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21
俺達は、何度倒れても立ち上がり、ドラゴンに向かっていく。だが、ドラゴンはとても強力で、何回攻撃を喰らわせても、全く怯まない。
再びドラゴンは、空中に高く舞い上がった。
「ま、まずい!あの攻撃だ!」
直樹が叫ぶ。それと同時に、ドラゴンは口から炎の球を放つ。乱れ打ちしてくるため、どう避けたらいいのかが全く分からない。
やがて、炎の球の一つが直樹の左腕に直撃した。直樹は左腕を押さえ、その場に座り込む。
「直樹さん!大丈夫か⁉︎」
俺は直樹の元に駆け寄る。見ると、左腕は大火傷を負っている。
「酷いな……直樹さんはこっちに!無理するな!」
「危ない‼︎」
俺が直樹の手を引こうとした瞬間、直樹は俺を突き飛ばした。俺は倒れ込み、すぐに起き上がる。見ると、直樹がドラゴンに踏み潰されていた。
俺が直樹に気を取られている間に、ドラゴンの飛行時間が終了してこちらに降りてきたのだろう。このまま戦っても、自分は足手まといになると思い、直樹は俺を助ける道を選んだのだ。
「な、直樹さん‼︎」
ドラゴンの足の下から、直樹の上半身だけがはみ出している。
「ぐ……せっかく一郎に助けてもらったのに、これじゃ、一郎に怒られるな。」
俺は何もできず、ただ直樹を見ていた。
「優、皆!お前達と出会えて、楽しかった……。勝てよ‼︎」
そう言い残し、直樹は消えていった。
「な、直樹さーん‼︎‼︎」
俺はその場に座り込み、悔し涙を流す。
「……直樹さんまで……くっそー‼︎」
俺は涙を拭うと、再び剣を拾う。
「奴は今着地している!今がチャンスだ‼︎」
そう言い、俺はドラゴンに向かっていく。敦や里奈達も、俺に続いて攻撃に向かう。
俺はドラゴンの背後に回る。だが、俺はドラゴンに気付かれてしまった。ドラゴンは俺の方を向き、鋭い爪を振り下ろす。俺は横から思い切り剣を振り回す。
剣と爪がぶつかり合い、鈍い音が響く。しかし、俺は押し負け、三メートル程飛ばされてしまう。
「っくそぉ‼︎まだまだぁ‼︎」
俺はやられても、何度も何度も立ち向かっていく。俺だけではない。里奈達も同じだった。
「ここは皆の力を合わせよう‼︎一人で突っ走っても意味はない!今生き残ってる俺達の力を、最大限に高めるんだ‼︎」
大平が叫ぶ。確かに、大平の言う通りだ。一人で戦うより、五人の力を合わせた方が、よりクリアへと近付くし、より戦いやすくなる。
大平は一旦全員を集め、作戦を立てる。
「よし!なら、そういう手筈でいく。異論はないな?」
俺と里奈、敦は頷く。だが、ノアは突然立ち上がり、ドラゴンの方へと歩き出す。亡霊騎士との戦いの時の様に。
「お、おいノア!どうした?何か言いたい事があるなら言ってくれ!」
大平が叫ぶ。ノアは振り向かずに口を開く。
「俺が皆を守らなきゃいけない。俺にはそういう使命があるんだ‼︎」
「え?ちょ、ちょっと待て!言ってる事がさっぱり分からんぞ‼︎」
大平はノアを呼び止めるが、ノアは一人でドラゴンに突っ込んでいく。
「うおぉぉー‼︎」
ノアはいつもの素早い連撃をドラゴンに叩き込む。そのとても素早い動きに、ドラゴンは戸惑っている様だった。
いける!勝てる!ノアは心の中でそう思う。ノアは高くジャンプし、ドラゴンの頭に剣を突き刺そうとする。しかしーー。
「なっ‼︎」
ドラゴンは敢えて、自分の頭をノアに近付ける。その動きを予想していなかったノアは、軌道がずれてそのまま落下してしまう。そして、着地する事なくドラゴンの鋭い爪に切り裂かれてしまう。
「の、ノアー‼︎」
俺達は倒れたノアの元に駆け寄る。だが、もうすでに遅く、ノアの体は透明になりかけている。
「ノア!何であんな無茶を⁉︎一人で戦うなって言ったのに‼︎」
俺は叫ぶ。ノアは力ない声で言う。
「ハハッ、ダメだった……使命、果たせなかったな……。」
「だから!使命って何だよ‼︎」
ノアの言葉に、俺は更に問う。
「優……俺、実はさ」
言い終えない内に、ノアは消え去っていった。
「の……ノアー‼︎‼︎」
俺は叫ぶ。
「くっそー……こんなちょっとの間に、仲間を二人も失うなんて……!」
俺は拳を握り締める。他の三人も二人の事を考えていたらしく、涙を拭う姿が見られる。
「今は、悲しむ時じゃねぇな。」
「えぇ、そうね!」
「やるっきゃねぇか!」
三人の言葉に続き、俺も叫ぶ。
「よし!次の勝負で決めるぞ!最終決戦だ‼︎」
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