あれがすっきりするんですよね、僕は。
「すまない」
第一声がこれである。
「え?」
「実は、寺子屋の子が病気で寝込んでいてな。永遠亭に行って薬をもらわなければならないんだ」
「まじか、それは大変だな」
「ああ、だからいっしょに行けないんだ」
「・・・俺が行こうか?」
「え?いいのか?」
「ああ、別にいいぜ。薬くらいもらってきてやるよ。地図くれたらいけるぜ、たぶんな。それに」
「それに?」
「この世界を探索することもできるからな」
「そう言ってくれると助かる。すぐに地図を出そう。あと、お金も」
そういってけーねは家に入ってすぐに出てきた。手には銭が入っているであろう袋と地図が握られていた。
「ここなんだ」
けーねが指さしたところには竹に囲まれた建物である。
「ここ?」
「ああ。ここに妹紅がいるはずだから案内してもらってくれ」
「ああ、わかった。行ってくる」
「頼んだぞ!」
俺は袋と地図を握って歩いて行った。
~しばらくして~
「・・・。」
目の前には竹林があった。
「・・・ここか」
俺は数歩下がると少し助走をつけて跳ぶ。
「あそこか」
俺は竹の先っぽを跳び移りながら進んでいく。
「到着っと」
俺は建物を見つけるとすぐに降りる。
「ふぅ、ここでいいかな?ん?」
銃弾が飛んできたので俺はキャッチする。
「・・・?」
跳んできた方向に対して俺は大きな声で言った。
「誰かいんのか?」
「・・・ばれてしまいましたか」
と言いながらうさ耳女が草むらから出てきた。コスプレか?
「なんだお前?」
「あんたみたいな不審者を簡単に通すわけにはいきません」
「へ?俺が?」
「とぼけないでください」
「俺はここに薬もらいに来たんだけど?」
「そう言ってお師匠に危害を加えるつもりでしょう。そういう方法で攻撃する奴は少なからずいますからね、特に人間に化けれる妖怪はそう言います」
「いや、俺人間なんだけど」
「銃弾キャッチできる人間がいてたまりますか」
「いや、俺人間なんだけど」
「ごちゃごちゃうるさいです!下等な妖怪め!ここで始末してくれる!!」
そういってうさ耳女は突っ込んでくる。俺はあまりやりたくねぇんだけどな…。
「ん」
「な!この!」
俺はよけることに専念する。そしてそいつがすごい疲れてへたばったのを見計らって戸をノックする。
『は~い、どちら様ですか?』
「サイタマです。けーねの代わりに薬もらいに来ました」
『今開けますね~』
ガラガラと開けて出てきたのは赤と青の服を着た女だった。
「ささ、はいって」
「ああ」
「ところで鈴仙は?」
「?」
「ああ、すまないわね。黒い服着たピンク髪の子なんだけど…」
「・・・あ」
「?」
「いや、なんでもねぇ」
「そう、帰ってきたら説教しなきゃ」
ああ、すまん。俺は心の中で平謝りした。
「これよ」
俺は手に袋をのせられる。
「これか?」
「ええ、それでいいわ」
「ああ、じゃあ金」
「・・・ちょうどね、毎度あり~」
「ああ、あんがと」
「ちょっと待ってください!」
声がした方向を向くとさっきのうさ耳女がいた。
「ちょっと鈴仙、あなた何言ってるのよ」
「こいつ、どう思いますか?!」
「?普通に人間だと思うけど…」
「銃弾キャッチしたのにですか?」
「・・・え?」
「あれはお前から仕掛けてきたんだろう?俺は悪くねぇぞ?」
「でも!上から飛んでくる人間なんていてたまりますか!しかもあなた!」
「?」
「村で化け物を倒したじゃないですか!しかも
「・・・その話、本当なの?サイタマさん」
「あー・・・、ホントだ。それがどうかしたのか?」
「ああ、あなただったのね。鈴仙が会いたがっていたの」
「なんで?」
「手合わせしてもらいたいとか言ってねぇ」
「そうか」
「興味なさそうね」
「実際興味ないしな、俺」
俺は全速力で逃げた。
~少しして~
「帰ってきたぞ」
「ああ!帰ってきてくれたか」
「ああ」
「今すぐ渡してくれ!」
「水は?」
「ああ!水はこっちで用意してある!」
「じゃあ、ほい」
俺はその家を後にした。
その後、その病気だった子供の熱はすぐに下がり元気になったそうだ。
俺が蕎麦屋でそばを食っていると俺の目の前に誰か座った。
俺が少し目線を上げるとそこには前にあったうさ耳女がいた。
「サイタマさん!」
暑苦しい。
「手合わせしてもらいたかったのでこっちから来ました!してくれますか!」
あ、これめんどくさいやつだ。どうせ拒否しても食いついてくるだろうからここは適当にやって済まそう。
「わかったよ…。ただ」
「ただ?」
「そば食い終わってからにしろよ」
「はい!」
ああ、こいつジェノスタイプだ。間違いない。
俺は食いながらそう思った。
続く