とある魔術と恋姫†無双   作:近衛龍一

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一方通行、バカ二人に呆れるのこと

前回までのあらすじ

 

突然見知らぬ土地に放り出された俺、一方通行、浜面の三人はーー

 

「三下ァ。ンな余計なことやってねェでこっちに集中しろォ」

「少しくらいいいじゃんか!というか地文なんだからお前自重しろよ!?」

 

止められたのでこれ以上はしないが、とりあえず今の状況だけでも。

縄でグルグル巻きに縛られた俺と浜面はそのまましょっ引かれて行き、大きな城へと連れられた。

一時は牢獄行きかとド肝を抜かれたが、どうやら先に裁きがあるらしく悠々と歩いている一方通行と共に玉座の前に正座させられている次第である。

 

「っておかしいだろ!?何で一方通行だけ普通なんだ!?」

「そうだそうだ!つか俺なんて大将より巻き方キツいし!どんな縛り方すればこんな風になるんだ!?後で解けるんだろうな!」

「黙っててよ。君たちは今不審者ってことでここに出されてるんだから」

 

先程俺達を捕まえるように言っていた少女は今玉座の隣に座っている。

見た感じ室女か、王妃か、どちらかといったところだろう。

そしてこっちの方が重大問題なのだが、側近のお姉さんがエロい。

さっきの女の子も十分エロい格好なのだが、それ以上に格好がエロいのだ。

まず銀髪のお姉さん。

肩や首周りを大きく露出して胸の谷間が見え放題。

から見える脚が……これ以上言うのはやめよう。

捕まる。割とマジで。

次の紫髪のお姉さん。

大きな胸を覆うのはサラシ。

けど全てを隠しきっていないところがエロい。

ただその上に男物の着物を羽織っており、何となく一方通行知り合いの結標さんを思い出す。

下は袴、靴は下駄というところからこういう格好が好きなのだろう。

何とも男心を擽る2人のお姉さん格好ではあるが、2人に共通して気になることがある。

武器なるものを持っていることだ。

銀髪のお姉さんは斧を。

紫髪のお姉さんは大刀を。

双方真面目な厳しい表情なので様になっているが大きさからして女の人が持っていて自然なものではない。

 

「ンで、まだなのか?俺達も暇じゃねェンだわ。出来ればさっさと終わらせてェンだが」

「待ちなさい。月……あの方もお忙しいの。ただでさえ連合軍が……っと。と、とにかく黙ってて」

 

ちょいちょい隠すように言葉を選んだメガネっ娘。

ここも色々と忙しいのか。

 

「にしても今時こんな城あるんだな。初めて見たぜ」

「はァ?おい三下ァ。お前今何て言った?」

「いや、だからこんなリアルな城に住んでるなんて珍しいな、って。浜面もそう思うだろ?」

「そうだな。技術が進んでるこのご時世に城なんてよ。それもだいぶ豪華だぜ、ここ。どれだけ金持ちなんだよ」

「お前ら、まだここが現代じゃねェってことも分かってねェのかよ……」

「は……?現代……?それどんな言い回しだ?」

「意味深な言い方だな。詳しく教えてくれよ」

「とんだ脳内お花畑がいたもんだ……。つゥことは今俺達がどンな状況下にいるのか知らねェってこった」

「「…………?」」

「頼むから揃ってアホ顔すンじゃねェよ……」

 

はぁ、と大きくため息を吐く。

いつも疲れている顔がより一層疲れて見える。

う〜ん……ここは少しくらい考えよう……。

 

豪華なお城……。

変わった格好のお姉さん達……。

古い武器……。

ここは現代じゃない……。

 

これから導かれることは……はっっ!!

 

「ここは日光江戸村!?今って時代劇の撮影してる!?」

「マジで!?やっべ!俺化粧してないんだけど!B級だったら絹旗が見るかもしるじゃねぇか!」

「お前らオブジェにして欲しいンだな!? どこの時代劇がアドリブで撮影すンだよ!」

 

ブチ切れられてしまった。

くそっ……。

我ながらいい考えだと思ったのに……。

 

「なら何だってんだよ。もったいぶらないで教えてくれよ」

「ったく……。いいかァ、ここは俺達の知ってる世界じゃねェ。おそらく過去かパラレルワールドってことだ」

「あ〜……一方通行さん?いきなり何を仰ってるんでございますか?」

「過去だのパラレルワールドだの信じられるかよ」

 

自信満々に語る一方通行だが、多分俺よりぶっ飛んだことを言ってる。

まだアドリブ時代劇の方が信じられるだろ。

 

「昔木原のクソ野郎から聞いたことがあるンだが、この世界にはゼロ次元の極点っつゥもンがあるらしい」

「ゼロ次元の極点?」

「n次元を切断するとn−1次元になるって話なンだが、一次元を切断したゼロ次元の極点を手にすると物体をどこにでも飛ばすための中継地点を作れるらしい」

「それってお前の仲間の結標さんでも出来るじゃないか」

「違うな。能力による移動は重さ、距離なンかが制限されるが、ゼロ次元の極点をつかえば制限はない。銀河の果てに数百トンの物を飛ばすことも可能って訳だ」

「だけどそれが過去だのパラレルワールドだのとどんな関係が?」

「ゼロ次元の極点を使った座標移動は3次元からゼロ次元を通って移動する。つまり次元の移動、ないしは異空間を飛べるかもしれねェって訳なンだよ」

「タイムマシンに乗った時に通ってるあれと似たようなものだな」

「例えが幼稚だがそんなもンだ。だから可能性として過去にいったり全く違う世界に行くこともありえない話じゃないんだよ」

「だからってゼロ次元の極点が本当に存在するとは限らないんだろ?」

「あァ。仮にゼロ次元の極点がなくとも過去への移動は考えられるんだ。お前が言っていた結標の座標移動は11次元の計算をしてる。これは10次元+時間軸が加わって計算されるもンで、能力じゃ限界があって時間枠を大幅に飛ぶことはできねェものの、やろうと思えば可能なんだ。実際俺も11次元の計算をすることがあるが、レベル6にでもなりゃ時間移動くらい出来ンだろ」

「能力ってそんなところまで行ってるのか……?や、やべぇ……」

「これで理論上は移動出来る。ここにイレギュラー要素の魔術でも加わればレベル6の力が無くても……って訳だァ」

「じゃあこれには魔術が……?」

「知るか。言いたいことは何らかの偶然が重なって俺達が異空間に飛ばされたってことなンだよ」

「な、なるほど……」

「少しは言ってることが分かったか……ってバカ面! てめェ寝てンじゃねェぞ!」

「はっ……! べ、別に寝てなんてないぞ!ただバニーさんがこう、ふわふわ〜とだな!」

「ッチ…。バカに話しても分からねェか……。まァいい。本題はそれを前提として何でここが過去やパラレルワールドかって思ったかだ」

 

ここまでの話だけでも結構キツかったが確かに本題はここからだ。

もうダウンしかけの浜面は当てにならないし、ここは俺がしっかり聞くしかない。

 

「まずはあの盗賊共だな。古い刀を見て不自然に感じた。スキルアウトでも刀なんざ持っちゃいねェよ。格好も古臭かったしな。次は連行の時だ。手錠や専用の拘束具じゃなく、古典的に縄で縛ってた。雁字搦めのところをみると逃がしたくなかったようだし、それだと尚おかしい。ンでこの城は言うまでもないが、決めてはそこの女だ」

「あの紫髪の人か……?」

「あァ。あいつが持ってる大刀は俺の記憶が正しければ偃月刀だ。昔の中国の武器で結構な武将じゃねェと持ってねェって話だけどよォ」

「武将が? でもあの人はどう見ても女……」

「女武将ってェのがいてもおかしくはねェだろ」

「ま、まぁ……」

 

話だけだと過去の時代にいると言われても納得できる。

だけどどうも実感がな……。

 

「浜面、どう思う?」

「さぁね。もう俺の頭じゃさっぱりだよ」

「危機感感じたンならちったァ頭働かせろォ」

「危機感?捕まりはしたけどすぐ帰されるだろ」

「ンなわけねェだろ。あのなァ……」

 

「さっきからこそこそと何を話してるの? もう準備が出来たから三人とも黙って」

 

一方通行が何か言う前にメガネっ娘に止められてしまった。

たかだか城の近くを歩いていただけだ。

身体検査受けて解散とかじゃないのか?

 

「まァいいか。俺も確信は持ってねェわけだし」

「………?」

「気ィつけとけ。ボーッとしてっと殺されンぞ」

「ちょと待て…それどういう……」

「黙れって言われただろォが」

 

いや、言われたけど。

ダメだろ、そんな意味深発言残したら。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

考えたらすげーシュールな絵面だと思う。

険しい顔してる一方通行と、対象的にポカンとしている俺、浜面。

なのにポカンとしている俺達は縄できっちり縛られていて、一方通行は平然と胡座で座ってるんだから。

 

一方通行が突然驚きをみせたのはつい先程。

俺達の前に登場した少女が名を名乗ってからだ。

告げた名は董卓。

どっかで聞いたことがない気もしないが思い出せない。

お偉いさんが着ているような格好で現れた少女はぺこりと頭を下げて言う。

 

「ここ洛陽とこのお城を治めてます」

「「はあぁぁ!?」」

 

俺と浜面は思わず声を荒げてしまう。

こ、こんな小さい女の子がこの辺の地域と城を!?

冗談だろ!?

どう考えても不安過ぎるだろ……。

この子には悪いが絶対すぐに潰れるだろ。

その実力と手腕がどれほどか知らないが所詮は子供。

村一つとはいえ治めるのにもそれなりの知識、経験が必要だろうに。

 

「こら月!何で丁寧に自己紹介してるの! こいつらにそんなこと言わなくていいの!」

「で、でもまだ悪い人って決まったわけじゃないし……」

「それでもこの辺をうろついてたんだから連合軍の斥候かもしれないでしょ!」

 

メガネっ娘が董卓を叱り、董卓はシュンとなる。

やっぱ村一つ治めてる器に見えねぇ……。

なんで室女ポジの人に叱られてるの……。

………まぁ今はそれより、だ……。

 

「おい大将……」

「あぁ、考えてることは一緒だな……」

「「斥候って何?」」

「死ねよバカ共」

「上条さんは本気で質問したんですよ!?」

「イケメンか!?イケメンって意味か!?」

「文脈から考えてそれはねェだろ。簡単に言えばスパイみてェなもンだ」

「なんだスパイか」

「この辺をうろついてたスパイって意味ね。人生初の逆ナンと思ったのに」

「アホか。うろついてた野郎が怪しいから捕らえました。処刑して殺しましょォかって話してンだよ」

「なるほど。ようやく理解」

「俺も」

「「………それってヤバくね!?」」

「だからお前らは一々遅ェンだよ……」

 

待って待って!

これって俺達の生命に関わる話してるんですか!?

出てきた子からは和みのオーラ出てますけど!?

 

「な、ならなんでお前慌ててないんだよ!」

「そ、そうだ!少なくとも逃げるなりなんなりのアクションを……!」

「何で逃げンだよ。斥候じゃねェンだから逃げる必要なんてねェだろォが」

「「………あ」」

 

な、何だよ。

慌てて損じゃねえか。

一方通行のやつ焦らせやがって……。

 

「オイ。後で尋問でも何でもしていい。先に少しばかり俺の質問に答えてくれねェか」

「あ、はい…。私に答えれる範囲だったら…」

「よ、月! そんな勝手に…!」

「いいでしょ…?」

「うっ……!そ、そんな目で見ないでよ……」

 

一方通行の突発的な行動にメガネっ娘は待ったをかけようとしたが、董卓が首を少し傾けて許しを請うと『断れないでしょ…』と渋々ながら許可を出した。

やっぱ治めてるだけあって発言力が強いのか?

 

「悪ィな。まず一つ目。あんたは董卓。ここは国の中心の都、洛陽であんたが治めてる。これに間違いはないな?」

「はい。それで合ってます」

「待って!都!?ここって村じゃねぇの!?」

「えと……違います……けど…」

 

み、都って……!

そんなデカイところ治めてるの!?

てっきり治めてるのは小さい村かと思ってたのに。

なんか……実はこの子見かけによらず超天才だったり……?

知能指数だと俺と浜面…負けてる……?

 

「あの……そちらの人は大丈夫ですか…?両方共とびかけてますけど……」

「気にしなくていい。こいつら情報処理能力が極端に低ィンだ。しばらく放っておいたら治る」

「そ、そうですか……」

 

「上条さんの十七年は一体いずこに……?これ自分がレベルゼロって知った時並にショックだぞ…?」

「大丈夫だ……。俺にはピッキングがある…。車上荒らしもドンとこい……。あぁ、ドリンクバー往復だって負けねぇぜ……?」

 

「……本当に大丈夫なんですか」

「もしもの時はショック療法で治す」

 

生ける屍になった俺達を他所に一方通行は話を続けた。

 

「次の質問はそこのメガネだ。お前の名前、もしかすンと賈詡じゃねェか?」

「ボ、ボク?確かにそうだけど……」

 

「ボク……だと!?」

「きたぁぁぁーー!!一人称ボクなんて初めて聴いたぜ!ボクっ娘ひゃっほい!」

 

「………ちょっと待っててくれ」

 

まさかこんなことろでボクっ娘に会えるなんて……!

伝説は本当だったのか……!

 

ってあれ?

なんか一方通行が青筋立ててこっちに来てるような……?

 

「お前らが起きてると話が進まねェ……!ちったァ眠ってろ!」

 

「あ、一方…通行…!?」

「ベクトル操作で圧力脳にかけるのはヤバ…い……って……!」

 

頭を掴まれ圧力をかけられた俺達はゆっくりとブラックアウトしていった。

 

なんだよ……!

なんか出番一方通行取られてるから少しでも出ようと頑張ってただけなのに!

 

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