Fate/Children【改稿中】   作:.副会長.

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お久しぶりです
どうも、副会長です

今回でちゃんとした序章は終わりとなります。

残る2日はまぁ、日常回みたいなものだと思ってください
日付は正確に29日、30日の話かと言われるとそうではないのですが、それぞれのほんわかした日常を書いていきます

すでに二人殺しておいて何がほんわかだって話ですが。そういうことで

今回はキャスター編です




〜聖杯戦争の準備期間〜 ⑥ 6月28日20時32分

その部屋に広がるのは異様な光景。

 

焦点の合わない目と、満足げな笑みを浮かべる少女。それを眺める、一冊の本を開いた女性。

 

いや、光景そのものが異様なのではない。異様なのはその"状況"

 

本を開いた女性は、ボーッと笑う少女を眺めながら、小声で何かを呟き続けている。

 

呟きと共に、その本には、奇妙な記号が羅列されていく。

 

白紙のページを次々と埋めていく記号。よく見ればその記号は、意味のないそれでは無く、物語を書き留める"文字"だった。

 

アラビア文字。中東を中心に使用される、うねりを持ったその特徴的な文字が、誰が書くでも無く独りでに記され続けている。

 

そして。本、いや、未だ多くの白紙のページが残るノートのようなその物からは、膨大な魔力が溢れ出ているのだ。

 

そう。まるで。"その(ノート)が固有結界か何かでも生成しているかのような"。

 

しかし、固有結界などという大それた魔術はここには存在していない。

 

この異様な状況の中。あるのはやはり、一人の少女と本を持った女のみ。

 

無論、この部屋が存在する家も、その家が存在する田舎町も、魔術で作られたものでは無く、レンガやアスファルトで作られた現実の物だ。

 

しかし女の手の中で開かれた分厚い本からは、依然魔力が溢れている。

 

と、女が本をパタリと閉じた。すると、途端に溢れ出る魔力は失せ、少女の笑みは消え、その目には生者の色が戻る。

 

現実に帰ってきた少女は失くし物を探すように慌てて部屋を見渡し、やがてため息を吐いて女を睨んだ。

 

「………なによキャスター、良いところだったのに。思うんだけど貴女、さっきから私で遊んでいるでしょう」

 

涙目で睨む少女からは、怒っているというより不貞腐れているという印象を受ける。

 

「あら。そんなことはないわ、マスター。貴女の間抜け面が見るに堪えないだけよ。気づいてないでしょうけど、"こっち"の貴女、酷い顔してるのよ?」

 

その言葉に少女、リゼットは顔を赤らめた。先程までの自分の気分と、その高揚が前面に出た自らの表情を想像したのだ。

 

「そ、そんな…そんなことならさっさと言ってくれればいいのにっ。彼女たち(キャラクター)に伝えさせるとか、貴女なりのやり方があるでしょう!」

 

「それはそれで熱が冷めちゃうでしょ。マスターの楽しみ奪っちゃうくらいなら、こうした方がいいと判断しただけよ」

 

リゼットが何を言っても動じないキャスター。キャスターはどうやら、自身のマスターを使って遊んでいるようである。

 

「私の楽しみを奪ってることに変わりはないわよ!ほんとにもう…次は変なところで止めないでよねっ」

 

ふん、と怒るリゼット。その様子にキャスターは肩を落とす。

 

「また貴女の惚け顔を見せられるのね…いいわ、でもあんまり使うと"帰ってこられなくなる"からね?危ないと思ったら、閉じるから」

 

「わかってるわよ。でも--聖杯戦争が始まる前に少しでも楽しんでおきたいじゃない」

 

先ほどとは打って変わって、何か萎れた様子のリゼットだが、すぐに切り替えて自身のサーヴァントにこんなことを言う。

 

「いいわよ。もう一度、私に、貴女の宝具で束の間の夢を見させてよ」

 

聖杯戦争が始まれば自分の身がどうなるかなど、わからない。

 

英霊を召喚した後、他のマスターの様子を探るために放った使い魔からの映像は、想像を絶するものだった。

 

アサシンによるカール・ベームの暗殺や、シェル家の惨劇。これらを観て初めて、彼女は聖杯戦争における"死"を意識したのだ。

 

戦いが終わって、自分が生きている保証なんかない。

 

以前の自信は鳴りを潜め、今のリゼットの心にあるのは恐怖だけだった。

 

怖い。死ぬかもしれない。恐い。殺されるかもしれない。

 

その不安が、怯えが、彼女を逃避の道へと導く。

 

自身のサーヴァントの宝具は"対象の願望通りの世界を創り出し、閉じ込める"もの。それに縋って、せめて作り物の世界の中で、自らの理想の娘と戯れるのだ。

 

せめて聖杯戦争が始まるまで。私は幸福でいたいの。

 

リゼットには、自らの願望のために人の命を奪う覚悟も、また奪われる覚悟も無かった。

 

しかし、どれだけ逃げようとも。一度聖杯戦争に参加することを決め、英霊を召喚し、令呪を授かった今、逃げることなど出来ないのだ。

 

他の地の聖杯戦争ならばそれも出来るかもしれないが、生憎、狭く、閉ざされたこの地で、殺される恐怖で尻尾を巻いて逃げ出したなどとあればその後どうなるかは想像に易い。

 

臆病者、負け犬と、死ぬまで蔑まれるなど御免だ。そんな人生を送るならばこの戦いで殺された方が何倍もマシというもの。

 

死ぬ前に、私を愛してくれる女の子と一緒に幸せな時間を過ごしたい---

 

そんな想いを胸に。彼女はまた、英霊の創り出す自らの理想の世界へ逃避するのだ。

 

6月28日20時32分。聖杯戦争は、もう直ぐそこにある。

 




読んでくださってありがとうございました

如何でしたでしょうか

ところで、英霊や登場人物のプロフィールとか、なんかそういう設定集みたいなのをのせるのはどのタイミングがいいのでしょうか

やはりそのサーヴァントや、マスターが脱落した時なのか…宝具とか、ネタバレになっちゃいますモンね
かと言って、最初の方に載せると穴開きで味気ない気がします

それはともかく

感想、質問などお待ちしております
既に書いていただいている方々、本当にありがとうございます
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