議がる。確かに。なぜ勝手に付いたのだろう。もしかして、幽霊でもいるのか?俺はそんな事を思いながら、ふと前を向く。

「……あっ‼︎」

    俺はある物を見つけ、叫んだ。

「優君、どうしたの?」

「あれ!」

    里奈の問いに、俺はある物を指差して答える。そこには、あの路地にあるこの世界の入り口と似た光を発する扉があった。

「あそこに行けば、願いが叶えられるって事か?」

    敦はそう言い、次第に笑顔になる。敦につられて、俺達も笑顔になっていく。

「やった……!ついに来たんだ!ゴール地点に‼︎」

    俺は喜びの声を上げる。俺だけではない。皆もそうだった。

    三ヶ月にもなる長い冒険も、遂に終わるのだ。やっと、明里の足を治してあげられる。仲間との別れは寂しいが、俺はとても嬉しかった。

    だが、次の瞬間。目の前の地面に突然亀裂が入る。

「うおっと‼︎何だ⁉︎」

    敦は後ろに下がる。次第にその亀裂は大きくなっていき、その邪悪な影が姿を現わす。

「な……な……」

    俺は口を開け、それを呆然と見つめる。そこにはーー。

「ぐっ……大ボスのお出ましか‼︎」

    大平が歯を食い縛る。ガッチリとした胴体。巨大な足、翼。鋭い爪、牙。そして鈍く光る眼光。ドラゴンの様なその姿に、俺達は声も出ない。

    ドラゴンは雄叫びを上げ、空中に高く舞い上がる。そして、俺たちの方へと口から炎の球を発射してくる。

「何ー‼︎⁉︎」

    俺達はなす術もなく、ただ逃げ回るしかなかった。待てよ。そうだ!あのドラゴンの攻撃を上手く回避して、あの扉まで辿り着けばいい!俺は扉の方へと目をやる。

「なっ……そ、そんな……」

    扉の前には、先程まではなかった檻が出現していた。恐らく、あのドラゴンを倒さなければ檻は開かないだろう。他の皆も気付いたらしい。

「くっ……どうやら、あいつを倒すしかないみたいだな‼︎」

    敦は剣を抜く。里奈も、大平も、直樹も、ノアも。俺も覚悟を決めて剣を抜いた。

    どうやらドラゴンは、長い間飛行はできないらしく、地面に降りて来る。その隙を狙い、俺達は攻撃を仕掛ける。ノアと敦は真正面からドラゴンに向かっていき、大平と直樹は右から。俺と里奈は左から切りかかる。

    ドラゴンは無防備で、簡単に攻撃を与えられる。

「こいつ、防御力はまるでない!一方的に攻撃を続ければ勝てるぞ‼︎」

    俺はそう叫ぶ。しかし、その攻撃力はかなりのものだ。尻尾を振り回し、大平と直樹を六メートル程前に吹っ飛ばす。

「大平さん‼︎直樹さん‼︎」

    直後、俺と里奈の方にも尻尾が迫ってくる。その尻尾までもが巨大で、避ける事ができない。俺と里奈も突き飛ばされてしまう。

「くっそぉ‼︎」

    敦は必死に戦う。次の瞬間、ドラゴンの口から炎の球が放たれた。敦はギリギリの所でそれを避けるが、ドラゴンの足に蹴られ、壁にぶち当たる。

「強い!強すぎる‼︎亡霊騎士以上の強さだ‼︎」

    俺は喚く。それもそのはずだ。こいつはあの扉の番人。恐らく、この世界で一番強いモンスターだろう。今までここに来た挑戦者を、次々と殺していったんだ。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。

「俺は諦めない!絶対に生きて帰るんだ‼︎」

    現実世界へ帰るための戦い。その最後の戦いが、今幕を開く。

    

    




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