「そういや、あんたの名前きいてなかったな。名前なんての?」
「水橋パルスィ。橋姫よ」
「え?はしひめってなんだ?」
「日本に伝わる橋を守る女神のことよ」
「橋なんか守ってなんか楽しいか?」
「そこ訊いちゃうの?まあ、あまり面白いものじゃないわよ」
「だったらなんでやってんの?」
「それが私の使命だからよ」
「ふぅん・・・、なんかよくわかんねぇけど大変なんだな」
「同情なんかいらないわよ」
「そうか」
二人は橋にもたれかかってくつろいでいた。
「こっからの風景、なかなかいいな」
「この光るやつのこと?」
「そうそう」
「確かにそう思うわ。あなた、まあまあの感性もってるじゃない」
「褒められる筋合いはない」
「何その無欲さ。妬ましいわね。ところで、少々汚れてるようだけど、何かあったのかしら?」
「ああ、勇儀ってやつと殴り合った」
「そう・・・、え?」
パルスィが間抜けな声を出す。
「勇儀と?!バカでしょあなた!」
「そうだな、俺おつむよくねぇからな」
「たぶんあなたが考えてるのと意味が違うわ!」
「え?どゆこと?」
「つまりね!ああ、もう妬ましい!」
「なんでだよ!」
「なんて頑丈なの、あんたは!あほじゃないの?!で、勝敗は?」
「俺の勝ち」
「バカかアンタは?!鬼に勝つってどんなだ!」
「いや、相手の全力を体で止めただけだけど・・・」
「それってどれだけ頑丈なのよ!もうアンタおかしいでしょ!」
「おかしいか?」
「おかしいわよ!鬼は幻想郷の中でも1,2位を争うくらい強い種族なのよ?!!」
「そ、そうなのか」
パルスィの気迫に若干押されつつあるサイタマであった。
「ま、いいわ」
「そうか」
「で、どうするの?」
「?」
「だーかーらー!この後どうするのかって訊いてるのよ!」
「え?ひとまず地上に出てほかのところ行こうかな、って」
「サイタマさーん!!」
「おじさーん!!」
「おう二人とも」
「ようやく見つけましたよ」
「おいてくなんてひどーい!」
「すまなかったな」
「あら、お供がいたのね」
「お供とは思わねぇけどな」
「そんなこと言ったらあの子たち恐らく傷つくわよ」
「そうか?」
「そうよ」
サイタマは二人と合流する。
「ありがとな、橋姫さん」
「お礼を言われるまででもないわ」
「いや、俺は少し楽しかったし」
「そう」
サイタマは背中を向けて歩いて行った。
「・・・フフッ」
パルスィは笑った。何故なら、
背中に帽子をかぶった女の子が乗っていたからだ。
ああ、あの子か。とパルスィは思った。
「なんか背中重いんだけど」
「疲れてるんじゃないですか?」
「おじさんだいじょうぶ~?」
続く