俺は、いつまでも普通の生活を続けるつもりだったんだ。
俺は暑い日差しをうけながら部活をしていたんだ。「そこ!グダグダしない!」なんて先輩に怒られながら、外周を走ってた。たまに風が吹くと、とても気持ちよかった。
走り込みが終わると日陰のコンクリートに倒れこむように寝っ転がった。日陰のコンクリートはとても冷たく、いつまでもこのまま居れるなんて思った。
部活の帰りに友達と話しているとこんな話題になった。「前さー、めちゃくちゃかわいい女の子いたじゃん。あの子どこ行ったん?たしか名前は…海羽、濃い青の髪のやつ。」この言葉に俺は嫌な顔をした。俺は真実を知っているから。
「その話は今度にしないか?気持ちが優れないから。」「なんでだよー、あっ!お前なんか知ってるな?なぁ、俺にだけ教えてくれないか?」
その瞬間、俺の意識は無くなった。何か横から強い衝撃があった。
その後、少し景色が変わったところにいた。病院のようだ。そばには看護師さんがいた。
「ここは、どこですか?」「塚崎病院ですよ。長崎市野母崎の」
長崎っていうくらいだし長崎県か。なんで俺はここに居るんだろう。
看護師に問いかけた「私は何でここに居るんですか?」「道路に倒れこんでいて、ピクリとも動かなかったもので、何か覚えていませんか?」
少し前に誰かと話していたような気がする、だが誰だか思い出せない。
「誰かと話していたような気がするんです。」「そう、気をしっかりね。」
こんな話を終え、窓を見た。鉄格子が張ってある、精神病院だろうな。
ふと横にあったポスターを見た。とても現代のポスターとは思えない。古い軍服を着た男たちが銃を構えて走っている。下のほうには「員軍徒学」と書いている。行発日弐月七年五四九壱、1945年7月2日発行みたいだ。とっさに俺は看護師を探した。「すいません、今は何年ですか?」「今は1945年の7月9日ですよ。」「そんな…嘘ですよね…」
看護師は苦笑いをしながら答えた。「ほんとですよ。」「だって今は2015年7月9日じゃ…」
急に看護師は俺をコンクリートの部屋に連れ込んだ。「なんですかいきなり?」「ガチャッ」鍵を閉められたみたいだ。なんだよ、なんかのゲームか?夢か?いや、少し冷静に考えよう。小窓の向かいには扉があって「精神安定室4」と書いてある。なるほど、精神病院らしい設備だな。俺は1945年7月9日にいて、タイムスリップしてきたわけか。待てよ、1945年って、終戦した年だよな、そして7月で長崎って…原子爆弾だ。1945年8月9日今からちょうど30日後に長崎に原子爆弾「リトルボーイ」が投下、73000人が死亡、行方不明。まずい、このままでは俺も巻き添えになる!