「いいわ、案内してあげる」
とレミリアは少し小馬鹿にした風に言う。どうせ大したことないだろう、と考えているようだ。
「咲夜」
「なんでしょうか、レミリアお嬢様」
レミリアが名前を呼んだ瞬間、メイドが出現した。
サイタマは少しそちらに目を向けたが、別に興味がなかったのかすぐに別の方向に視線を向けた。きょろきょろしている。さながら、都会に来た田舎の人みたいに。
「案内してあげなさい」
「かしこまりました。では、お客様。私についてきてくださいませ」
「おう」
サイタマは何も疑ってないのかどうか知らないがすんなりとついていった。
「さて、どこまで持つかしら・・・?」
レミリアはくすくすと笑った。
「ここって広いんだな」
「そうでしょうか?我々はこの大きさに慣れていますので」
「ホント、ぜいたくだな。お前ら」
「あなたから見たらそうなのでしょうね、あなたから見たら」
「そうか」
咲夜のさりげない(?)毒舌を華麗にスルーしつつサイタマは思っていた。
(こんなところまできて何するんだ?)
「ここがサイタマさんに相手してほしい妹様の部屋です」
着いた場所には目の前には巨大な鉄のドアがあった。
「・・・なあ」
サイタマが言い出す。
「なんでしょうか?」
「お前ら、妹をどう思ってんだよ」
「どういうことでしょうか?」
「何か危険な怪物なのか?あのガキの妹は」
「・・・それには答えかねます」
「・・・」
サイタマは咲夜を少しにらむように一瞥した後、重々しいドアを開けて入っていった。
咲夜はそれを見てこうつぶやいた。
「ここに来た人間はこれで5124人目……、今日はどこまでもちますかね……」
そして背を向けて歩いて行った。
中は暗かった。サイタマは少し目を凝らす。
ところどころに血のりが付いていた。しかも異臭がする。なんというのだろうか、物が腐ったようなにおいがしていた。
こんなところによく住めるな、とサイタマは思った。
サイタマがきょろきょろとしていると不意に声がかかった。
「だれ・・・?」
サイタマは声のしたほうを向く。そこには、黄色い髪をしたこれもまた背中から羽をはやしている小さい子供がいた。
といっても、羽は骨格に七色のクリスタルがぶら下がったような形状をしていた。
(こいつか?別に危険そうには見えないが)
とサイタマは思った。
「おじさん、だれ?」
ああ、俺か。とサイタマは思った。
「俺?俺の名前はサイタマ。趣味でプロヒーローをやっているものだ。あとおじさんじゃねぇぞ」
「フランになにしにきたの・・・?」
眠たげな感じで話してくる子にサイタマはこう言った。言い放った。
「お前の遊び相手をしに来たんだ」
次の瞬間、フランの目が輝き始めた。
「え?ホント?!フランとあそんでくれるの?!」
「ああ、本当だ」
「うれしい!フラン、おもちゃがこわれたからとてもとてもたいくつだったの!」
「そうかそうか。そりゃあつらかったな。」
「うん!あそぼう!」
そう言って彼女はどこから取り出したのか知らないが、斧を取り出した。
「・・・は?」
サイタマは急な展開に少し頭の整理が追い付かなかった。
「あそぼ!」
「おい、待て。それでどうやって遊ぶんだよ」
「あのね!フランがオニで、おじさんがにげるひと!つかまったらおじさんバラバラね!」
「・・・なるほど、そういうことか」
サイタマは頭の中で納得した。だったら自分がするべきことはたった一つだろう、とサイタマは同時に確信した。
「行くよー!かぞえてるあいだににげてねー!」
「いや、フラン。それはだめだ」
「え?なんで?」
明らかに不機嫌になるフランにサイタマはなだめるように言う。
「鬼ごっこだとお前の姉ちゃんとかに迷惑かかっちまうだろ?ここで俺と遊ぼうぜ」
「どゆこと?」
「つまり、お前と、俺で、ここで、体を使って遊ぶんだ」
「なるほど!」
「ちなみに」
「?」
「手加減は無しだぞ?」
「うん!」
そううなずくとフランは飛び上がってそして一気に光弾を発射し始めた。
サイタマは少し構えて言った。
「両手連続・普通のパンチ」
続く