「ZZZ」
とある神社で彼女はぐっすりと眠っていた。
それはそれは幸せそうな顔で眠っていた。
その時、
ドギャア
神社が半壊した。
「おい、フラン!何ほかの建物壊してんだよ!迷惑だろ?!」
「ごめんごめん。ついたのしくなっちゃって」
「別のところ行こうぜ」
「うん!」
そういって再びフランはサイタマのマントをつかんでもと来た方向に投げ飛ばしてした。
「もうちょっと人を大事にしろぉ!」
「え~、やだ~」
二人は笑いながらどっかへ行った。
そこには、半壊してボロボロになった神社と、
「スヤスヤ」
幸せそうに眠っている巫女の姿があったとさ。
ズギャア ドガァア ズガガガガガガガガガガッ
すごい音を立てながらサイタマとフランは『遊んで』いた。
どちらかというとフランの攻撃をサイタマはたまに受け止め、時に流し、時によけているだけなのである。しかし、それがフランにとって楽しかったのだ。今まで、受けて砕け散るか、もしくはそれ以上の力でねじ伏せられていたからだ。レミリアと遊んでいるときは特にそうだった。力でねじ伏せられていた。しかし、サイタマは違った。サイタマは自分の全力を思いきり出させてくれる、すごい存在だと感じた。そして同時に自分もここまで全力で遊べるんだと思って感動していた。ここまで楽しいと感じたのは初めてだった。
「おじさん!」
「なんだ?」
「きてくれてありがと!」
「そうか!お前が楽しんでくれて俺もうれしいぞ!」
「うん!」
はたから見てしまえば二人は完全に子供をあやしている幼稚園の先生に見えた。
ちょっとバイオレンスだが。
そこに目をつむれば完全に先生と園児だった。
「ほらほら!こっちだぞ!」
「あれ?いつのまに?」
「お前の目には見えないスピードで動いたのさ」
「すごーい!おじさんなんでもできるんだね!」
「ああ!なんせ俺は『ヒーロー』だからな!」
ヒーローについてのある意味誤ったことを教えてしまったサイタマであった。
「ヒーローってこんなにすごいんだ!」
「ああ!そうだぞ!悪いやつらをやっつける!それが俺たちヒーローの仕事なんだ!」
「そうなんだ!すごいよ、おじさん!カッコいいよ!」
「そう言われたのは初めてだ!」
二人はすごく楽しそうに追いかけっこをしていた。
「・・・すごすぎる」
それを美鈴は呆然と見ていた。
「何故、妹様とあそこまで張り合えるんだ・・・」
美鈴は少し感嘆したように、そして悔しそうに言った。
「もー!えーい!」
フランは魔法陣を繰り出すとそこから大量の光弾を降らしてくる。
「すげぇきれいだ」
と言いながらサイタマは走ってよける。後ろで爆風が上がる。
そのまま壁を走りあがると一気に跳んで屋上に上がる。
そこにレーヴァティンが突き刺さる。サイタマは普通に数歩ずれてよけた。
「おお、あぶねぇ」
気楽そうに彼は言う。そしてそれを引き抜くとフランに投げ返した。
「「「「・・・」」」」
その光景をレミリア、咲夜、小悪魔、パチュリー・ノーレッジが呆然と見ていた。まるで信じられないかのように。
「咲夜」
「なんでしょう、お嬢様」
「私、夢見てないわよね…?」
「・・・これは夢ではなさそうですが」
「で、でも!だったら!どうしてあの人はあんなに余裕そうなんですか?!」
「魔術とかで肉体強化してるわけではないみたいね。魔術のまの字も感じられないわ」
「じゃあ、純粋な身体能力…?」
「あんな身体能力があってたまるか」
しかし、このような楽しい時間も終わりが近づいてきた。
「お嬢様!あれ!」
「え?あ!」
「太陽が!」
「まずい!」
そう、日の出である。
「きゃあ!」
「ん?どした?」
サイタマはフランに近づく。
「フラン、たいようにがてなのー!」
「そうか。じゃあこれでもかぶっとけ」
サイタマはマントを外すとフランにかぶせた。
「わふ」
「お前吸血鬼だったら先に言っとけよ?死んだら遅いんだからな?」
「うん」
「さて、屋敷に戻るか?」
「うん!」
続く