Chrono Reuniter クロノ・リユナイター 〜Xeno Chronos EpisodeⅣ〜 作:ラクダのコブ
ゼノシリーズ、クロノシリーズの二次創作だけど、なるべく本編を生かしたままサイドを膨らまします。他作品のパロディは控えます。
オリジナル主人公ですが、原作キャラが好き勝手に動きます。ファンの方申し訳ありません。
遠い未来。人類が何度も繁栄と衰退を繰り返した未来。
地球から最も近く、最も遠い世界に、その石碑はあった。
未だかつて1人しか立ち入る資格を持たなかった、名もなき楽園。軋んだ時の破片達が散らばった闇から、最も遠くにある場所。
永遠の深さを醸す青空と完璧な形を表現する雲の下、完成された生命力を満たす草たちに覆われた小高い丘の上、不自然に自然な小径の終点に、その石碑はあった。
丘の上には撫でるような風が吹き、そこから緑と青の境界線を観測できる。
側で女の子が眠っている。彼女は、旅人。
彼女と石碑は、いや、かつてその石碑を彫り斃れた男も、ある人物のことを待っている。
その男は、誰よりも愚かで、誰よりも賢く、誰よりも臆病で、誰よりも勇敢だった。
戦の時には英雄となって先鋒を担い、苦難の時には聖職者のように人に分け与えた。
その男は今も、旧知の場所で時と闘っている。
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A.D.???
黒の夢 内部
爆音。魔物の叫び声。
男は、浅い呼吸をしていた。
この空間は奇妙だ。全てが早く流れる。
爆風も、機械の放つレーザーも全てが早く、まるで男の感覚のみが置いていかれているようだった。
機械、魔族、その他得体の知れない生物達が、男の前を塞ぐ。一体一体は大したことがないが...
「俺には文字通り"時間"が無いな」
男は自分で言ってニヤリと笑う。
今この瞬間にも、世界は勝手に再構成されている。これは彼の、彼女だろうか、"かのもの"との競走なのだ。
男の任務は早く始点と終点を繋げること。"かのもの"の任務は世界を錯綜した形で継接ぎすること。世界の天秤は、早い方に傾くのだ。
男は、首にかけたペンダントに連なる青い宝石と小さな卵を握りしめ、白い剣を低く構えた。
「ちょっと勿体無いけど、さっさと切り抜させてもらうぞ」
「"ジャンプ"」
男の輪郭がブレる。男は走り出した。
狭い廊下、逃げ道なし。前方にルインゴーレム5体。前衛3体、後衛2体。ともに射出口を開け、ミサイルを覗かせている。しかしミサイルにブースターが灯る頃には男は撹乱するかのように回りながら飛び上がり、前衛の3体に横薙ぎの一刀を刻んでいた。
少々硬いが、この剣に斬れぬ程ではない。余裕だ。
後衛2体のミサイルが発射される。計10機。男の目が青く光り、男はミサイルが追尾式であること、そしてルインゴーレムの先でさまようものがその大きな眼を開いたことを知った。
「まずいな」
その瞬間男は空中で消えた。
男はすでに剣を収めていた。いつの間にかさまようものの後ろにいる。
「一対多なんてズルするなら、こっちにもズルさせてくれてもいいよな・・・」
「そうか、もう聞いていないか」
「・・・"フルストップ"」
機械の兵と単眼の生物は、乱れ傷を付けられ倒れた。
ジールのいる大広間は、まだ遠い。男は深呼吸をして、「よし」という小声とともに前進を続ける。
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石碑にはこう書いてある。
星の夢を渡り、生命を癒し、闇を払いし三人の運命の子らよ。
君達は時の可能性を無限大に拡げ、全ての生命を救うだろう。
時の力の功罪を思い知り、恒久の愛を悟り、全ての夢を見よ。
その時、全ての生命の、全ての夢をすら救うことができるだろう。
夢は僕らの中に生きている。そして、全ての夢見る者達の為に。
ユーリ・アルファド
少女が夢から覚めるのは、まだ"未来"のことだ。
Chrono Reuniter 〜Xeno Chronos EpisodeⅣ〜