04 こんなオレですが十歳になりました! 二度目だけどな
やあ、おはよう。今日もいい天気だ! 心が晴々するね!
今年、安元三年で十歳になった
先回は十七年、今回ももう十年経ちました。平安時代に来てから三十年は経とうとしている今日この頃。
もう少しすると、男だった頃と同じくらい女で過ごしている事になるよ。
十歳って事は小学校で言うとだいたい三年生か四年生。そろそろ幼いながらも体だって女を感じさせるくらいにはなってきたと言うもの。実際自分で言うのもアレだけど、可愛いもんな。うん。
前髪パッツンで腰まで届く長くて艶やかな黒髪ストレート。小さなお顔に付いているパッチリおめめは釣り目で見た目だけはちょっぴり気が強そう。そして体型はその手の人なら泣いて喜ぶ様な小柄でロリ体型。もうオレがロリ可愛いくてせつない!
たまに頭の中でぼけーっと考えるのが、オッサンだった頃のオレの目の前で今の十歳な美盛本人が誘惑してきたらってシチュエーション。
現実には起きないんですけど、もしもこんな事が! って妄想をする事があるんです。その妄想ではいたずらするオレといたずらされるオレがアレしたりコレされたり……。
うーむ。どっちがオレなのか判らない妄想とかもう病気だよね。
ってことで、十年掛けて、いや二度目の人生も入れると二十七年の時間を掛けて、どこへ出しても恥ずかしくないオレ好みな娘っ子になりましたよ! ハアハアハアハア……。
おっほん。
でもね。一応はオレだって
よだれを垂らしながらニヨニヨしている美少女とか無いよな……いや、もしかすると新しい境地かもしれない……?
そんな妄想を考えながら部屋からのぞく周りの景色を眺めた。
もうじき冬も終わり春になるはずなのに山々は雪景色を湛え、叡山なんかも真っ白い帽子をかぶっている。……ん、あれ? 変だなー? 今って夏だったような気もするんだけど気のせいかな。
しかし我が屋敷はいつ見てもスケールが大きいなー。客間でさえも四十畳くらいはあるんではなかろうか。本家や
オレの親父は
そんなことを思いながら、年月の経過ははやいなーっと思いに耽っていた。
「
目の前の坊主がこちらを眺めながら何かを言ってきた。
あっそうだ。今日は最近都でめっぽう有名な高僧からありがたいお経の話をしてもらっていたんだ。親父もとてもこの坊主のことを気に入っているらしくオレ達三人は朝からずっとこの有様だ。
隣にいる
退屈なのはわかるけど居眠りはちょっとこの坊主にも失礼だ。
……と、そんな気分になってはくるが、オレもぼけっとしていたわけだし、やってる事はあんまり変わらないんだよね。
そう思うと坊主に謝る事にした。悪いのはこっちだしね。
「せっかく御坊に来ていただいて御説法をお聞きしているのに、少々考え事をしておりました。まことに恥ずかしき事です」
オレは長い黒髪が何本もたれてくるのをわずらわしいと思いながら坊主に頭を下げた。
「やさ、平家の姫君に頭など下げられては畏れ多い。ささっ、頭をお上げくだされ。」
頭を下げておいてなんだが、そりゃそうだ。今をときめく平家一門の姫公達に頭を下げさせるわけには行かないよなー。うちの親父がカンカンになりそうだし。
オレは心の中ではそう思いながらも頭を上げると坊主ににっこりと微笑んで見せた。
どうだろうか。このちょいと首をかしげたあたりでのにっこり笑顔は?
黒髪ロングのお姫様から、こんな笑顔を贈られたらロリコン男ならいちころじゃあないだろうか。オレなら当然顔を真っ赤にしてもう何も話すことなんて出来なくなる自信がある!
でもまあ、目の前の坊主はロリコンではなかったようだ。表面上は普段通りの対応だったからね。本音はさすがにオレにも判らん。
「まあ、
つ、
それに釣られる様に
「そんな殿方なんているわけないでしょう! もう姉様ったら」
十歳児なんだから、これくらいでいいよね。
場が賑やかになってきたところで目の前で座っている坊主が咳払いをひとつ。
やばいっと、三人で感じたのかすぐに私語は無くなる。
静けさを取り戻すと坊主はうなずいて、また北風の音と坊主の説法だけがこの部屋に響き始めたのだった。
なんだかんだでありがたい説法は午前中には終了した。
ふたりは終始眠そうな顔でお話を聞いていたが、オレはそれでも頑張って話に聞き入った
うーむ、この時間からお外へ遊びに行くのはくたびれそうだなー。屋敷の中で三人で遊ぶか?
「
「あ、僕も行きたい! いいでしょう
「はいはい判りました。じゃあ男の子だし敦盛が石を運んでね」
一つ一つのやり取りが楽しくて常に遊んでばっかりのいつもの三人。今日もまた手を繋いでお庭まで歩いていく。のどかでいいわー。
屋敷は凄く広いからね。一面の雪に道が作られてはいるけれど歩いていくだけでも少々時間がかかるんです。
しかも、道中に珍しくウサギを見つければそっちに注意が向いて追い掛け回したり、もうじき咲くであろう庭一番の梅の木に小鳥がとまっていればしばらくの間観察したりと、目的の場所へ着かずとも遊んでいると中々飽きない姉弟だ。オレも含めてね。
……って言うか!
「あ、
言ってるそばからこの暴れん坊が!
せっかく地の文に 観察したり って書いてあるんだから登ったらだめだろうが!
あーあ、登っちゃった。まあいいけどね。男の子だし。
「まあ、
「
すっごい笑顔だ。
お姉ちゃんとしては、ちゃんと褒めてあげなくてはね。
「うわーすごいなー。
「
いいじゃん。褒めたんだし。
そんなこんなでようやく池に辿り着いた。
辿り着いてもみんな色々とじっとしていられない。子供だからね。
それを見たオレ達姉妹は顔を見合わせて呆れて笑い合い、奉公人や侍女達は氷の上を遊びまわる
まあ、いつもの風景だ。
……大らかでいいねー。
まあ、こんな事していられるのもあと少しなんだけどね。
もう半年もしないうちに
確かあの時の事件の首謀者の一人に、
あの時の
今生も先回と同じになれば、現在
オレは前の
その後
でも、なんか一門を率いていく器量って言うか度量が明らかに
だからオレとしては……。
いやー、だめだ。やっぱり一人で考えてるとこのくらいが限界だわ。考えが纏まらん。話し相手がほしい! こんな重要な案件オレだけではとてもじゃないが無理だ。
いっそ、
「
「うおっ!!」
考えに浸っていたら、急に目の前に
「い、いえ、なんでもありません姉様。ちょっと今日のお夕飯は何かなーと考えてたんですよ。」
「まあ、
コロコロと
その笑顔を見ていると、もうあの悲劇だけは絶対に起こしたくないと心からから思った。
……だからそうならない為に作戦や企画を話し合える仲間が欲しいんだよ!
もうオレも十歳だ。そろそろ時間が無くなってきてるんだぞ。