~ドキッ!神楽と蘭子のお風呂場大事件!ポロリもあるよ!~
が終わり、蘭子ちゃんと何とも言えない雰囲気を醸し出しながら食事を終えて、食後に談話を終えて各自割り振りされた部屋に戻ることになりました。
そんな私達二人の雰囲気を察したのか、凛は敢えて何も言わずに黙っていてくれています。相も変わらない凛の優しさに嬉しくもなりながら、これからばれた事を報告しないといけない現実にげんなりしてしまいます。
蘭子ちゃんの部屋に戻ると、既に布団が敷かれており。蘭子ちゃんが先に部屋に戻っていった理由が分かり少し申し訳なくなりました。態々皆さんとの会話の時間を割いてまでこうして私達のために用意してくれているなんて、なんと健気なのでしょう・・・。
「それで、蘭子と神楽は何かあったの?・・・・・・まぁ大方察してはいるけど・・・」
まぁ分かりますよね。二人して何かを思い出すようにして顔を赤らめたりしていますし。というか察したって起きた内容までもですか?そんな疑問を投げかけてみると、凛が私の耳元で呟きます
「どうせ、ばれちゃったとか言うんでしょ」
その通りです、凛はエスパーなのでしょうか。
「言っておくけど、エスパーとかじゃないからね。普通に考えれば神楽の秘密でこんな事になるのって一つだけだし」
「まぁ・・・その通りですね」
私の抱えている秘密の中で最もインパクトのある物は男と言うことでしょうし。自分で言ってて悲しくなりますね・・・。そんな悲しみを抱きながら、私は男であると自分に言い聞かせていると、凛が蘭子ちゃんに話しかけていました。
「秘密にしていた私が言うのも可笑しい話かも知れないけど、蘭子は私達のプロジェクトの中に男が混ざっていて平気?もしも、嫌だって言うなら私がプロデューサーに話して見るけど」
「嫌だなんてとんでもない!」
「あ、うん」
断言された凛が、こちらを向いてまた話しかけてきます。
「なんか、蘭子の返事が思ってたのと違うんだけど・・・」
「ですよね、ビックリするくらい蘭子ちゃんこの事受け入れているんですよね」
正直これには当事者である私も驚いていますし。何故蘭子ちゃんこんなにも寛容なのでしょうか。まぁですが、秘密にしていてくれるというのなら私はそれ以上何も望みません。むしろ望まれることがあればどんと叶えてあげたくなりますよ。
「ふーん。まぁ二人が納得しているなら、私からは言うことは無いかな」
「私は凛さんに聞きたいことがあるんですが・・・っ」
話が纏まったかと思いきや、蘭子ちゃんから凛に質問があるらしいです。何事でしょうかと気になっていますと、どうやら私には聞かれたくない話の様子。私はそれを理解して、部屋の隅に移動して両手で耳を塞ぎます。
しかし何とかなって助かりました・・・。もしもの話、これが蘭子ちゃん以外の方にばれてしまっていたら確実にダメだったと思います。前川さんと新田さんは特に。前川さんはアイドルとして猫キャラをしていますが、普段では真面目そうですし。新田さんは大人ですし、こういった曲がった事を嫌ってそうですしね。
今度からは、もっと周りに気を配っていかないと行けませんね。そう考えていると、蘭子ちゃんがこちらに近づいてきました。どうやら向こうの話も終わったらしいですね。何を話していたのかが気になりますが、お二人のどちらかが話してくれるまでは私は何も言わない方が良いでしょう。そう思っていたら少し速足で近づいた凛に脛を蹴られました。突然襲ってきた痛みに思わず顔を顰め、何をするんですかと凛を睨みます。
「別に、ただ何となく・・・」
「何となくで脛を蹴らないでください・・・」
弁慶の泣き所と言われるくらいですし。普通に痛いですからね!そんな私の訴えを貰い、凛も申し訳ないと思ったのか謝ってきました。そこまで本気で謝られたらこちらもこれ以上怒るのも躊躇われてしまいます。ですので軽く凛にチョップをして終わらせました。
「あの、神楽さんは凛さんと、どういった仲なんですか・・・?凄く親しそうに見えますが・・・」
「どういった仲と言われても、普通に学友でアイドル仲間としか・・・」
親しいのは私が男だと知っているのも凛だけでしたし、自然と触れ合う機会も多いからだと思います。
「そうなんですね・・・。あの、凛さんの事を・・・」
凛の事を・・・?何でしょうか。続きが気になりますが、蘭子ちゃんは「なんでもないです」と告げて喋るのをやめてしまいました。まぁ何でもないのなら気にしないで起きましょう。
二人の話も終わり、私達は三人でトランプなどで遊んだり。みりあちゃん達が遊びに来たりと有意義な時間を過ごしました。訪れてきた人の中には勿論新田さんとアナスタシアさんのお二人もいて、前日に話した通り仲が深まったと思います。まぁ主観ですけどね。
そしてあっという間に時刻は過ぎていき、日を跨ごうとする頃に私達は布団に入りました。が、ここでまた一つ問題が発生。女子寮の部屋は、一人で寝起きする分にはそれなりの広さがあります。ですので一人ボッチの男子としては部屋の隅っこに布団を移して肩身狭くして寝ようと思っていたのですが
「あの、今からでも場所を移動しませんか・・・」
「ダメですっ」
「らしいよ・・・」
左側に蘭子ちゃん、右側に凛、そして中央に私。どうしてこうなった・・・。蘭子ちゃんはそもそも私達に合わせて布団で寝る必要ないはずなのですが、わざわざベッドを一旦折り畳んで片づけてしまいますし。凛も凛で私が隣で寝るのを断りませんし、蘭子ちゃんの言う事を否定しませんし。ですので私もいっそ諦めて寝ることにしたんですけど、どちらを向いても女の子。上を向いてても視線がこちらに来ていたりと落ち着いて寝れそうにもありません。流石に狼なんかにはなるつもりはありませんが、こうムズムズして暫く寝れそうにないですよこれ・・・。
「よいしょっと・・・」
「蘭子ちゃん・・・?」
蘭子ちゃんがもぞもぞと動いているのが分かり、何かしたのかとそちらを見たら先程よりも彼女が近付いてきている気がします。
「・・・・・・」
「凛?」
今度は反対側の凛が近付いてきている気がします。と言うかこれ気がするじゃないです、近づいてきてます。だって肌が触れましたし!なんかいい匂いがさっきよりも広がりましたし!
「二人とも近いですよ!?」
「えへへ、温かいですっ」
「別に、何となく・・・」
蘭子ちゃん、可愛いからって許されるものじゃないです。それに凛、何となくで近づかれると中々に私の心臓に悪いんですが・・・。
(こういう時こそ、明鏡止水の心で・・・)
何も考えなければどうと言うことはありません。凛が掴んでいる服の裾も、蘭子ちゃんが握って来た手の感触も気になり・・・
(私、気になります・・・)
この日、私がゆっくりと寝ることが出来たのは二人の寝息が聞こえてきてからでした。
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(神楽の事を、どう思っているのか。そんな事聞かれてもね・・・)
布団に入り、隣に横になっている彼の事を考える。
(別に深い意味は無いはずだけど。神楽が男だって知ってるの私とプロデューサーだけだし、だから一番神楽のそばにいる機会が多い私がしっかりしないといけないし・・・)
それなりに彼と親しくなった私。彼の趣味や好きな事や彼が憧れる楓さんの事を本当に想っている事
だって知っている。だから別に、彼の事を異性として意識しているとかではないはず。
(蘭子が変な事聞いて来るから、無駄に意識しちゃうなぁ・・・)
神楽の事を好きなのかと、先ほど聞かれた。それに私は直ぐに違うと答えたけど今はそれを考えてしまう。プロデューサーとお父さんを除いて、今は接する事の多い異性だけど・・・。彼に抱いている気持ちが異性に対するものなのか、それとも友達に対するものなのかは分からない。そもそも神楽を男性として意識するよりも、自然と同姓として接してしまうからなおさら分からなくなってしまう。
ゆっくりと、隣で居心地の悪そうにしている神楽を見る。とても男性とは思えない程整った顔立ちが目に入る。これで男だと言うのだから、世の中不思議でならない。
(む・・・)
そうして彼を見ると、彼を挟んで向こうに寝ている蘭子が動いたのが見えた。その行動に驚くと共に、思わずムッとしてしまう。何故ムッとしたのかは分からないけど、その行動が何か気に食わない。
「凛?」
だから私も、少しだけ彼のそばに寄っていく。別に深い意味は無いけど、蘭子がしたから私もそうしただけ。少しだけ戸惑うように私達から視線を逸らす彼が面白く、思わず笑ってしまいそうになるのを堪える。
(まぁ、何時かはわかるかな・・・)
暫くは彼とも接していくだろうし、急いでこの気持ちを確かめる必要もないと思う。そう自分に言い聞かせて、私はそっと目を閉じた。