「安心して、私があんな奴らやっつけてあげるから!」
オレの事を安心させるつもりの様だけどさ、その目……凄いんですけど!
敵が迫って来て、もう責任感と恐怖でいっぱいいっぱいなんですね。多分オレも似た感じにテンパってるんだろうけど。
いや、本当にその目と表情が怖いので戻って来て下さい!
お願いだからさっきまでのふわふわした
って言うか、
どうやってもあの人数には敵いっこありませんよ。
「あ、ありがとうございます姉様。で、でもあんまり無理はしないで下さいね」
改めて経俊姉様はいい姉だと思う。こんなオレにもいつでも優しく接してくれるもんな。
得難い姉様に心の中でパンパンと
ただ、ちょっと世間ずれしているって言うか、ぽわわん過ぎるのがアレではありますけどね。
余裕も無いのにそんな事を考えてると男が一人この廃屋に入ってきた。
うわー、本当に来ちゃったよ。オレ達にとっては地獄からの使者にも等しい奴が。
「おおお、みんなこっちへ来てみろ!女がいるぞ。それもとびきり上等なのが二人もだ!」
中に入ってきた男はオレ達を見つけると大声で外の仲間に向かって叫んだ。
自分で思うのもアレだけど容姿が上等な女だってのは言われなくても知っているさ。ただちょっと、姉妹そろって世間で言うところの美人ってよりはロリなだけです。
まあ、でも今の言葉の内容がオレ達姉妹で愉しもうとしている事を嫌がおうでも理解させられる。
絶対絶命とはこの事。
直前まで凄い表情をしていた
敵兵が入ってきた事により、テンパっていたハイ状態から急に頭が冷えたみたいだ。
しかも当然この後何がおきるのか、何をされるのか分かっているのだろう。元男のオレだって分かるんだ、正真正銘の女性の身なら尚更だ。
そう、オレと
「美盛さん! 早く私の後ろへ!!」
「は、はい姉様!」
そうオレに言うと
「面白え。この嬢ちゃん、ワシ等とやるつもりみたいですぜ」
「ちょっと痛い目にあわせてその後お楽しみと行くか?」
「殺しちまうなよ。死んだ女なんて抱けねえからな」
「後ろで震えている嬢ちゃんも待ってろよー。今からすぐに相手してやるからなー!」
連中は笑いながら身の毛もよだつような事を口々に言い放つとこちらへ向かってきた。
迎え撃つ
技量に差が有りすぎるのだ。
しかし、それでも
もうこんなに想われてるなんて妹冥利に尽きるね。
こっちも敵兵一人と剣を交えているけど、オレのあまりの力の無さに思わず剣を振りながら苦笑いしてしまう。
男の頃ならもう少し立ち回ることもできるだろうに。逆に
うまくはいかないな。
横を見るといつもふわふわした笑顔を絶やさない
型も何もあったものじゃないが、とにかく敵の手からオレを守る為に……。
元男としては非常に情けない。くそ、涙まで出てきやがった。
「らちがあかねー。ここらで本気出すぞ」
ガタイの大きな敵兵はそう言うと、
殴られた
「姉様ー! 」
自分の叫び声に驚きつつオレは
……うん。大丈夫。
息はしているし顔も綺麗なままだ。後に青タンになるだろうけども時間が経過すれば治る程度。
よかった。ほんとうによかったよぉぉ。
殴られて気絶している
敵兵と交戦していたはずが勢いで何がなんだかわからないうちに駆け寄っていたのだ。
恐怖はあるが、今のオレはそれを一方的にねじ伏せた状態。火事場のなんとやらだ。勝てるとは思わないが
その後はもうわからん! 考えてなどおられんわ!
「よくも私の大事な姉様をやってくれたな! 覚悟しろ! 貴方達なんか私がやっつけてやるんだからー!」
そう言って睨んだが、連中は鼻で笑ったようにこちらを見下していた。
柱を背にして何度も何度も敵兵達に向かって剣を振る。しかしオレの剣は弾き返されるか、避けられてバランスを崩しそうになる。
そしてそれを先程から繰り返している。連中は囃したてながらオレが疲れるのを待っているのだ。
相手の人数は二十人以上。さすがにこれだけの数を相手にするのはしんどい。戦いも勿論そうだが、犯されるにしてもこの人数は多すぎだよね。
オレの後ろで気絶して倒れている
何はともあれ元現代人。舌を噛み切って自殺や自刃なんて普通に出来ない。いや、出来る現代人もいるのかもしれないがオレにはとてもとても。
ああ、どうしてこうなったんだろう。後悔先に立たずとは言うけれどもっと早くに撤退していればよかったなー。ごめんね
剣を掴む握力は気力だけ。そして全身汗と埃だらけな疲れた体を構えると、最後の力を振り絞って一人くらいは倒してやろうと立ち向かって行ったが連中に組み敷かれたのはそれからすぐのことだった。
ちょいと2話と3話の間の話はエロいのでR-18に置いてあります。
題名は
『よしもり ~『夜の』平家のお姫様に転生したオッサン~』
です!
残酷な描写アリですけど、よろしかったらどうぞ。