画面に映し出されるは爆睡中の高坂さん。
「これがスクールアイドルとはいえ、まだ若干16歳。高坂穂乃果のありのままのーー」
「ありのまますぎるよ! ていうかいつのまにか撮ったの⁉︎」
「うまく撮れてたよ〜ことり先輩♪」
「ありがとう〜 こっそり撮るの、ドキドキしちゃった」
「えぇー! ことりちゃんが…… ひどいよー!」
「普段だらけているからこういうことになるのです。これからは……」
南さんの意外な才能(盗撮)が発掘されてしまった……
「プライバシーの侵害です!」
あぁ、園田さんまでもが犠牲者に……
「松本先生なんであんな風になってるにゃ?」
「気にせんといてあげて。よっぽどショックなことがあったんやろうから……」
「誰のせいだ誰の」
志望動機なんて千差万別。当たり障りのないことを適当に言っておけば何とかなるだろうと考えていた頃がありました。
即座に見抜かれた。
「で、本当は?」
と繰り返された僕の気持ちを誰が理解できようか。
「こんなの生徒会長に見られたら……」
自業自得ではあるがさすがにそろそろ助け舟を出すべきだろう。
「高坂さん、それは自分で頑張るしかないだろう。でも、東條さんから絢瀬さんに話をすることはできない?」
「そうしたいんやけど、残念ながら、ウチができるのは誰かを支えてあげることだけ」
「支える?」
「まぁ、ウチの話はええやん? さて、次は……」
はぐらかせて次に進もうとした彼女の言葉をさらにぶった切って部室のドアが開かれた。
「うぉっ⁉︎」
「にこ先輩」
いつも可愛らしさを追求している彼女だが、今はそんなことはどうでも良いらしい。
学校中を駆け回ったかのように髪は乱れ、肩で息をしている。
「取材が来るって本当?」
「もう来てますよ。ほら」
それを聞いた彼女は……
「にっこにこにー! みんなの元気にににこにこにーの矢澤にこです☆ えーっとぉー、好きな食べ物はぁー」
うわぁ……
ごめん矢澤さん。正直言って引いた。
「ごめん、そういうのいらないわ」
「うん……」
「部活動の生徒たちの素顔に迫るって感じにしたいんだって!」
「素顔……オッケーオッケー! そっちのパターンね、ちょーっと待ってねー」
パターンってなんだパターンって。
またもキャラチェンジしているのか、しゃがみこむ矢澤さん。そして……
「いつも? いつもは、こんな感じにしています」
……
嘘つけ!! いつもそんなんじゃないだろ!
「アイドルの時のにこは、もうひとりの私。髪をキュッと留めた時にスイッチが入る感じで。……あぁ、そうです。普段は自分のこと、にとなんて呼ばないんです」
っていないし!!」
部室から渾身のツッコミが聞こえた気がしたけれど、僕たちは気にしないことにした。
しれっと復活でございますはい。
失踪と言われても文句を言えないですはい。
許してください! なんでもしますかry