第12話
こんばんは。
今日もいつもと同じくオレの部屋で会議中。ただ夜中に梶川くんがこの部屋に忍び込んで来て会議をしているだけなのにもうすでに
しかも、毎度同じような事が討議され、そのままお開きになるのが恒例になりつつあるのがまた何とも悲しいです。ううっ。
そんないつもの
「じゃあ、例えば平成の時代の政治家を味方に引き入れるにはどう言ったやり方があるかな?」
「うーん。そうですねー。お金で釣り上げるのはどうかな? ほら、こんな風に一本背負いで!」
オレもほんの少しでも意見が良い方向へ流れるようにちょっとふざけながら答える。会話はキャッチボールって言いますからね。何事も答えやすいようにした方がいいですよね。
「あはは、それはいいけど持ち合わせとかあるの
「ごめんなさい。お金はお小遣いくらいしか持ってないです」
親父の財布の紐は固くて固くて。しかも人間の心を一人分動かせる額なんて持っているわけが無いです。その代わり茶店で酒を呑んだり、果物をたくさん買うくらいの小遣いには困ってはいませんけど!
「お金作戦はダメだね」
「はい。ダメですね」
「じゃあ、権威で言う事を聞かせるってのも平成の政治家はよくやる手段みたいだけど、そのあたりはどうかな?
「私の事を高く買ってくれているのは正直に言うと嬉しいんですけど、相手の
「あはは……」
「むっ、何かおかしいのですか!?」
「いえ、何もおかしくないです」
中二の梶川くんの笑い方にちょっと
そう、オレとて平家の一門です。
平成の時代の政治家を例に出して考えてみたけれど、まずお金がダメ。そりゃそうだ。向こうの方がオレよりもお金持ちだよね。比べるまでもない……。修理の家と比べればまた違ってくるけれど、オレ自身にはそんなお金は無い。
次に平家の権威権勢で
それを今回は
で、権威権勢によって
まずオレの貫目が足りな過ぎるのが問題。重さの貫目じゃなくて、重要人物度って意味で言うところの貫目ね。平家の一門ではあるけれど、オレなんて嫡流でも何でもなく傍系のさらにその第三子とか言う中途半端さ。傍系だとしても長子だったらまた影響度が違うんだけど、三番目ときた日には……。
お金もダメ、権威権勢もダメと来たら、最後はアレしかないよなー。……ピンク系だよなー。
「梶川くん、お金と権威権勢が無理だったら残るのは一つなんだけど……」
「それは絶対ダメ」
「まだ何も言ってないのに!?」
「そんなに言い難そうにしてたら言わなくても判る。藤原の人はどうせロリなんだろ?」
ぐっ、なぜそれを!? そうなんだ。梶川くんの言うとおり
そう言えば、奥さんは十二歳の姿だったっけ。ギリギリなんですね……。あのたっぷりとしたお腹に包まれたまま致すと言うのは、さぞや奥さんも大変だろう。いや、それが好きって人もいるとは聞くから一概には言えませんけど。
「で、でも、私が行けば一発で釣れると思うし、万事何事もうまくいくかもしれないよ」
「ダメったらダメ」
「だって、時間もあと一ヶ月を切っちゃっているんだよ。良い手を思い付いたら使ってみたくなるのは仕方がないじゃん」
「でもね安易に考えちゃダメだよ
ふうとため息をついた梶川くん。そのまま顔をこちらへ向ける。
な、何? 何か言うのですか?
「これは君の事を大事に思っているから言うんだけど、下手したらまた初めてが無理やりだよ……。そんなの嫌でしょ?」
確かにもうあんな目に合うのは沢山だ。それにどうせしなきゃならない時が来たのなら優しくして欲しいものだ。
「……判りました。でも私だって真剣に考えていますし、それより何よりも時間が無いのも確かな事。しかし梶川さんの言う通りリスクは大きいです。だからもう三日保留とします。その間に良い考えがあればその方法で進めます。でも今はこれで計画を練りましょう」
その三日後、
まだ作戦の骨子も固まってはいないけど、方向はそれで行く事になったよ。
梶川くんは嫌々だったけどね。それでもようやく取っ掛かりを見つけられたのでオレの心の中はそれなりにすっきりしていた。それまでは毎日の様に何かが心の奥底に残っていて全力で楽しんだりは出来なかったんだ。
こんなに晴々したのは今生では初めてかもしれない。
あとは今回のミッションを無事達成して
何とも一番良いシナリオじゃあないか。
あんまり都合の良い事ばかり思い浮かべていたらゆっくりと不安が込み上げて来る。
うーむ、この作戦本当に大丈夫だろうか……。自分の我を通したはいいけど少し安易過ぎる気もしてきたぞ。