緊張した面持ちの少女を、カメラのレンズが見つめていた。
「あ、あの〜」
戸惑う彼女に、笑って、決めポーズ等注文が入る。
少し考え、彼女ーー高坂 穂乃果は、ポーズをとった。
「これが、音ノ木坂学院に誕生した、μ'sのリーダー。高坂 穂乃果、その人だ」
「はいオッケー!」
高坂さんにとって非情な事に、向けられていたのはデジカメではなくビデオカメラ。当然、陸上のボルトの様なポーズもバッチリ撮られている。
(後で東條さんに弄られるんだろうな……)
「あの、これは……?」
南さんも戸惑っている様子だが、そんな事で止まる東條さんと星空さんでは無い。
「じゃぁ〜次は〜、海未先輩ね!」
「な、何なんですか!」
僕はと言えば、矛先が自分に向かない様に気配を消している。
すまない園田さん、だがこれが大人のやり方なのだよ。
「ちょっと待ってください! 失礼ですよいきなり!」
「ゴメンゴメン。実は生徒会で、部活動を紹介するビデオを製作する事になって、各部に取材をしているところなん」
「取材?」
「ね、面白そうでしょ?」
「最近スクールアイドルは流行っているし、μ'sとして悪い話やないと思うけど?」
「わ、私はイヤです。そんなカメラに映るなんて……」
「取材……」
「ん?」
「なんてアイドルな響き……!」
高坂 穂乃果は取材にメロメロだ!
「オッケーだよね? それ見た人μ'sの事覚えてくれるし!」
「そうね、断る理由は無いかも」
おおっとぉ! ここで南選手の的確な援護が入るぅ!
「取材させてくれたら、お礼にカメラ貸してくれるって」
「そしたら、PVとか撮れるやろ?」
「ほら、μ'sの動画ってまだ3人だった時のやつしか無いでしょ?」
それもそうだ。今のμ'sは7人。そろそろ新曲を発表してもいい頃だろう。
「決まりだね!
それじゃ他のみんなに言ってくる!」
「あ、待って〜!」
「ちょっと穂乃果!」
勢い良く駆けていく高坂さんと、それを追いかけると言うより引きずられていく様な園田さんと南さん。
この状況を作り出した東條さんは、ただただ何かを含んだ様な微笑みで見送っていた。
「あ、そう言えば」
「どうしたんですか、副会長?」
「肝心のμ'sのマネージャーさんに聞いていなかった思ってな」
「あ、確かに!」
気づかれていた、だと……!
「おっとこうしてはいられない。事務室に戻らなきゃなぁ」
「ウチ、この間理事長に松本先生はμ's専属マネージャーで、他の業務はしなくていいみたいな事聞いたんやけど?」
逃げ場、無し。
「どうしてμ'sのマネージャーになったのか、お聞かせ願いますか? 松本センセイ?」
どうやら彼女は、本物の策士な様だ。
背中に冷たい物を感じながら、僕はそんな事を考えていた。
お久しぶりです。
忙しくて書けなかったけど、のん誕おめでとう!
只今LP回復の合間に書いております。
さて、イベント走るのでまた次回お会いしましょう。