妖精達と歩む大空   作:グリーン

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Fairy Days
炎と雷


-ギルド近くの森の中

 

正式にギルドの一員となったツナは持っていた宝石を売って、ミラに紹介された自身の住居となるアパートに入居した。家具、食料なども揃え新生活の準備は万端だ。そして、ギルド近くの森の中でナッツと初代から貰ったボックスを開匣する。そして、ナッツが新しいボックスに移ってしばらくすると、パワーアップしたナッツがその姿を現した。

 

「これがお前の新しい姿か…ナッツ。」

 

額の装飾にはフェアリーテイルの紋章がうかび、背中に炎の羽が生え、空中をまるで歩くかのように飛翔する新生ナッツ、

 

天空ライオン(レオネ・ディ・チェーリ)Ver妖精(フェアリー)』が誕生した。ツナがその姿に感嘆していると、

 

「見つけたぞ~!」

 

ナツを先頭に、ハッピー、ルーシィ、エルザ、ウェンディ、シャルル、グレイ、ミラが姿を現した。

 

なぜここが分かったのか問うと、ナツが真顔で匂いを辿ってきたというのでツナは顔をひきつらせる。女性陣の視線はナッツに釘付けだ。ミラの目が怪しく光るのをみたツナは、早々にナッツをボックスに閉まった。不満を漏らす女性陣を宥めながら用件を聞くとナツが、

 

「勝負だ!このやろう!」

 

「え~?」

 

「朝からずっとこの調子なのよ…」

 

「うむ…だが興味深い一戦だ。」

 

「さっさとやられちまえクソ炎。」

 

「さっきからずっとこうなんだ…お願いだから勝負してあげて~」

 

「はぁ…分かったやろうか…」

 

「よっしゃあ!!さあやるぞ!!」

 

ナツは全身から炎を噴き出してヤル気満々だがツナには覇気がない。両者構えると、みんなの目が点になった。

 

「おい、ツナ…それはなんだ?」

 

「それって?グローブだけど?」

 

「ど~見ても手袋じゃねーか!」

 

グレイの指摘にニヤリと笑う。

 

「ところがこうすると…」

 

額に死ぬ気の炎を灯すと、ミトンがグローブに変わる。

 

「さらに俺はリングの力を引き出しグローブに宿すことができる。XグローブVer妖精の指輪(フェアリーリング)だ。さぁ始めようか。」

 

手の甲の水晶のような部分にフェアリーテイルの紋章が浮かぶ。それだけでフェアリーテイルの面々は凄まじい魔力を感じる。

 

「へへっ!燃えてきぜ!火竜の鉄拳!!」

 

「遅い!」

 

一瞬でナツの後ろに回り強烈な蹴りを加えるツナ。

 

「何!」

 

「なんという速さだ!」

 

「全然見えないわ!」

 

ギャラリーは驚愕する。

 

「くそっ!火竜の翼撃!」

 

ツナは炎を推進力に空中に浮かび、ホバリングしながらナツを待つ。ナツは足から炎を噴き出して後を追う…がツナは空中を自在に動きながら連続攻撃を繰り返しナツは防戦一方だ。ハッピーのいない状態だと空中戦はできない。ナツはあくまでも飛ぶじゃなく跳ぶだからだ。

 

「すげぇ…」

 

「あのナツさんが…」

 

「ここまで手も足もでないのか…」

 

「ナツ~!がんばれ~!」

 

「Xストリーム!!」

 

ツナがナツの周りを超高速で旋回し、炎の竜巻を作り出す。フェアリーリングによって以前より威力が上がっている。ナツは炎を食べて回復しようとするが、三半規管を揺らされ頭をクラクラさせながら落下する。

 

「火竜の咆哮!!」

 

何とか着地したナツが全力で口から炎を吐き出す。当たれば大ダメージかと思われるが、ツナは微動だにしない。その額の炎が激しくノッキングしていることに誰も気付かない。そして炎が直撃した。

 

「ツナー!!」

 

「ツナ!」

 

「やべぇ!まともにくらったぞ!」

 

「何故避けなかった…」

 

「ツナさん…」

 

「待って、あれは?」

 

「炎が集まっているの?」

 

ツナがいた場所へ炎が急激に吸い込まれていく。そこには、右手を相手に左手を自分に向けた形でその手に炎を吸収するツナがいた。そしてツナの炎がさらに強大になり、激しく燃え盛る。ナツの炎を自分の力に変えているのは明らかだ。そしてツナも地面に降りる。その瞬間、ナツの前に移動したツナはナツのボディに強烈な一撃を加え、前のめりになったナツの首筋に手刀を当てる。ナツは声をあげるまもなく意識を手放した。

 

 

 

「ふぅ…」

 

「ナツをあっさりと完封するとはな…」

 

エルザが感心したように呟く。ナツはウェンディが治療中だ。すぐに目を覚ますだろう。

 

「エルザもやるんじゃなかったっけ?」

 

ルーシィが問うが、エルザは首を振り、

 

「いや…止めておこう。正直勝てないだろうし、それでも食らいつこうとすれば、それは試合ではなく殺し合いになってしまう。ミラは?勝ってナッツを貰うんじゃなかったのか?」

 

-それってカツアゲじゃあ…?-

 

みんなが思ったが賢明なことに口には出さない。

 

「残念だけど勝てないでしょうし、諦めるわ…残念だけど…」

 

二回言った!とツッコミ属性持ちのツナとルーシィは心の中でツッコんだ。溜息を吐きながらツナは、

 

「じゃあナツを起こして帰りま…」

 

「なら、俺とやってくんねーか?」

 

帰ろうとしたツナ達の前に雷と共にラクサスが現れた。

 

「ラクサス!」

 

「エルザもミラもやんねぇんだろ?だったら俺と勝負しようぜ。」

 

「ほう…自分なら勝てると?」

 

エルザが少し目を細めて問うと、ラクサスは苦笑して首を横に振る。

 

「いや…多分負けるな…」

 

その言葉にグレイ、ミラ、エルザ、ルーシィは言葉を失う…かつての彼からは考えられない台詞だからだ。

 

「…かつての俺は自分の力に絶対の自信を持っていた。だがこの世に俺より強い奴はいくらでもいやがる。ハデスのジジィやアクノロギアなんて化け物もな。ナツのように格上の相手に食らいつこうする強さが必要だ。だから頼む。俺と闘ってくれ!」

 

「…分かりました。」

 

ツナは死ぬ気の炎を灯し戦闘態勢を整える。ラクサスも雷を身に纏い準備が整う。

 

「最初から全力で行くぜ。」

 

「ああ…エルザ合図を頼む。」

 

「では…始めっ!!」

 

エルザが手を振り下ろした瞬間、二人の姿が消え、空中で二人が激突する。二人は空中で何度も激突を繰り返し目にも止まらぬ速さでその衝撃と音が鳴り響く。

 

「きゃああああ!」

 

「なんつー闘いだ!」

 

「あ~!ツナの奴、俺との勝負は?何でラクサスとやってやがる?」

 

「ナツ~あっさり負けちゃったよ…」

 

「何ぃぃぃっ!!」

 

「うるせぇぞ!!」

 

「なんだとこの…」

 

「貴様ら!これ程の勝負はめったに拝めんぞ!!しっかり目に焼き付けんか!!」

 

「「あい…」」

 

「二人とも互角なんでしょうか?」

 

「いいえ。良く見て。ツナの攻撃はヒットしてるけど、ラクサスの攻撃はガードされたり避けられたりで当たってないわ。」

 

「見えません…」

 

「あい…」

 

「見える方がおかしいわ。」

 

下でごちゃごちゃしている間に空中ではさらに激しく闘いが繰り広げられていた。

 

「雷竜の顎!!」

 

ラクサスが手を組み振り下ろしたハンマーパンチを下に潜りこむことで躱すがラクサスはニヤリと笑う。この技は振り下ろした直後に、雷の追加攻撃が発生するからだ。…だがツナは来るのが分かっていたかのように、体を回転させて紙一重で避け、上昇して遠心力たっぷりの蹴りを食らわせる。飛ばされながらもラクサスは右手に雷を集めツナに放つ。

 

「雷竜方天戟!!」

 

ツナは左手をかざし、炎の壁を作る。調和の属性を持つ壁が雷の槍を散らす。だが壁のせいでツナの視界から逃れたラクサスは、威力より速さを重視してツナの真上に雷を作り出す。

 

「レイジングボルトォ!!」

 

見えない場所からの攻撃をツナは、ラクサスに向かって前進することで避ける。そのまま動きの止まったラクサスに突っ込み顔面を殴りつける。

 

-くそったれ!俺の動きを全て読んでるのか?!マジで強ぇ…だがこのまま終わらねぇぞ!!-

 

殴ったツナの右腕を左腕で掴まえる。純粋な力ではラクサスの方が上だ。そのまま電撃を流し込む。

 

「くうぅっ!」

 

初めてツナが苦悶の声をあげる。ツナは左腕で二度三度と殴るがラクサスは痛みを無視して右腕に全ての力を集中する。ツナはサマーソルトキックのように縱回転し、無防備なラクサスのあごに蹴りをいれる。思わず左手を離し、意識を持っていかれそうになるラクサスだが、最後の力を振り絞りツナに向かって右拳を突き出す。

 

「滅竜奥義!鳴御雷!!」

 

ツナは零地点突破・改でその魔力を吸収しようとするが間に合わない。ラクサスの一撃を受け辺り、に雷鳴と閃光と煙がほとばしる。

 

「うおぉぉぉぉっ!」

 

「どうなった?!」

 

「ラクサスの一撃が決まったように見えたが…」

 

「ツナ…」

 

「無事よね?」

 

「ツナさん…」

 

煙が晴れるとそこには、気絶したラクサスの右腕を掴んで浮いているツナがいた。ツナも電撃を食らったのか、かなりダメージを受けたようだ。そのままゆっくり降りてくる。

 

「ウェンディ、ラクサスさんの治療をお願い。」

 

「はいっ!」

 

「よくツナは無事だったな。最後の一撃はくらったんだろ?」

 

グレイの問いにツナは疲れて座り込みながら、

 

「どうにか半分くらいは吸収できたからね。まともにくらったらさすがにヤバかったよ…」

 

「さっきナツの炎を吸収した技だな。一体どんな技なんだ?」

 

「死ぬ気の零地点突破・改と言って本来は相手の死ぬ気の炎を吸収して自分の炎に変える技なんだけとね。マスター…マカロフさんから俺の炎が魔力を発しているって聞いたからナツやラクサスさんの魔力を吸収できるかもと思ってね。やってみたらできちゃった。」

 

「じゃあ吸収できなかったら…」

 

「食らうね。普通に。」

 

「あっさりし過ぎだろ!!」

 

「そんな危ないことしたの?!」

 

「そうです!危険ですよ!!」

 

「ツナにはお仕置きが必要かしら♪」

 

ルーシィ、ウェンディ、ミラに怒られてタジタジになるツナ。特にミラの笑顔が怖い…

 

「なるほどな…」

 

ラクサスが気付く。みんなが視線を向ける。

 

「ありがとな。ウェンディ。」

 

視線を反らし礼を言うラクサスにみんなの視線が生暖かくなる。

 

「ツナはどうやって俺の動きを読んでたんだ?」

 

「そーだよ!俺の攻撃も全部読まれてみたいに避けられたぞ!」

 

ラクサスとナツの問いにツナは言いにくそうに答える。

 

「読んだんじゃなくて直感で感じたんだ。」

 

「「「「「「直感!?」」」」」」

 

「俺がジョットから受け継いだ力は死ぬ気の炎と、全てを見通す力…超直感って言うんだ。」

 

みんな唖然としている。あれだけの猛攻を直感で避けられたらたまったもんじゃない。

 

「そうか…ありがとな。いい経験になった。今度やる時は絶対負けねぇからな!」

 

「ラクサスさんも強かったです。それにあなたの信念も…あなたとの再戦に備えて俺ももっと強くなります。」

 

「ふっ…じゃあな、ジジィには黙っとけよ!破門中の奴が喧嘩売ったと知れたらうるせぇからな!」

 

ラクサスは雷を纏って飛んでいった。

 

「やれやれ…」

 

「俺も負けてらんねぇ!!ツナ勝負だ!」

 

「ナツはまだ早いんじゃないかしら。」

 

「ミラ!そりゃねーよ!」

 

「ミラちゃんの言う通りだクソ炎。さっきブザマに負けたばっかりだろ。」

 

「なんだと!パンツ男!」

 

「ほう…貴様ら元気が有り余ってるようだな…私が相手になろうか?」

 

「「え…遠慮します…」」

 

「ツナさん来てください!治療しますから!」

 

「そうよ!早くしなさい!」

 

「それともお仕置きかしら…?」

 

「分かりました!すぐ行きます!」

 

ツナは森のある方向を見ながら三人のもとへ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツナには気付かれっちまったか…鋭い奴だ。それにしてもラクサスも成長したな。破門を解いてもいいんじゃねーか?」

 

「フン…まだ早いわい…」

 

一部始終を見ていたマカロフとギルダーツが話している。マカロフは悪態をつきながら踵を返す。

 

「それよりもツナはS級でもやっていけそうじゃな。今度伝えておこう。」

 

そういってギルドへと戻っていった。

 

「素直じゃないねぇ…嬉しいくせに。それにしてもツナはまだ力を隠してそうだな。俺もうかうかしてらんねぇな…」

 

ギルダーツは頭をかきながら嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

今回の闘いでツナは二種類の滅竜魔法を吸収した。それがどのような結果を生むか分かるのはまだ先の話である。

 

 




ツナさらに強化フラグ!チート過ぎ?でもアルバレス編はナツもラクサスも強いからツナもさらに強くしないと…
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