カ『...今日は、先輩メンバーはいないのね?』
と、珍しく咲夜と古菲が居ないキャンプシップでカノンが言う。
ピ『うん、一応任務前に誘いはしたんだけど、断られちゃってね』
カ『あら? 珍しいわね...』
ピ『どうやら、違う区画での任務があるらしくてね、少し慌ててたよ』
カ『あの二人が慌てるような任務がこの世にあったのね...』
ト『それは少しひどい言い方だと思いますけどね』
カ『だってランチャーの爆撃に合わせてPA使うような人達よ?』
ト『...さっきの発言は訂正します』
カ『よね...』
ピ『それにしても次回から凍土なわけなんだけど、また服を買いに行かないとね』
カ『浴衣で凍土に行ったら凍死レベルよね...あら?』
どうやら、キャンプシップへの転送装置が動き出したようだ。
カ『今日は他にだれか一緒に行く人が居たかしら?』
ピ『いや、私は聞いてないよ』
ト『僕もです』
[フォン!]
ア『さ~て、今回は砂漠の巨大ダーカーか...って、よう、お前ら、久しぶりだな』
カ『あら、アフィンじゃない、久しぶりね』
ア『お前らも砂漠の巨大ダーカーの討伐か?』
ピ『うん、どうやら事前にもう一人来ることを言い忘れていたみたいだね』
オペレーターか誰かに確認を取ったらしいピクトが返答する。
カ『それはそうとピクト、服を買いに行くのでしょう?一緒に行かない?』
ピ『ん~、いいよ。 この任務が終わったら一緒に行こうか』
ア『俺も後で行っとかないとなぁ...』
ト『なにはともあれ、まずは任務を成功させましょう』
ピ『えぇ、そろそろ行こか』
カ『了解よ』
~~砂漠エリア~~
カ『あら、今日はまた変な場所に転送されたわね...』
ピ『何処かしらの高台に続く道って感じかな?』
ト『|粗方≪あらかた≫、いちばん先に|彼≪か≫の巨大ダーカーが居るんでしょうね...』
ア『特に気にしないけど、そこらへんも不思議だよなぁ...』
カ『RPGのボスがダンジョンの最深部で待っているのと大体同じ事じゃないかしら?』
ア『ダーカーも意外と茶目っけでもあるのか?』
ピ『いや、そこらへんもフォトンの(ry』
カ(もう、フォトンの力だけで強引に解決しようとしているわね)
ピ『ってほら、エネミー発見! 対処対処!』
カ『はいはい...って今回は見た事のないダーカーが居るわね...』
カノンたちが遭遇したのは、いつも通りの機構種が数匹と、蜂の様なダーカーが争っている。
そんな場面であった。
ピ『アイツは、エル・アーダだね』
カ『なんだ、新種ってわけじゃないのね...』
ア『むしろ今まで会ったことが無い方が珍しいんじゃないか?』
ピ『確かに..私も諸事情でカノンとは別に数回砂漠に来てるけど、結構出てくるよね』
カ『ってことは私の運が良いのかしらね?』
ピ『いいっていうか...良すぎるくらいかな』
カ『逆に知らないことで困ることもあるからそれはそれで嫌ね...』
ピ『あぁそうか、カノンはエル・アーダを見たことがないんだったね、コイツは少し面倒な習性をしていて...』
ピクトがエル・アーダについてカノンに説明しようとした時、男二人が
エルアーダに向かって駆け出した。
ア『時間がかかりそうだから、先に俺達でやるぜ!』
ト『了解しました!』
ト・ア『シンフォニック(ワン)ドライブ!!(ポイント!!)』
トーマの強烈な蹴りと、アフィンの連射をコアに受けたエル・アーダは、あっけなく地面に落ちる。
しかし、まだ完全には倒し切れてはいないようだ。
カ(今がチャンスね...近づいて一気に仕留める!)
との考えでカノンはエル・アーダに急接近しようと走り出したのだが...
ピ『カノン、まだ説明の途ty...止まって!!』
急な大声に、カノンがピクトの方を振り向いた瞬間に、カノンの1メートル程先でさっきまで地面に落ちていたエル・アーダが赤黒いオーラと共に回転しながら再び飛行を始める。
カ『わっ!!』
ピ『良かった...もう、ちゃんと人の話聴くこと、わかった?』
カ『えぇ、ピクトが居なかったら今頃ムーンアトマイザーのお世話になるところだったわ』
ピ『んで、さっきの説明の続きなんだけど...』
カ『ちょっと待って、先にあの煩い羽虫を片づけるから...』
ピ『カノン、何か怒ってる?』
カ『いや、少し身の危険を感じたから早急に狩っておこうかと思ってね、後、さっきから羽の音がうるさいのよね...ってなわけで』
カ『ディバインランチャー!!』
カノンが放った高火力なグレネード弾は、弾速が遅いにも関わらず素早いエネミーであるはずのエル・アーダのコアに直撃し、
地面に落ちる暇も与えずにエル・アーダを爆散させた。
カ『夏に出てくる蚊みたいな羽音をしていたわね...耳障りだわ...』
ア『あぁ、夜寝るときに聞こえてくるとうっとおしいよな』
ピ『んで、さっきの続き言っていい?』
カ『えぇ、お願いするわ』
ピ『さっきのエル・アーダは一定のダメージ与えると、一旦地面に落ちて行動を止めるんだよ』
カ『でも、さっきのを見た限りだと、死んだふりって所かしら?』
ピ『正解、で、標的が近づいたら回転しながら飛翔して、それによって生まれたカマイタチで周囲を攻撃するんだ』
カ『なるほど、勉強になるわ...』
ア『なぁ、お前ら...トーマの事忘れてないか?』
カ・ピ『あ...』
ト『いえ、気にしないでください とりあえず、周りに居た機構種は殲滅しておきましたよ』
カ『ありがとう』
ピ『うん、感謝だね』
ア『にしても、今トーマは結構簡単に機構種を切り裂いてたけど、大体どれくらいの硬さに感じてるんだ?』
ト『僕は単純な筋力なら咲夜さんよりも上なはずなので、大体包丁で林檎を切る時くらいですかね』
ピ『確か咲夜はカボチャ位って言ってたから...さすがに男性の筋力、というところかな?』
ト『技術面では全く咲夜さんに及びませんけどね...』
ピ『わかるよ、その気持ち』
ト(この人は何を言ってるんだ...)
カ『貴女は何を言ってるんだか...』
ピ『うん、言われると思った』
カ・ト・ア(今まで知っててやってたのか!)
ト『まぁ、貴女達の連携とかハッキリ言ってアークスのレベル超えてますからね...』
ピ『いやいや、練習すれば誰でも出来るって』
ア『練習すれば...』
カ『いやアフィン、無理だからね?』
ピ『私は昔からああいうの好きだったからねぇ...』
カ『雑談もいいけど、もうすぐ目的地に着くわよ?』
4人の視線の先には、今回の目的地である高台がある。
ア『うひゃぁ~ こりゃ落ちたら即死だよな...』
ト『気をつけなければいけませんね...』
ピ『ん?...アフィンストップ!』
ア『お? なんだっt...うわぁッ!』
いきなり砂漠の地面を突き破って黒い触手が出現し、周りを見ていなかったアフィンの足を掴んでぶら下げる。
ピ『ソレは今回の討伐目標グワナーダの触手だよ! 耐久はそんなに無い筈だからどうにか振りほどいて!』
ア『情報はありがたいがこの距離は...』
すぐにでも触手を撃ち抜きたいアフィンではあるが、触手と自分との距離が近すぎるため、誤って自分を撃つ可能性を捨て切れずに戸惑っていた。
そうこうするうちにクワガタとアリジゴクを組み合わせたような巨大ダーカー[グワナーダ]が地表に姿を見せる。
ピ『本体を攻撃すれば触手も止まるかも知れない...』
カ『面倒くさいわね...アフィン、ちょっと我慢しなさいよ』
ア『おう、できるだけ早めに...ってカノン!なんでこっちにランチャー向けてるんだよ!』
カ『そりゃぁ、本体を攻撃するよりも先に触手を吹き飛ばした方が早いような気がするからよ』
ア『それ絶対気がするだけだ!』
そう言う内にもカノンはランチャーのチャージを始める。
ア『あ、これもう止まらない奴だな...しょうがねぇ、せめてウィークバレットの装填だけでも』
アフィンがウィークバレットの装填を終えてカノンの方を見た瞬間には既にランチャーの弾がアフィンのスレスレを通ってアフィンごと触手を爆撃した。
ア『ぺぶっ! ったく扱いがひでぇ...なッ!』
吹っ飛ばされて空中を飛んでいる間にグワナーダ本体の|鋏≪はさみ≫部分にウィークバレットを当てるアフィン。
カ『あら、アフィンもそんな曲芸撃ちができるようになったのね?』
ア『そりゃぁ、お前らの見てない所で、俺は結構な頻度で吹っ飛ばされてるからな...』
着地したアフィンが今までを振り返りながら言う。
ア『ロックベアにぶん殴られて飛んだり、ヴぉルドラゴンの火球にぶち当たってぶっ飛んだり...』
カ『...なかなかハードなアークスライフを送ってきたようね...』
ト『そこで話し込んでないで、二人も攻撃して下さい!』
ア『あ、悪い!』
カ『忘れていたわ...』
カノンがグワナーダの鋏にランチャーを向けた瞬間、グワナーダが地面に沈む。
カ『どうやったら穴も作らずに地面に潜れるのかしら...』
ピ『それは触れてはいけない問題だよ、カノン』
カ『分かってるわよ...で、どうしたら良いのかしら?』
ト『多分ですが、周りに出ている触手を全て倒せばいいのでは?』
ア『成程...それで行くか!』
カ・ピ『了解!』
その掛け声と共に各々が触手の居る方向へ走り出し、あまり体力が高くもない触手を、一瞬で撃破していく。
ピ『柔らかいね...』
カ『そうね、やっぱり数が居る分耐久は低いんじゃない?』
ト『そうでしょう...ねッ!!』
そう言いつつトーマが最後の一本を切断すると、見るからに弱点としか言いようのない腹部をさらけ出して、グワナーダが仰向けに倒れた状態で地上に出てくる。
ア『今だ! ウィーク、バレット!!』
その弱点にアフィンがウィークバレットを貼り、他の三人が
カ『ディバインランチャー!!』
ピ『サテライトエイムッ!!』
ト『シンフォニックドライブ!!』
それぞれのPAを直撃させたことにより、グワナーダはダーカー因子となって霧散していった。
ピ『弱点部分よわっ!』
カ『普通は隠れてるからじゃないかしら?』
ア『ダーカーも、普通の動物みたいな構造してんのな...』
ト『なんにせよ、任務が終わったことですし、皆で新しい服を買いに行きませんか?』
と、トーマが言い出した時、カノンたちが居る高台の崖下あたりから轟音聞こえてくる。
カ『!? 何が起こったの?』
ピ『下の方からだね...ん...何か見えるな...』
ア『アレは...ビッグヴァ―ダー!!』
カ『ビッグ...マック?』
ア『違げぇよ! ビッグヴァ―ダーだ!』
ト『戦艦のような形をした、超弩級機構種ですね。 その身体の中に幾つの武装が入っているのかが分からない...というほどの武装をしているらしいです。』
カ『随分詳しいわね...ってアフィン、そのヴァーダーの甲板あたり、誰か居ない?』
ア『ん? そんなわけあるk....居たわ...しかも二人...』
ピ『さすがレンジャーだね、私達には見えないよ...』
どうやら、アフィンとカノンの目には、ヴァーダーと戦っている二人のアークスが見えるらしい。
ア『誰だろうな? 何処かで見たような...』
ピ『ちょっと見た目とか教えてくれない?』
カ『OKよ、えぇと....青いフリフリの服....頭にカチューシャか何か着いてるわね...』
ア『もう片方は...ん~...多分チャイナ服かな? あと頭に二つボールみたいなのが...』
ピ『それ、絶対咲夜と古菲だろうね』
カ『咲夜はそうだろうと思ってたんだけど、チャイナ服の方はいつもと違うのよね...』
ト『何が違うんですか?』
カ『古菲ならいつもは両剣使ってるでしょ? でも今下に居る人は、拳だけで戦ってるように見えるんだけど...』
ア『ってか、ヴァーダーと殴りあってねぇか?』
ト『多分それは剛拳ですね、ファイターの武器の一つです』
ピ『それでもヴァーダーと殴りあえるのはすごいと思うけどね...』
ア『あ! ヴァーダーが地面に消えてくぞ!』
再び轟音と共に、ヴァーダーの巨体は徐々に砂中に沈んでいき、遂には見えなくなってしまった。
カ『倒したのかしら...』
ト『いや、倒したならヴァーダーが大爆発を起こすはずですから、撃退した、と言った所でしょうね』
ア『それでもアイツに二人で相手出来るなんて正気の沙汰じゃないけどな...』
ピ(やっぱり私よりも色々な面で上だよなぁ...あの人は...)
カ『どうしたのピクト? 固まっちゃって』
ピ『ん、あぁ...世界は広いなぁ、と思ってね』
カ『何よそれ...とりあえず、帰投して二人に話を聞きに行きましょうか』
ア『おう...それに服も買いに行かないといけないしな』
身近に感じていた二人との力の差を目の当たりにした、四人であった....
もちろん、帰到後に咲夜と古菲が質問攻めにあったのは言うまでもない。
服は皆で買いに行ったけど、お披露目は次回になります。