ISー天廊の番竜ー   作:晴れの日

2 / 41
次話投稿はこれであってるのかな?
多分大丈夫でしょう。うん。ところで、既にお気に入りが5件入ってて、思わず草が生えた私でこざいます。はい。平日のこんな時間から仕事もせずなにをしているのかだって?残念!私接客業で御座いますので今日は休みです!yes!yes!久々の休みです!yes!yes!
次の休みは9日後です!(血涙)


第二話 蒼天

 織斑 千冬は、酷い目眩を覚えていた。全員が空の化け物に意識を奪われていた時、急に流れ込んでいた冷気に気が付き、校庭に眼を向ければ、異様な大きさの氷塊。その中から出てきた紺碧の竜に、思わず戦慄を覚えたからだ。そして、この現実離れした現象を、上層部にどう報告したら良いのかと考えれば、自然と頭も痛くなるだろう。最強のIS乗りと言われようと、中身はただの人間、社会人としての責務は逃れようがないし、立場上見過ごすこともできないのだ。全くもって悲しいことである。

 

『グオォォォォォ!!!!』

 

「……いかん。胃が痛くなってきた。」

 

 世界を揺るがす咆哮も、その社会人としての重圧に比べれば何のその。お陰で冷静な判断もできた。

 

「専用機部隊の編成を急がせろ!動ける教師陣はISを装着し、校庭に現れた未確認生命体の排除を専念せよ!これより、上空の対象をα、校庭の対象をβと呼称する。各自対応を急げ!」

 

 指示が下れば彼女らもプロだ。直ぐに行動に移り、各々の仕事を済ませようと慌ただしく動き出す。正直、何故なんの反応もなく、上空にαが急に現れたのか、突然校庭にβが現れたのか、小一時間程管制官を問いただしたい所であるが、今は眼前問題の解決が最優先だと千冬は思考を切り替える。

 校庭から、バサリと翼のはためく音が響く、見れば校庭に既にβはおらず、遥か上空に舞い上がっていた。その速度の早さは、ビリビリと震える職員室の窓ガラスが悠然と物語っていた。

 

「っ!?二班!そちらに別の未確認生命体βが向かった!救援を送るまで持ちこたえてくれ!」

 

『そんな!?持ちこたえろって言ったって!……うわぁ!?……え?あれ?』

 

「どうした二班!」

 

『そ、それが、βが私達を無視してαに攻撃を仕掛けました!』

 

「何!?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 明らかに大きい。彼の知るこの白い翼竜は、これよりも小さいハズだが、サイズが明らかに大きくなっていた。が、ずっと同じ場所で過ごした彼にとっては『きっとそんな奴もいるさ。』と深くは考えずに突撃した。まずは突進。

 

「グエッ!?」

 

 突然の乱入者を白い翼竜は捕らえきれずにいた、視力がなく、嗅覚で獲物を探し、超音波で周囲を探すこの翼竜にとって、音よりも速く飛んでいた彼を捕らえることなどできるハズもなかった。

 彼の突進の直撃を食らった翼竜は、無様な声をあげ、弾かれる。その喉元に噛みつこうと口を開き、襲いかかるが。急加速と急旋回により、彼の牙から逃れる翼竜。彼の後ろをとると、自慢の雷球を彼に打ち出す。

 

『!?速いな!』

 

 難なく回避した彼は、この翼竜の想定外の実力に、思わず感嘆の声を漏らす。単純な速度比べのような空中戦が始まった。確かに、単純な速度では彼の方が圧倒的に勝っていた。だが、飛行技巧という点に関して言えば、あまり複雑な飛行をしてこなかった彼の方が不利であった。

 

『ヒラヒラと!』

 

 捕らえきれない変幻自在の飛行に、彼は圧倒され始めた。見れば、あの翼竜は風を上手く利用しているようである。突然の突風で彼がバランスを崩したと思えば、翼竜はそれを利用し、変幻自在に動く。なるほどと彼は感心もしたが、同時に自分より明らかに劣る存在に、このような遅れをとることが許せなかった。

 ならば、速度で圧倒する。

 大きく一度羽ばたき、グングンと速度をあげる。既に、白い翼竜の放った電撃は掠りもしない。不意にボンッ!という破裂音がしたが、そんな事を気にはしない。

 今の彼は、亜音速の域に到達している。先程の破裂音は、空気の壁を突き抜けた音だ。が、それを理解する学は彼にはない。ただ遥か後方にいる白い翼竜に対して、自己顕示欲を満たした満足感があるのみだ。壁も天井もないこの駄々っ広い空間を縦横無尽に飛び回れる喜びも、同時に彼に多大な多幸感だとか、満足感を与えていたのは言うまでもない。

 彼は、グゥゥンと大きな弧を描くように旋回して、白い翼竜に襲い掛かる。この速度、避けきれるハズがないと、彼は確信していたが、予想外のことが起きた、白い翼竜がこちらに向かい飛んできたのだ。最初こそ力比べだとか、迎撃だとかを警戒し、『面白い!』等と考えた彼だった。その牙を振り翳し、勇敢にも歯向かおうとする脆弱な翼竜を仕留めようしたが、グルリと白い翼竜が回転したかと思うと、スルリと、彼のギリギリ横を掠め取っていく。そして、あろうことか体が交差した瞬間、体内から大量の電撃を放出し、彼の体にダメージを負わせたのだ。

 あの回転の飛行技巧は、いわゆるバレルロールと言われるマニューバの一種なのだが、もちろんそんなことを彼は知らない。ただただ彼我の空戦の力量差に感服していた。確かに、スペックだけで言えば、彼と翼竜では天と地ほどの差がある。実際、先程の電撃でもそれほどダメージは受けていない。彼からすれば、静電気でバチっとした時程度のダメージでしかない。だが、その差を白い翼竜は己の技巧のみで僅かだが埋めている。

 

『……素晴らしい。』

 

 思わず洩れた言葉は、感嘆や敬服を込めた称賛。同じ闘う者として、尊敬に値すると彼は感じたのだ。

 

『貴様は、素晴らしいぞ!』

 

 これは、今までの命令されていたから闘うだとかの名文上の戦闘ではなく、自らの意思でこの空で舞っている彼を襲った、奇妙な感覚のせいなのかもしれない。楽しくて仕方がない。無機質な、自分の意思も何もない闘いでは得ることができなかったこの感覚が、彼を震わせているのだ。

 様々な感情が彼の中を要り交わり、なかば混沌と化してきている彼の内情の内、ただ一つ、確かなことは、白い翼竜を己の力で打ち倒すことだけだった。

 周囲を飛ぶIS学園の専用機持ちや、現場に到着した教師陣は、彼等の闘いをただ見ることしか出来ない。空戦技術がまるで一国のエースのような強大な翼竜と、まるで自由自在に動く大陸間弾道ミサイルのような出鱈目な軌道と速度で飛ぶ紺碧の巨竜。その滅茶苦茶な光景は、彼女達の足を止める原因には十分過ぎた。

 

「…どちらかが倒れ、弱った所を叩く!」

 

 恐らく、現場の指揮を任されているのであろうIS学園教師の一人が声だかに叫ぶ。すると急にISに搭載されているハイパーセンサーが、一点に置ける急激な気温低下を検知した。

 

「何!?」

 

 そちらに目線やれば、紺碧の巨竜が口から氷の楔をマシンガンのように撃ち出していた。それをヒラヒラと回避する白い翼竜。だが、それよりも重大な危険が迫っていた。避けられた氷の楔が、真っ直ぐに下の住宅街に迫っていたのだ。

 

「っ各員、氷弾の排除!急げ!住宅街に当たるぞ!」

 

 滞空していたIS学園教師陣と周回第二班の総勢14名は、各々の武器で住宅街を襲おうとする氷弾を砕く。マシンガンやバズーカ。体で抱き止める者もいる。だが、翼竜がヒラヒラと避けるものだから、紺碧の巨竜も氷弾を辺り一帯にばら蒔く形に成っていた。

 

「くっ!対処しきれない!」

 

「諦めるな!」

 

 明朗な叫びと共に、白銀がその刃を持って氷を切り裂き砕く。それは、織斑 一夏その人であり、救援に駆け付けたのだ。彼に続き、追加の戦力として3名、一夏のクラスメイトであり、イギリス代表候補生のセシリア・オルコット。一年二組の一夏の友人かつ中国代表候補生鳳 鈴音。一年一組、つまり一夏とセシリアのクラスの副担任である山田 麻耶。以上一夏を含んだ4名が、救援として駆け付けた。

 

『現場へ、こちら管制織斑 千冬だ。簡潔に指示を出す。住宅地への被害を抑え、一般人への被害を出すな。αとβは現状維持。奴等が勝手に削りあっているならば、諸君等は二次災害を未然に防ぎ、弱ったところで、勝ち残ったどちらかの駆除に徹してくれ。敵が何者かは不明だが、諸君等の背中に罪の無い一般市民の命が乗っている。以上、健闘を期待する。』

 

「了解!織斑 一夏、鳳 鈴音、鈴村 雪菜 メアリー・アルマノフ4名は、下降し、私達の撃ち漏らしの迎撃を!他14名は、セシリア・オルコットを中心に弾幕を形成せよ、氷弾を物量によって圧倒する!!!!」

 

「「「了解!!!!」」」

 

 指示が降りてから早かった。明確に指し示された自らのやるべき事を、個人個人がその責任を持って全うしようと配置に急行する。住宅地では、警察機関の誘導により、一般市民の避難が急ピッチで行われているのを、下降していく一夏は、ハイパーセンサー越しに捕らえた。

 

「最低限、避難が完了するまでは耐え抜く!一つも漏らさないぞ!」

 

「当たり前よ!伊達や酔狂で中国代表候補生を名乗っちゃいないっての!」

 

「ふふっ、お二人とも勇ましいですわね。でも、お二人に仕事は回ってきませんことよ。全て私が叩き落としてご覧に入れますわ。」

 

 一夏の言葉に続き、鈴音、セシリアと続く。各々が自らを鼓舞し覚悟を決める。そして、

 

「第二波、来たぞ!迎撃!」

 

 現場指揮の号令により、再び氷の楔を撃ち落とすための弾幕が張られる。

 しかし、そんなことに気づきもせず、彼は氷の楔を撃ち続ける。ほとんど牽制の目的でしか使わないこの攻撃だが、それ故に無尽蔵かつ体力の消費も少ない。だからこそ彼はこの攻撃を多用していた。

 

『が、こうも掻い潜られては無意味か。』

 

 確かに、体力の消費は少ないが、ゼロと言う訳ではない。向こうも現状、防戦一方ではあるが、あれは寧ろ反撃の機を狙っていると彼は直感していた。

 

『ならば、来い!』

 

 彼は楔を撃ち出すことを止め、その翼を大きく羽ばたかせ、白い翼竜に迫る。

 翼竜も、この時を待っていたと言わんばかりに、方向をクルリと変え、真っ直ぐに突っ込んでくる。もう一度、バレルロールからの電撃を狙っていることは、予測できた。

 

『何度も喰らうか!』

 

 高速回転からの空中後方宙返りを披露した彼は、その鞭のようにしなる尾で、白い翼竜の顎を打ち抜いた。間髪はいれない。今まで幾度となく繰り返した動きだ。態勢が羽上がり、棒立ち状態の白い翼竜の喉元に食らい付く。

 

『このまま、堕ちろ!』

 

 牙をより強く食い込ませ、大地に叩き付けようと加速する。途中に、あの細かく小さな者達が宙にいた気がしたが、そんなことはどうでもいい。この白い翼竜を地に落とすために真っ直ぐと堕ちていく。勿論。この白い翼竜も自らの牙をたてようと噛みついてくるが、彼はそれを歯牙にもかけず堕ちる。電撃、噛み付き。全てを無視して牙をたてる。

 

 ぐん!

 

 急に、今まで垂直に堕ちていたのが、横に少しずれる。彼は、横腹が何者かに押されていると気が付く。視界の端で、あの時自らを助けてくれた、白銀が居ることに気がついた。超高速戦を行っていた故に鋭敏になっている感覚は、コンマの世界で様々な事を考える。至った結論は、このまま堕ちるのは好ましく無い。ならば、この白銀が押す先には何があるのか。

 少し離れてはいるが、彼が飛び立った、ただっ広い空間がある。彼は、瞬時に理解し、体の向きを変えそちらに進路をとる。

 白い翼竜の力が、だんだん弱まっていくことに、彼は気がつきもしいで、真っ直ぐとただっ広い空間、IS学園の校庭に向かい飛んでいく。勿論この速度だ。瞬時にその上空に到着し、体を回転させた彼は、白い翼竜を上空に投げ飛ばした。そして、翼を大きく広げると、今出せる最大の攻撃をもって、白い翼竜を討ち滅ぼそうとする。それは、彼のいた場所においては、竜の名を冠する者の中でも極一部に許されたもの。『ブレス』その中でも、火炎弾や、氷弾などのものとは違う、暴力の奔流。彼で言えば、絶対零度の白銀の奔流が、白い翼竜を呑み込んだ。後には何も残らない、あえて言えば、急速に冷えた周辺の空気中の水分が、雪となり降るのみで、先程までの騒がしさは跡形もなく、ある種の荘厳な空気に支配された。

 

『グオォォォォン!!!!』

 

 勝利者にのみ許された栄光。勝鬨の雄叫びを挙げる。その声は、どこまでも、蒼天の空に響き渡っていった。




因みに、一夏が言ってた「諦めるな!」はウルトラマンネクサスを見てて入れました。はい。こんな感じにその時の俺の勢いでネタを指すので。引き返すなら今ですぜ。

セカンド党の皆さんごめんなさい。
何を考えていたのか、セシリアをイギリスじゃなくてフランスって書いてました。何を言っているんだこの馬鹿垂れって話ですが、許して下さい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。