事務員? いえ、公務員です   作:とある物書きMr.R

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3話です。
そろそろμ'sのみんなを登場させていこうと思ってます。

では、どうぞ!


第3話 〜出会い〜

桜が舞う。

 

「ここが……」

 

4月2日。僕は音ノ木坂学院の前に来ていた。

今は朝の7時半、流石に早く来すぎたかと思っていたがそうでもない。運動部の生徒たちは朝練を始めているし、教室からはすでに賑やかな声が聞こえてくる。

ここが、僕の職場。

ここが、僕のスタート。

 

それにしても、すごい学校だ。

文化財になっていてもいいようなレンガ造りの校舎、東京という条件を考えると広すぎる敷地には弓道場や講堂、芝のグラウンドまであり、そんじょそこらの私立など正直足元にも及ばない設備の良さだ。

 

でも、ここはもうすぐ無くなる。

いくら設備が整っていても、それを使う生徒がいなければ宝の持ち腐れだ。

改めて、自分がしなければいけない仕事というか課題が重く感じられる。

 

*****

 

時間は少し遡る。

 

「君たちの仕事は一つ。

与えられた時間の中で成果を出す。それだけだ。

法に反しない限りどんな手を使っても構わない。

そのかわり、目標が達成できなかった場合、即座に異動してもらう」

入庁の日、僕たちの前で企画部長ははっきりそう言った。

 

茨城県はお世辞にも魅力があるとは言えない。

そりゃあ、住みやすいという点では他のどの都道府県にも負けないと思っているけど、例えば千葉のネズミの国みたいな全国的なテーマパークは無いし、栃木の世界遺産みたいな観光名所もない。

だから、僕たちは学びに行く。

どうすれば、「茨城いいな!」と思ってもらえるかを。

この部屋にいる全員が、茨城県以外の場所に配属される。

そこで何かしらの結果を出し、茨城の魅力アップにつなげる。それが僕らの任務なんだ。

 

*****

 

「このたび、音ノ木坂学院は生徒数の減少もあり、廃校することになりました。

ただし、今すぐにというわけではありません。次に入ってくる新1年生が卒業してからになるので、転校などの必要はないので、そこは安心して下さいね。

次に、新しい事務の方をご紹介します。

では、お願いします」

理事長の紹介に講堂が少しざわめく。当然だろう、廃校になるのにわざわざ新しい職員が来るのは不自然だ。

でも、教員免許も持っていない僕が女子校で働くにはこの方法しかない。

「えー、4月からここでお世話になります、松本 諒太です。

皆さん、よろしくお願いします」

なるべく情報を発信しないようにしながら挨拶を終える。

なんというか、うん……

女子校だから当然なんだが、やっぱり女子しかいない。というか、教員も女性が多い気がする。

対人スキル、特に対女性スキルを上げていなかった僕には少しキツめの職員ライフになるかもしれない。

 

開幕から少し重めの気分で、社会人としての僕の毎日は始まった。

 

*****

 

「あの、すみません。

少し、いいですか?」

式が終わって少し後、廊下で僕に声をかけてきた子がいた。

緑色のリボン、3年生だろう。

「あ、はい。どうしました?」

「いえ、大したことではないんです。

自己紹介をしておこうと思いまして。私は絢瀬 絵里。生徒会長をしています。

そしてこっちが、副会長の……」

 

綾瀬さんには申し訳ないが、彼女の話は全く聞こえていなかった。

「ウチは副会長の東條 希。よろしゅうな〜」

「ちょっと希、失礼じゃない!」

 

世界が、止まる。

彼女は、まさか。いや、確実にあの子だ

でも、

そんな

 

「どうしました?」

よっぽどひどい顔をしていたのだろう、絢瀬さんが心配そうな顔でぼくの様子を見ていた。

「あ、あぁ、ごめん。

僕は松本 諒太。4月からここでお世話になります」

絢瀬さんと話しながら東條さんの様子も窺うが、彼女は顔色一つ変えていない。

別人だろうか?

同姓同名だってことも考えられる。

「 ……そういうわけで、私達生徒会は廃校を阻止する為に全力を尽くすつもりです。

松本さんも出来る限りの協力をお願いします」

(硬い人だなぁ)

混乱した頭で、現実逃避気味にだいぶ失礼な思考を巡らす。

「それでは、私達はこれで失礼させていただきます」

「……またね」

いまだに混乱している僕を置いて、2人は歩いて行った。

 




3話です
「みんな」でなくてすいません笑
次回はまた何人か出しますので……
読んでいただいた方々、ありがとうございました!
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