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俺達は三人で力を合わせ、巨大な熊モンスター『ジャイアント・キング・ベアー』に立ち向かう。相手は巨大かつ、とても素早い。敦は真正面から勝負を仕掛ける。俺と里奈は後ろから敦の援護をする。俺達の攻撃に、熊モンスターも次第に追い込まれていく。
だが、その作戦だけではない。俺達の何よりの武器。それは、チームワークだった。
こいつを倒さなければクリアできない。陽一の仇を討つ。そういった感情が、更に俺達を強くしているのだ。
「よし!このまま勝負を決めるぞ‼︎」
敦の一声で、俺と里奈も剣を構える。終わる。次の一撃でーー。と、その時だった。
「んな⁉︎何ぃー⁉︎」
突然、熊モンスターの行動パターンが変化したのだ。その予想外の攻撃に、敦は吹っ飛ばされ、建物の壁にぶつかった。
「敦‼︎大丈夫か⁉︎」
俺達は敦の元に駆け寄る。
「あ、あぁ。何とかな。でもよ、いきなり何だ⁉︎あんな動き、今までしなかったぞ!」
敦は頭部をぶつけたらしく、頭を押さえながら喚く。敦の言う通りだ。熊モンスターは、今まで一度もなかった動きを突然したのだ。だが、そんな事はよく考えれば分かる事だった。
「俺達は、まだ心のどこかで、これがゲームか何かだと思い込んでいるんだよ!これはゲームじゃないんだ。あの熊も、俺達と同じ様に意思がある。動きが変化するなんて、当たり前の事だったんだ!」
俺の言葉を聞き、敦と里奈は驚いた表情になる。だが、俺自身も本の十数秒前までは二人と同じ考えだった。
里奈は立ち上がり、再び剣を握る。
「二人共、何ボーッとしてるのよ!早くあいつを倒さないと!このままじゃ、いつまで経ってもクリアできないわよ!」
里奈は一人で立ち向かう。俺と敦も剣を握り締め、里奈の後を追う様に熊モンスターに向かっていく。
「よし!二人共いくぞ!」
敦はそう叫び、ジャイアント・キング・ベアーの懐に突っ込んで行く。俺と里奈は変わらず、敦の援護をする。今度は先程の反省を踏まえ、熊モンスターの動きに注意しながら攻撃をする。
「敦さん!危ない‼︎」
里奈の叫びを聞き、敦は上を向く。見ると、熊モンスターの拳が敦の頭上に迫っている。懐に集中し過ぎて、腕などの攻撃を忘れてしまっていたのだ。
「ぐ……」
敦は乾いた唾を飲み込む。敦は避けようとするが、腕の速さに追いつかない。避けるには手遅れだった。その時。
「うぉぁー‼︎」
俺はすかさずそこに入り、熊の腕に向かって剣を思い切り振り上げる。その攻撃は何とか熊の腕に命中したが、俺は数メートル先に飛ばされる。
「優君!」
里奈と敦が俺の所に駆け寄る。
「優君‼︎大丈夫⁉︎」
「あぁ!何とかな。」
俺はぶつけた所を押さえながら言う。
「優、悪りぃな。お前が助けてくれなかったら、死んでたぜ。」
「何言ってんだよ!仲間なんだから、助け合うのは当たり前だろ!」
申し訳なさそうな敦に、俺は笑顔で言い返す。
気を取り直し、俺達は最後の攻撃へと向かう。
「三方向から奴を挟んで止めを刺すぜ!いいか⁉︎」
敦の声に、俺と里奈は頷く。熊モンスターは俺達の方へと走って来る。
「喰らえ!」
まずは俺が右側から熊モンスターの横腹に剣を突き刺し、そのまま横腹を切り裂く。熊モンスターは呻きながら、切り裂かれた横腹を手で押さえる。
次は里奈が、左側の横腹を俺と同じ様に切り裂く。左右両方の横腹を切り裂かれた熊モンスターは、左右を交互に見ながら呻く。
最後は敦が、熊モンスターの懐に向かって走る。まずは腹の下に剣を突き刺し、そのまま力任せに剣を上にスライドさせる。
「いっけぇ、敦ぃ‼︎」
俺は興奮に任せ、そう叫ぶ。
「敦さん!」
里奈もまた、俺と同じだった。
「うぉぉ‼︎くたばれぇぇぇ‼︎」
熊モンスターの上腹から剣を抜き、その場に倒れ込む。熊モンスターは呻きながら、仰向けに倒れる。直後、その巨体は次第に透明になっていき、やがて消滅した。
それから約数秒、街は静寂に包まれる。だが、次第に人々がざわつき始めた。街の人々は、熊モンスターを倒した俺達を褒め称えた。
「すげぇ!すげぇよあんたら‼︎」
「尊敬しちゃったわ‼︎」
そういった声が辺りから上がる。
朝になり、俺は街を出る事にした。街を出ると、道は三つに分かれている。
「俺は、右側の道を行くつもりなんだが、お前らはどうする?」
敦が言う。俺と里奈は、一斉に行き先を指差す。俺は真ん中、里奈は左側だった。
「全員、別々の道か。」
俺は少し寂しい表情になる。
「でも、敦さんと優君なら、これから先も生き残れる気がする。……私も生き残るから。絶対に、死なないから‼︎」
里奈は不安な表情になるが、すぐに元気な表情になった。
「あぁ!俺達、絶対にまた会おうな‼︎約束だぜ‼︎」
敦は自信満々な表情だ。俺達は拳を合わせる。
「なら、二人共……またな‼︎」
俺達はそう約束し、それぞれの道を行く。俺は、絶対にこの世界をクリアする!絶対に明里姉ちゃんの足を取り戻す!
それぞれの想いを胸に、俺達は新たな一歩を踏み出す。
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