一撃男が幻想入り   作:海棠

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閑話
十四撃目ー四季のフラワーマスター/Flowerー


「鈴仙」

「なんですか?」

「服装変えた?」

鈴仙:片方の肩が出る黒いシャツ。生地に『Get more power』と書かれている。

「はい、変えましたよ?」

「そうか」

「サイタマさん、あのパーカーは?」

「ああ、燃えた」

「ああ、ですからその服装に」

サイタマ:黒っぽい和服。

二人の間に沈黙が流れる。

「ところでさ」

とサイタマは地図を片手に鈴仙に近づく。

「はい。なんですか?」

「この黄色の場所なんだ?」

「ああ、それは・・・」

鈴仙は苦虫を噛み潰したような顔になったがすぐに元に戻した。

「?」

「あ、いえ。ここは『太陽の畑』っていうんですが」

「ゑ?熱くねぇの?」

「え?」

「え?」

顔を見合わせる二人。

「なにしてるの~?」

「今から行く場所を考えてたんですよ」

「そっか~」

フランも地図をのぞき込む。

「?」

「そっか。フランはずっと地下にこもりっぱなしだったからわかんねぇのか」

「うん、そだよ~」

「どうすっかなぁ~」

サイタマは髪の毛のない頭をポリポリとかく。

「「「・・・・・・」」」

三人が地図をじっと見る。

「じゃあよ」

「「?」」

「指さしたところに多数決で行くってのはどうだ?」

「一人ずつだったら?」

「じゃんけん」

「いいですね」

「いぎな~し」

「じゃあいくぞ。ぜ~の・・・」

「「「ハイ!」」」

サイタマが指さしたのは何かの洞窟、フランが指さしたのは黄色の場所、鈴仙が指さしたのは何らかの寺らしき建造物だった。

「バラバラか」

「じゃあ、じゃんけんですね」

「ああ、いくぞ。じゃんけん…」

「「「ポイ!!!」」」

サイタマ:チョキ

鈴仙:グー

フラン:パー

「「「あいこでしょ!」」」

サイタマ:グー

鈴仙:チョキ

フラン:グー

「あ」

鈴仙はうなだれる。

「最初はグー!」

「じゃんけん…」

「「ポイ!!」」

サイタマ:グー

フラン:パー

「じゃあこの『太陽の畑』ってところ行くぞー!」

「おー!」

「お、お~・・・」

これがサイタマの超人ぶりをさらに見せつけることになるとはこの時二人は予想だにしていなかったのである。

 

 

 

~☆~

 

 

「ここか?」

サイタマ達が着いた場所には広大なひまわり畑が広がっていた。

「うわ~~~~きれ――――――――!!!!」

フランが歓喜して大きな声を上げる。その後ろでは鈴仙が不安そうな顔できょろきょろとあたりを見渡していた。

鈴仙が不安を感じている原因は風見幽香というこのひまわり畑の管理人である。幻想郷の中でも最強クラスの妖怪であり、『四季のフラワーマスター』という二つ名を持っている危険度は相当高い。いや、高いってもんじゃない。わざわざ自身が薬を売りに来ないのは危険だからである。一説には花に近づいただけで血祭りにあげられるとかそんな話もある。

「どうしたんだ?鈴仙」

「いえ、その・・・。」

サイタマが不審げに鈴仙を見る。

「サイタマさん!」

「おう、なんだ?」

「実はこのひまわり畑の管理人は・・・!」

「・・・お前の後ろに誰かいるんだけど、誰?」

「へ?」

鈴仙がくるりと後ろを振り向くとそこには

 

「ごきげんよう、永遠亭の兎さん」

 

『四季のフラワーマスター』、風見幽香がニコニコとして立っていた。

「ホワァアアアアアアア?!!!!!!!」

鈴仙はシェーのポーズをやりながら跳び上がった。

「いいいいいいいいいいいいいいいつからそこに?!」

「さっきからいたわよ」

「サイタマさん!?」

「俺はさっき気づいたんだけど。あんた誰?」

この人は自殺志願者か、と鈴仙は思った。

「私の名は風見幽香。ここの管理人をしているわ」

「そうか。お~い、フラ~ン」

「は~い」

「個々の管理人だってよ。あいさつしな」

「はーい!フランドール・スカーレットです!よろしくおねがいします!」

「よろしくね。で、そこのあなた」

「俺?」

「ええ、そうよ。あなた、新聞に出ていた外来人でしょう?」

「新聞?・・・ああ、あれか」

「心当たりあるのなら間違いないわね。(チラッ)・・・まあ、見間違えることないでしょうけど」

「おい今さっき俺の頭見なかったか?」

「何のことかしら。話戻すわね。「無視すんなよ」で、あなた」

「?」

「私と勝負してみない?」

出たぞ、戦闘狂。鈴仙は思った。

「なんで?」

「純粋に興味よ」

「俺は別にいいけど、ここでやるのはまずいだろ?花とかすごい手入れしてんのは俺もわかるし」

「そうね・・・。ああ、そうだ。近くに広い広場があるのよ。そこ使いましょう」

大丈夫かな、これ。と鈴仙は思いながら幽香について行った。

その後ろでフランはワクワクしながら傘をくるくる回しながらついてきていた。

 

続く

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