第15話
はい。今日もやって参りました美盛です。今はもう夏真っ盛りの季節になってますよ。
この前の歌会の夜にとんでもない目に合わされましたが取りあえず元気です!
そうそう夏と言えばこの八月で元号が変わりまして安元三年から治承元年となりました。年始めや帝がおかくれになった訳でもないのに元号が変わる平安時代って……。
ま、まあその辺りはどうだっていいかっ!
さて、あの日の後、色々と進展がありまして
だから当然先日発覚した
前世では事件発覚後、
この様に
例えば今から三年程のちの事ですが、前世では失意のうちに亡くなった
他にもそんなこんなで精神的肉体的に疲労が祟った為にお倒れになるはずの大黒柱の
更に言えば
これは平家政権が長期政権になるフラグだとオレなんかは思っていたりしますが、さてどうなる事になりますやら。
◇
歴史上では
前世の話ですが、
だから
えーっと、さっきから論点かぶれまくっていますね。何が言いたいかと言うと……。そうそう、源平の戦いって言うのは最初から最後まで都での権力争いや政争が中心点であって、戦国時代みたいに各地の大名が大大名になってそのうち京の都を目指そう! って話ではないんじゃないかなーって事です。
だから、一度敗勢になるとちょっとやそっとでは力を盛り返すのはとても難しい。また前世の話になりますが、一の谷まで勢力を挽回する事が出来た我々は凄く稀有な存在だと思うんです。まあ、オレは一の谷以降は知らないんですけど歴史上は敗れてるのでそこから転がり落ちたんでしょう。
要するに一番言いたい事は、源平合戦ってのは都の中の政争の一部分なんだから
◇
「それにしても暑いですね……」
「暑いからここまで川遊びに来ているんだろう」
梶川くんが上半身裸で元気なく答える。そうなんです。今はもう夏真っ盛り。この暑さには流石に参ったので近くの河原まで一家で遊びに来ているんです。
本当はオレと
授かったのはオレが
それでせっかく河原まで来たのですから泳ごうと思いまして
そしてそれを親父と
末っ子の
ふう、親父と
えっと、そうそう前回の惚れ薬ですが効果はどうなったと思います?
あはははー。そんなのまだまだけいぞくちゅうにきまっているじゃないですかー。
だからこうして……。
「だから人前でそう言う事するのはやめろって言ってるじゃないか!」
梶川くんの背中に乗っかって首に腕を絡めてあげるのです。胸が当たって気分がいいでしょ?
「嘘ばっかり。私みたいな幼い子に密着されて嬉しいくせに」
「あーあ、妬けちゃいますね」
隣で座っている
それでも一応は大分理性を保つ事ができるようになりました。最初の頃なんて梶川くんに一日中ベタベタくっついていましたからねー。まるで糊みたいに。
梶川くんってばそんな状態のオレによく耐えたと思う。本当にさ。だってわざわざ襲い掛かってくるように仕向けてたもんなオレが。夜なんかずっと一緒の布団にいたんだよ。しかも横になってオレを包み込むようにして一緒に寝てくれるように頼むくらいの凄まじさ。
今考えてもロリコンな梶川くんがよく耐えたなーって思うよ。
大分、薬の効果にも慣れて理性なんかも保てるようになったけど根本的に治ってはいないから、想像の中で梶川くんと色々と……。
あっと、また妄想に耽ってしまうところでした。この妄想がとても甘美なものでして、中々やめられないのです。梶川くんもオレが妄想に浸っている時の顔を見ると『ふやけたクラゲの様だ』って褒めてくれますし。……ええ、判ってますよ。褒めてないって事くらい! でも薬のせいでその時は何でもプラスに聞こえるから不思議なものです。
「おーい! 魚が焼けたぞー!」
「はーい! 判りましたー! 今行きますから待っててくださーい!」
一声帰して梶川くんの背中から離れる。ずっと乗ってたから肩がちょっと痛い。
「さっ、姉様行きましょう」
「はいはい。梶川さんも行きましょう」
「美盛ちゃん。ほら」
照れながら梶川くんがオレの手を繋ぐ。それを感じるとまた笑顔になるオレ。オレも大概単純だなー。
もう一回親父がみんなを呼ぶ。それに呼応するオレ達……。来年も再来年もこんな風に出来たらいいなーとか思いながら梶川くんと手を繋いで歩くのだった。
とりあえず区切りの良いところで第一部終了です。
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