「では、私の家に案内しようか」
と依姫は言った。
サイタマにフラン、こいし、さらには鈴仙までもが疑わしそうに見ていた。
「心配することはない。ただ話がしたいだけさ。あと質問」
「・・・」
フランがスッとレーヴァティンを取り出した。ひどく警戒している。
「やめろ」
とサイタマは言いながらフランの手を抑える。
「いや~はなして~」
「お前がそれをしまったらな」
「う~・・・」
フランは頬を膨らませながらレーヴァティンを降ろす。
「・・・本当はもっと何かあるんだろ、言ってみろよ」
とサイタマは言った。
すると依姫はくつくつと笑った。
「嘘も見破るってのかい、面白い人ね。あんたは」
「さっさと何したいのか言ってくれ」
「リベンジしたい」
「なんだ、そんなことか」
サイタマはぼけーっとした顔で言った。
「いいぜ、別に」
「いいんですか?!」
鈴仙がすぐさま突っ込んだ。
「いいだろ、別に。誰も損しないし」
「サイタマさんが損をしますよね?!!」
「俺の損なんかどうでもいいだろ」
「よくないですよ!」
「で、どこでやるの?」
「私の敷地内でやろう」
「そうか、そうしたほうがいいかもしれない」
「さっきのは少し手加減してたんだ。今から本気で行く」
「最初から本気出せよ」
「さっきのマジぽかったですけど」
「おねーさん、ほんきじゃなかったの~?」
「こいしにはやけになってるようにみえたよ~?」
個人の思い思いの言葉が依姫にぶつけられる。
「黙れ小僧!」
依姫は叫ぶ。
「いや、俺25なんだけど」
「我々にとったら25であろうが0であろうが関係ないわ!」
「そうか」
サイタマはどうやら考えるのをやめたようだ。
「サイタマさん、あの人はこんな性格の人です。考えちゃダメです」
「そうか」
「聞こえてるぞ、鈴仙!」
「聞こえるように言ったんですよ!」
「ついに言いおった!お前も言うようになったな?!隊長うれしいぞ!!」
「で、まだなの?」
「わかったわかった。わかったから拳を構えるな」
~しばらくして~
「で、再戦。と」
とサイタマは言った。
「ああ、ここでもう一回やろう」
依姫は構える。
それに対してサイタマは何も構えずにただぼーっとしていた。
(本当にこれでいいんだろうか)
と鈴仙は思った。
何故か。サイタマにやる気が全く持って感じられないからだ。
これが彼のスタイルなのだと一応わかる節はある。
しかし、それでも明らかに異常である。
緊張感がなさすぎではないのか。
「では、やろうか」
「・・・」
すると突然サイタマが消えた。
「っ!」
依姫は後ろに切りかかる。
「?!」
しかし、それはすかぶった。
何故なら、サイタマが一歩下がったからだ。
「このっ・・・!」
と依姫はサイタマに刀を突き刺そうとした。
しかし、それは地面に突き刺さった。
サイタマが依姫の肩を抑えつけたからだ。
「はい、終わり」
サイタマはそういうと背を向けた。
依姫は呆然としていた。
あんなになめた態度の相手に負けたことに苛立ちよりもあきれのほうが出てしまった。
続く